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ドラゴンクエスト音楽個人的15

去年でしたっけ。ドラゴンクエストの音楽を長年に渡り作曲して国民的RPGの世界観の構築に大きく貢献してこられたすぎやまこういち氏が亡くなったのは。今調べたらもう3年も前なんですね。すぎやまこういちの音楽がなかったら、鳥山明のモンスターデザインがなかったら、いくら堀井雄二のシナリオが優れたものだとしても、ドラクエのここまでの発展はあったかどうか、って思うくらい音楽、キャラデザインも含めて「奇跡的な」ゲームがこの世に生み出されたのだなあ、と感慨深くなったりします。ここではそのうちのすぎやまこういちのドラクエの音楽で個人的に好きな15曲、世代的にかなりⅠ~Ⅲに偏っていますが、紹介したいと思います。いつもの10選とかと違いランキング形式で、どうぞ。


15位 塔 【ドラゴンクエストⅢ】(1988年)
あのⅢの何がよかったかというと、Ⅱまでも結構面白くて楽しめたのですが、Ⅰはシンプル、Ⅱは難しすぎる、といった問題点をこれでもかっていうくらいに埋め尽くした圧倒的な「完成度」にあったと思います。この塔の音楽もⅡからあったりしますが、すぎやまこういち氏の悪口を言うわけではないのですが、今風の言葉で言うと「レべチ」なんですね、塔の音楽だけもってしても。本当に心地よくて、高い天空に向かって冒険していると思わせる臨場感が半端なかったです。この曲で15位にしなければならないくらいいい音楽が多すぎて悩みました笑。ほぼ原曲のサウンドでどうぞ。


14位 木漏れ日の中で 【ドラゴンクエストⅥ】(1995年)
これは1995年に発売された「ドラゴンクエストⅥ」の街のテーマ曲ですね。このⅥを熱心にやっていたのはほぼ当時だけだったのでもう25年以上もほとんどやっていないから記憶が薄れていますが、転職システムとか技とか結構好きでやり込んだりしていました。「ギガスラッシュ」とかあれ、同じ時期にジャンプで連載していた「ダイの大冒険」の主人公ダイの必殺技「ギガストラッシュ」から来てんねんやろうなあ、とか思ったり。あと「はぐれメタルのさとり」とか入手するのめっちゃ難しかった思い出があります。一回クリアしてその洞窟とかで手に入れるんやったかな、忘れました。個人的にも人生でもっとも充実していた高校2年の感受性でやっていたゲームなので懐かしいなあ、と思ったりしますが、他が強すぎてこれでもこの順位です。これも原曲のサウンドでどうぞ。


13位 ラダトーム城 【ドラゴンクエスト】(1986年)
これもいい曲でしたね。あの当時のファミコンの音楽とかほとんどあくまでゲームの音楽といった感じの軽いものが多かった印象ですが(それでもノスタルジックにあのピコピコ音は脳内で再生されまくっている)、このドラクエのすぎやまこういち氏は何とゲームの世界にクラシック顔負けの素晴らしい素材を持ち込んで、ゲームキッズに「音楽の素晴らしさ」を教えてくれたりしました。この「ラダトーム城」の音楽もほぼバロック音楽(Ⅲのアレンジでしたか)でオリジナルらしいですが、あの当時の本物と比較しても遜色ないくらいに「本物感」が溢れております。凄まじく教養のある人なんやなあって感心します。ちなみに東大出てるらしいですね。生きている次元が違い過ぎる、神レベルの人やったなあ。これはクラシックの演奏で。よく合ってるところがまた凄い。


