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里山資本主義(藻谷浩介さん著書)における『マネー資本主義』と『SNS(YoutubeやInstagramなど)におけるいいね/登録者数資本主義』との類似と比較


今回の記事は読書感想文ではありませんが
最近読んだ本の中で特にガツんと衝撃をうけた藻谷浩介さん著書「里山資本主義日本経済は『安心の原理』で動く」
を読んでから感じたこと、そして里山資本主義の対となる言葉としてあげられていた『マネー資本主義』にふれながら
現在のSNSにおける『いいねの数』『登録者の数』への個人的に思う疑問を書いていこうと思います。

まず「里山資本主義日本経済は『安心の原理』で動く」の本についてですが現代の日本における産業的農業、または工業的農業
について様々な例をあげながらふれられており、Sustainable developement(持続可能な発展)においてモダンな農業方法に警笛をならしながら
同時にその問題点や指摘、そして実際にどのように自然保護、環境保護をしながら地方の小規模農家さんを守ることができるのかという解決案が多く書かれていました。本のなかであった地産地消で生活を十分にまかなえている地方の農家さんの言葉であった「私たちの国ではまわりにいくらでも木が生えているそれなのに遠いアラブの国から買ってきた石油や天然ガスや、それで作った電気がないといきられないと言っている。ばかげている」(里山資本主義より引用)からも見て取れるように実際にあるものを使わずに安くて、便利な海外さんの資源を輸入している多くの日本人に対しての実際にメッセージにも考えさせるものが多くありました。

里山資本主義に関しては賛否両論がありますし僕自身は1アイディアとして参考にしているので信者というわけではありません。
ただブリコラージュという視点でみても実際にある資源を横においておき(見向きもしない場合も)海外さんの資源や農産物などを
輸入することが実際には国の資源やまた農家さんへの収入に間接的に影響を与えることになっているそうです。

また工業的に量に力をいれた農業を継続することで焼畑のしすぎなどで例えばブラジルのアマゾンの森林火災などが問題となっています。
セキュリティーの面でも安心安全という視点で見ても地域のネットワークとお金が地域内を循環するのが「さとやま」であり、それが地方のコミュニティを守る場所であり潤滑油でもあります。また未来をつくるサブシステムであると藻谷さんは同書の中で述べられています。

里山資本主義は、マネー資本主義(富裕層が成功者の定義)に対するただの否定ではなく、都会暮らしを否定しているわけでもありません。
著書藻谷さんは「里山資本主義の考え方は、現在のマネー経済だけでなく、日本社会が抱える地域の過疎化、少子化と急激な高齢化という問題を克服する可能性も秘めている」と述べています。里山の暮らし方は世界に通用する自然保護に精通するイデオロギーであり方法論であり、そして社会資本や地域のコミュニティづくりにも大きくつながる哲学だと僕は思いました。

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それをふまえて現在のSNSの使い方や評価方法として基準になっているのが冒頭でも書きました「いいねや登録者数の数」
実際に今のYoutuberやインスタグラマーがなぜ「いいね」やフォロワー、登録者で評価されているのかと言うと広告が大きな要因だと思います。
これに関しては全く否定はしないし実際にマネー資本主義が当たり前のように浸透している現在では
「Youtubeにおける登録者/いいね資本主義」が正しいという仮説は外れてはいないとは思います。

だからとにかく「量よりも質」にフォーカスをしてGoogle が広告をつける基準としても再生回数と登録者数が基準として設定されています。
里山資本主義と結びつけていうならば、もともとあった資源(物理的なものだけでなくてもメンタルや性格的な面も含む)として
そのひとの性格や見た目が「質ではなく量」にフォーカスすることによって環境資源や生態系の資源のようにすりへっているような気がします。

実際に人間も一種の生態系でありいくら頑張っても資源(エネルギー)には限りがあります。
マネー資本主義と「いいねや登録者数の数資本主義」が一緒ならば
「里山資本主義」は「数を気にしない本来の自分、本当に投稿したいもの見せたいもの資本主義」と置き換えられるのではないでしょうか。

僕もまだまだ未熟で全然言っていることと実践することに差が大きくありますが
ありのままのことや伝えたいことをいいねの数を気にせずに投稿しようと心がけています。


同じような流れや「トレンド」が存在してマジョリティーが正しくてマイノリティーが間違っているのは
決して民主主義による正統性のある投票ではなく、これらはマネー資本主義によって本来のピュアさや本質を
横においておいて数を気にすることが評価される社会がそうさせているのではないでしょうか。


僕個人としてはいいねや登録よりも、真剣に批評、フィードバックをくださるコメントや意見です。
そこらへんのメンタルは強いのでアカデミックマゾということでタフです。
遠慮せずに書き込みをしてください!


では藻谷浩介さんの里山資本主義を読んだ読書感想文でした。
ちゃんちゃん

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