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「茶の文」

 目を覚ます。
 温めのシャワーを浴び。
 瞑想で自分に挨拶。
 少し文章を作り。
 お茶を入れて、本を読む。←ここです!わたしの1日で、とても静かで、ゆっくりと時間が流れる、言わば「至福の時間」この時間を作れているのは、間違いなく「茶」との出逢いであります。

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 わたしの生き方は、全て決まっています。
 平日は徹底した習慣。休日は簡易習慣を全てこなした後、自分のライブコンサートか、自分とデートしに行きます。
 平日を徹底して生きていますと、「毎日を少し何かで彩りを与えたいなぁ〜」っと思い、嗜好品の観点で見つけようと、休日の日には何かを探して、気がつけば2年経っていました。

 お酒は飲みません✖️

 タバコは吸いません✖️

 嗜好品で検索してみると、なにやら聞いたことも、見たこともないようなモノがありますね。ちなみにWikipediaを読んでいます。
 カート、キンマ、グトゥカー、カヴァ、ビンロウ、、、、なんじゃそりゃ!こんな聞いたことないモノ達、日本で買うことができるのか?
 Amazonで検索してみたけどヒットせず、買えるわけがないわな。ってことで除外。

 お菓子✖️
 なんかなぁ〜、お菓子はないなぁ〜。

 炭酸飲料、ガラナ飲料✖️
 へぇ〜、ってか嗜好品なんだ。気づかなんだ。

 こうなってくるとやっぱり、コーヒー、紅茶になるんだな。
 とりあえず、コーヒーからはじめてみよう。

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 小さい頃から去年まで、コーヒーが大嫌いでした。2〜3度試してみましたが、どうも、、、、。ということで、コーヒーについて全くの無学であります。
 いきなり豆を買って、ミルってモノを買うのも、どうかしてると思うので、スターバックスから始めることにしました。
 幸いなことに、わたしが通う本屋さんはスターバックスと併設されているので、オーダーの仕方を予備知識として人に教わり、いざ尋常に入店であります。

 わたしはコーヒーが知りたいので、、、、豆そのものの味を知らなければならない、、、、よし、ブラックコーヒーだな。とはいえ、なにやら種類が、、、、確かエスプレッソは濃いヤツだな。ドリップってのは家で飲むヤツ的なイメージがあるぞ。コロンビア🇨🇴、、、、エチオピア🇪🇹、、、、困ったぞ。
 、、、、っ!!こっ!これは!!コールドブリュー!!なになに、、、、水出しコーヒー、、、、聞いたことがあるぞ!しかもかなり信頼筋の奴の口から!

 ひと昔まえ、わたしは漫画「美味しんぼ」を全巻読み切ってやる!という、本当によくわからない使命感に囚われていた時期があった。結果として走り切ることができず、どこまで読んだかも覚えてないが、風の噂で、山岡士郎(主人公)と栗田ゆう子(ヒロイン)が結婚し、その縁で長きに渡った親子喧嘩、海原雄山(主人公の父)と和解したことを聞きました。誠におめでとうございます。

 その漫画「美味しんぼ」のエピソードの中で、山岡&栗田が大阪までコールドブリューを飲みに行く話があったのを思い出した。確かその中では、、、、ダッチコーヒーとか言ってて「水出しコーヒーこそが1番美味しいコーヒーだ!!」みたいなことを言っていたぞ!
 よし、これでいこう。「あ、あの、この、コールドブリューコーヒーっての、の、グ、グ、グランデ、、、、ください」

 コールドブリュー、水出しコーヒーを飲んでみる。「美味い!!」あれ?これそんなに苦くないし、何て言うんだろう?過去の記憶にあるコーヒーの味、口の中で、苦味、雑味、嫌味、が三つ巴で殴り合っているのではなく、お互いの意見や主張を尊重し合い、しっかり話し合って解決しようとしている味だ!、、、、わたしはいったい何を言っているんだ!!バカなのか!?