12位 ジプシーダンス 【ドラゴンクエストⅣ】(1990年)
ドラクエⅣもかなりやりましたね。クラスメイトの誰よりも早く全員レベル99にしていたり。最後の塔のところでメタルキングとはぐれメタルがズラーって並んでファミコンのみの裏技らしいですが、せいすいかけまくって倒して。あれはさくせん「いろいろやろうぜ」じゃないとAIのみのバトルでしたから仲間がせいすい使ってくれない縛りがあったりとか、懐かしいですね。で、このⅣだけ章仕立てになっていて第4章のマーニャとミネアの旅なんですが、いざ外に出てモンスターと戦ったらこの「ジプシーダンス」がそれまでの戦闘テーマ(これもいい曲。今回は残念ながら選考に漏れました、すいません)と打って変わってまさに「踊るように」戦闘を楽しめるという心憎い演出が成され「さすがドラクエ」と子供心にそう思ったかどうかは忘れましたが、驚きました。で、裏技かどうかは忘れましたが5章で全員そろった時に先頭と2番目のメンバーをマーニャとミネアにしておくと何と5章でも戦闘が「ジプシーダンス」になったとか、あったような、なかったような。たぶんあったと思います。ファミコン限定やったかな。大昔で忘れましたが。当時の驚きをより再現したファミコン版で、どうぞ。


11位 遥かなる旅路 【ドラゴンクエストⅡ】(1987年)
なんとなくあの当時1987年のバブル前夜の時代の空虚さを思い起こさせる名曲だと思います。1988年になると何となく完成されてしまったドラクエⅢの音楽がすぎやまこういち氏の中でこれでもかって作られてそれはそれで大好きなんですけど、バブル前夜と空気感、80年代の荒々しい空気感の反動による空虚さというのが何故かこの曲から感じられてよりノスタルジックに響きます。というか本当に凄い作曲家ですね。普通に一流ミュージシャンやん。時代の空気感、その奥に潜む精神性を的確にとらえて、言うてみれば「たかが子供の遊び」のファミコンにそのレベルの音楽を持ち込んで来るんですから。本当に偉大な音楽家であったと言うことが出来るのではないでしょうか。もっと評価されてもいいと思います。ギターアレンジの演奏が良かったのでどうぞ。


10位 そして伝説へ… 【ドラゴンクエストⅢ】(1988年)
まさかのバラモスと倒してからの、物語が続くそのシナリオは何回も書きましたが人生でも10本の指に入るくらい驚いて感動しました。それくらいⅢの世界観は奥行きが広くて、完成度が高かったです。そしてまさかの自分が「勇者ロト」になるなんて。Ⅰ、Ⅱとやってきたプレイヤーはもう一生忘れない体験をここでしたことでしょう。当時は。だからこそ社会現象にもなるし、ポテンシャルが凄かったのでしょうね、期待感というか。でそれに見事に、いやその想像の遥か上をいくものだったから「ドラクエⅢ」はまさに「伝説」になっていったのだと思います。ファミコンのエンディング画面もこれまでの冒険してきた城やダンジョン、街とかが流れて行って感慨にふけったし、最後まですべてが完璧なゲームって他にないなって、個人的に思ったりしました。そんなにゲームやって来てないので恐縮ですが。あの当時はもう最高の次元に行っていましたね、ドラクエⅢは。動画はそのままファミコンのエンディングを。あと一番有名な「序曲」、今回のランキング入れ忘れていたので、ここでちょっとですが(罪滅ぼし的に)入れときます、すいません。いい曲があり過ぎてまさかの「序曲」忘れていました笑。


9位 広野を行く 【ドラゴンクエスト】(1986年)
ここからは本当に甲乙つけがたい曲が並んでいくので順位つけるのが難しかったです。ほとんど差はないです。15曲全体にも言えることですが。あの雄大な、それでいてシンプルな旋律にどれだけ長い旅だったとしてもずっとプレイヤーに寄り添って流れて、なにより飽きさせない、魔法の音楽だと思います。すぎやまこういち氏も「ゲームだからと言って子供だましの音楽は作りたくない。子供たちにこそ本物の音楽を届けたい」と考えられて「飽きの来ない、擦り減らない」音楽をこの歴史的なゲームに次から次へ投入していったとのことです。後にCDとかで交響曲とか出たりするのも納得ですよね。僕もオーケストラで改めて聞くと感動がまた違いました。