 この日以来、わたしは水出しコーヒーが好きになった。おでかけ中の休憩に、必ず水出しコーヒーを1杯は飲んでいる。っがしかし、毎日を彩るようには、わたしにはならないな。休日のお楽しみの1杯って言う感じかな〜コーヒーは。
 ってなわけで、続いて紅茶へいってみよう。

 、、、、??、、、、待って待って、、、、何で紅茶にいくの?、、、、ってか何でコーヒーにいったの?もっと身近にあるじゃない、、、、わたしたち日本人がよく飲んでいるモノ!コンビニでもこんなに売っている国は日本だけ!あまりにも身近にありすぎて、趣向品である概念すら忘れている飲みもの!
「お茶!日本茶があるじゃないか!!」
 盲点だった!わたしはさっそく、お茶専門店へと足を運ぶ。

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 あるわあるわ、こんなに日本ってお茶を作っている産地があるんだな。ハッキリ言って、静岡と京都しか知らんね!お〜いお茶は伊藤園。伊右衛門は福寿園。この程度の知識のみで来店する、わたしは無邪気だ。
 チャイ、紅茶、和紅茶、香料入り、漬け込み、そうゆうのは今回ほっといて、日本茶のみで探そう。
 さてさて、手始めに何から手を出すかな、、、、玉露、ほうじ茶、抹茶、煎茶、玄米茶、烏龍茶、この辺りから選ぶとして、、、、烏龍茶、玄米茶はないなぁ〜、なんか違うなぁ〜。

 抹茶、、、、いきなりラスボスいく感じ、、、、ちょっとレベルが足りないなぁ〜、だって茶道とかって抹茶でしょ?あまりにも知識がたりなすぎるわ。しっかり、利休や岡倉天心の本を読んで、勉強してからだな。

 ほうじ茶、、、、これも「美味しんぼ」で読んだことあるぞ!ほうじ茶は焙じたてじゃないと、ほうじ茶とは言わない。焙煎してすぐに飲むから、ほうじ茶なんだ。みたいなことを山岡が言っていた。山岡の観点で考えると、すでに焙じてしまっている状態で用意されている、ほうじ茶はよくないということになる。
 山岡の言うことを聞いて、ほうじ茶はやめておこう。

 残るは2択となった、、、、玉露か煎茶。
 違いは、茶摘の3週間前ぐらいから日光を遮って育てるか、日光を浴びせたまま育てるか。それで味や香りに変化があると言う。
 玉露は甘みとコクのある味わい。遮光栽培独特の覆い香と言われる香りがあるらしい、、、、。
 煎茶は程よい渋みと爽やかな香り、すっきりとしていて日本の流通量の80%以上を占める、一番愛飲されていれるお茶らしい、、、、。
 ここはまず、郷に入りては郷に従うのが賢明だな!
「よし!煎茶に決めた!!」

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 さてさて、煎茶に決めたはいいが、、、、産地の数が半端じゃないぞ。片っ端から茶の香りの確認と、どのような個性があるのか説明を聞くとなると、店員さんに凄く迷惑がかかるし、わたし自体も選択疲れで出直しなんてことになりかねい。ポイントをおさえて選ぼう。
 まずは定番中の定番の味をおさえておくべきだな、うん。っとなると、、、、静岡か京都ってことになるよな。実際に行って飲むことも考えると、静岡は少し遠いので、近場の京都産に決めた!
 もう1つは店員さんと相談しながら決めよう。

「すいません、ここにある京都産の煎茶で、1番定番のモノはどれになりますか?」

「当店で取り扱っているモノですと、定番というと少し、、、なんですが、『宇治やぶきた』になりますかね」
 、、、、なるほど。

「少し香りを嗅がせてもらっていいですか?」

「どうぞ」店員さんは、わたしの鼻先へと『宇治やぶきた』をもってくる。わたしは全神経を嗅覚へと集中させ、「クンクン、、、、クンクン」、、、、なるほど。

「やっぱり静岡、京都が日本で1番お茶を作っている産地ですよね?」

「いいえ、確かに静岡が1番お茶を作っている産地ですが、実は鹿児島が2番目にお茶を作っている産地なんですよ。それも、もうほとんど静岡と変わらないぐらいの生産量なんですよ。この2つから比べると、京都の生産量はかなり少ないですね。何か香りを確認してみますか?例えば、、、、こちらの『知覧ゆたかみどり』なんかは、わずかにサツマイモのような甘い香りがありますよ」
 わたしは再度、全神経を嗅覚へと集中させ「クンス、、、、ククンス」、、、、なるほど。
 全く何もわからねぇー!!経験あるのみ!!そして学ばなければ!!
 とりあえず『宇治やぶきた』『知覧ゆたかみどり』を購入することに決めた。そして、お茶を学ぶために本を買いに行こうっとしたときに気づく、、、、急須も湯呑みもなにもねぇー!!

「あの、、、、ここで急須や湯呑みなど、、、、お茶のスターターセット的なモノ、全部揃えることできますか?なにも持っていないんです」

「ございますよ。急須はお好みなんですが、わたしは丸い急須をおすすめしています。お湯を注ぐ際に、急須の中で茶葉が舞う、そうすることで十分に茶を出すことができるのです。初心者の方でも、美味しくお茶を楽しむことができますよ」、、、、なるなる。

「湯呑みは、煎茶を始められるようなので、個人的には磁器の湯呑みがよいと思います。湯冷ましをして飲むお茶を選ばれているので、それをふまえて。あと、何箇所か薄い部分がある湯呑みは、お茶を入れた際、湯呑みの外側からお茶の色を楽しむことができますので、おすすめです」、、、、なるちゃん。

「茶さじは普通のスプーンでもいいですが、いちおう竹で作ったモノなど、お茶専用のものがございます」

「専用のやつをください!もう全てあなたの言うとおりにするので、いるものは全て、ここで揃えさせてください!」わたしは何をはじめる時も、最初だけは専門家の言うとおり始める。それ以降は完全にオリジナルの形を形成していくのである。あくまで、はじめだけは、だ。

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 さて、とりあえずは、お茶をはじめれる用意は整ったようだ。あとは知識だな。「お茶の淹れ方の本」「お茶の文化の本」「お茶の歴史の本」「お茶の精神の本」これらの観点でお茶の知識を入れていこうと思う。海外の方での知識はほどほどにし、日本のお茶を知っていきたい。
 手始めに「岡倉天心 茶の本」「淹れ時」を読み始める。同時進行でお茶も毎日、淹れて、飲んで、知っていく。
 意外と悪戦苦闘する。沸点まで達したお湯を60℃、70℃、80℃と茶葉によって適温があるので、温度計で計るのはなんだか風情がない。本に書いているだけの情報じゃーなんだか、、、、ってことで直接、京都の老舗お茶屋さんへ、ほぼ初体験の抹茶も兼ねて、勉強させてもらいにいきました。
 そこで経験したこと、学んだことを家に持ち帰り、美味しいお茶を日々堪能しています。
 ちなみに、この時の抹茶体験で、危うく抹茶スターターセットを購入しかけたんですが、本当に、本当に、ギリギリでした。「まだだ、、、、まだ、わたしには早い。自らの気持ちが空回りしている、、、、」と言い聞かせました。

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 とまぁー、そんなわけで煎茶を日々楽しんでいるワケです。
 今の時代、日本茶はペットボトルで売られているモノを飲む、それが主流です。コーヒーや紅茶もそうでしょうが、まだ日本茶に比べれば、飲めるお店がたくさんあります。喫茶店、スターバックスなどは、街に溢れかえっています。っというか、日本茶を飲みに行く店なんて、ほとんどありません。

 わたしは自室を毎日1時間だけ、茶室に変えます。
 湯を沸かし、茶を選び、湯呑みを使って湯冷しをし、急須に注ぎ、しばし待つ。
 古くなってしまった日本の文化のさびのようなことを、思いながら、ゆっくりと時間が流れるのを感じ、茶をすする。
 言葉ではなく、体験として、わびさびを感じました。そして、毎日感じています。

 わたしの場合は日本茶ですが、「雑音のない空間と時間」を、毎日のどこかで味わってみてはいかがでしょうか。

 さよならバイバーイ。

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