8位 戦闘のテーマ 【ドラゴンクエストⅢ】(1988年)
これも麻薬並みに中毒性のある音楽でしたね笑。僕の高校の同級生も「現代文のテストの時にずっとドラクエⅢの戦闘の音楽流れていた」とか言っていました。どれだけ夢中になってモンスター倒しまくってたんやって話ですが、めちゃくちゃ共感したりしていました。「塔」のテーマのところでも書きましたがⅡの戦闘の音楽と比べてもこれまた「レベチ」なんですね。ホントどこまでこのⅢの完成度高いねんって感じですが。堀井雄二もすぎやまこういちも鳥山明も手加減なしで大人の最高レベルの本気を日本中の子どもたちに見せつけたって感じです。そりゃみんな子供は全部持ってかれますって。そこらへんのゲームの舞台裏(?)は個人的な話になって恐縮ですが「ゲームという魔法【小説・エッセイ】」という僕の作品に思うところを書いてあるのでよかったら是非。いろいろ動画ありましたがエレクトーンのが一番良かったのでどうぞ。そういや夏の高校野球甲子園とかでもブラスバンドの応援で毎年のように流れていましたね。30年以上昔の曲やのに、生命力が半端ない。


7位 ほこら 【ドラゴンクエストⅢ】(1988年) 
ちょっと前の「ドラゴンクエストⅢを買うまでの話【エッセイ】」とかでも少し紹介しましたがⅢの中でもかなり好きな曲で一番くらいかも、とか思いますが、これもⅢのなかでも甲乙つけがたいものばかりで悩みます。神聖でいて懐かしく、まあ何回も書いて恐縮ですが「完成度」にすき間がないってくらい、どこまで100%目指して作ったんだって感じのゲームですね。Ⅲは。スーパーファミコンのリメイク版の手を止めて聞き入っていたこともあるくらい好きな曲でした。悲しみというか情感がこれほどこもった音楽というのもなかなかないのではないでしょうか。それくらい神がかった名曲だと思います。


6位 冒険の旅 【ドラゴンクエストⅢ】(1988年)
一時車のCMとかにも使われていましたよね。ちょっと前でしたか。たぶんあの世代はかなりこのCM気に行っていたんじゃないでしょうか。「冒険の旅」と車ってかなりいい組み合わせだと思ったりしました。勇者が目覚めて王様に会いに行って「敵はバラモスじゃ」と言われルイーダの店で仲間を加えていざ、外に出た時にかかるこの曲がドラクエⅢの方向性と完成度の高さを無意識にプレーヤーの心に刻んだから誰もがもう一直線にゾーマまで倒しに行けたのかもしれないです。つかみが完璧すぎて、ホント。アリアハンから誘いの洞窟~ロマリア~カザーフ、ああ全部攻略ルート覚えている、もう何十年もやっていないのに笑。それくらい刻まれていますね、ずっとあのバックに「冒険の旅」が流れていましたから。ホント最高のゲームでした。


5位 勇者の挑戦 【ドラゴンクエストⅢ】(1988年)
もう震えが止まらない。そんな曲です。武者震いというか、ゾーマの底知れぬ強さに恐怖していたのか、忘れましたが凄いインパクトを持っていまだに記憶に刻まれている一曲です。ゾーマ、最高ですね。シナリオ完璧で最後の敵としてこれ以上の存在はないって感じで。本当に世界を救うんだって9歳の少年はのめり込んで必死で経験値稼いで「おうじゃのけん」「ひかりのよろい」「ゆうしゃのたて」集めてゾーマの城へ。「けんじゃのいし」とかかなり助かりました。バラモスゾンビなんであんなに打撃力強いねんとか。いろいろあの空間で子供は思っていましたね。そしてラスボスの中のラスボスゾーマ。「ぜつぼうこそわがよろこび。さあわがうでのなかでいきたえるがよい」の名台詞。全部まだ覚えています。「ひかりのたま」使わないでクリアにチャレンジしたりしましたが、僕は無理でした。出来た人いるんかな。何十年経ってもまだ詳細に覚えているってくらい、Ⅲはめちゃくちゃやりましたね。おかげで20歳以降ゲームアレルギーになってほとんどしなくなりましたが笑。


4位 死の塔 【ドラゴンクエストⅤ】(1992年)
いまやドラクエシリーズではⅤはⅢよりも人気があるみたいですね。確かに名作だと思います。ネタバレごめんで書かせてもらいますが、主人公の子どもが勇者って。Ⅲに負けず劣らずいいシナリオでしたね。結婚でビアンカとフローラどっちを選ぶかとか。でも僕は素直にビアンカを選びました。その理由がこの曲がバックに流れていた幼少期のビアンカとの「レムール城」の冒険がとても印象に残っているからです。何か知らないですが個人的にこの「レムール城」の冒険が凄く好きで。まだドラクエⅤやりたてでそこまでゲーム進んでいない段階とかでしたが、この音楽と幼なじみのビアンカと一緒に冒険しているっていう世界観とかがツボで。だからこの思い出がかなり強いので迷わずビアンカを選びましたね。あとモンスターを仲間にするシステムとかもハマりました。キラーマシン3体仲間にした人ってかなり少ないんじゃないでしょうか。あとカジノで大当たりして早い段階で「はぐれメタルのけん」二つ手に入れたり。いろいろ徳の高いことしてたんかな、中2の僕は笑。


3位 果てしなき世界 【ドラゴンクエストⅡ】(1987年)
サマルトリアの王子とだけの旅ではまだ「遥かなる旅路」が流れていてそれはそれで好きでしたが、ムーンブルクの王女が仲間に加わった途端、あんだけ難易度の高いある意味鬼畜仕様のゲームでしたが世界が一気に開けるようなそんな感覚を味わいこれも大好きでしたね。冒険って、仲間がいるって楽しいんだって、素直に思わせてくれるような。堀井雄二やすぎやまこういちからの子どもたちへのメッセージだったのかも、と今では思ったりします。「一人でゲームばかりしていないので仲間、友達と一緒に冒険、人生の冒険していこうぜ」みたいな。それくらい肯定感に満ちた音楽でした。


2位 LOVE SONGを探して 【ドラゴンクエストⅡ】(1987年)
完成度はドラクエⅢとか言いましたが、個々の楽曲ではかなりⅡは強いものがあり、1位~3位はすべてⅡの曲からになっています。これも「ゲーム音楽個人的10選」とかで紹介したのですが、あの長い「ふっかつのじゅもん」入力画面でバックに流れている曲で、ストレス緩和の意味もあったのかなあって今になって思ったりします。配慮が行き届きすぎている笑。80年代の軽やかな雰囲気を纏っている感じがして個人的に大好きな曲です。あの時代がやっぱり一番今でも好きですね。まだ子供だったし。日本も平和で豊かで大人も戦前生まれの人がたくさんいてしっかりして安心出来たし。ノスタルジックな感傷に浸ってすいません、ですがやっぱりそう思ってしまいます。


1位 この道わが旅 【ドラゴンクエストⅡ】(1987年)
で、1位はこの曲です。あの難易度MAXのドラクエⅡのエンディングで流れていましたね。これはまた、去年か一昨年のNHKで亡くなったすぎやまこういち氏の主にドラクエの音楽、もちろんそれ以外のグループサウンズとかの曲も含めての追悼番組の最後でかかっていて、なんかすごく感動したのも覚えています。人生の最後をこういう曲で見事に締められたすぎやまこういち氏に改めて合掌。久しぶりに聴きましたけどやっぱりすごくいい曲で感動しますよね。僕もこんな感じで年齢いってこんな感じで見送られたいですね。お葬式で流してもらうかな。まだまだ先の話ですが。


ほぼ思い出に残っているのはやっぱりⅠ~Ⅲの曲で、それくらい子供心にインパクトがあってまだドラクエ自体が歴史も浅かったから新鮮味が音楽もシナリオも豊富にあってその驚きが記憶を支配していたのかな、って思ったりします。でもずっとゲームばかりしていたから、人見知りも治らないまま大人になっていろいろ接客業とかで困ったり、一人遊びが過ぎたかなって思ったりします。寂しさをゲームで埋めていたような。いい面も悪い面も持ち合わせたのがファミコンだったりするので、一概に楽しいばかりでもなかったかな。それなりに外でも遊んで友達もたくさんいた方ではあるのですが、もっと何か、いやゲーム以上にワクワクするものってあの頃あんまりなかったから、ハマるのも仕方ないか。人それぞれ育った環境は異なるのでいろいろなゲームに対する意見とか思い出はあるのでしょうけど。なんだかんだ書いてきましたけど、このドラクエのすぎやまこういち氏の作った音楽は本当に素晴らしいと思うのでやっぱり長く時代を超えてこれからも聞き継がれていくのではないかとも思います。ではまた何かの10選で。

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