tateyoko

スペイン語を学び始めて20年。日々の生活や出来事と重ねて、スペインや中南米、スペイン語にまつわるエピソードをつづります。週1回更新。

tateyoko

スペイン語を学び始めて20年。日々の生活や出来事と重ねて、スペインや中南米、スペイン語にまつわるエピソードをつづります。週1回更新。

最近の記事

【スペイン語エトセトラ】カタカナ英語を制する者は…

大学の同級に留学生が2人いた。一人は英語圏、もう一人は英語も堪能な南米からの留学生だったが、日本語で授業を受け、日本人学生と同じ条件でレポート提出やテストをこなす彼女たちの日本語が上級だったことは言うまでもない。 そんな2人と一緒に出掛けた合宿で盛り上がったのが、英語由来の外来語、いわゆる「カタカナ英語」の話題だった。彼女たちいわく、「マクドナルド」や「フォーク」など、本来、抑揚のある単語や日本語にない音のある単語を、日本風になるべく平たんに、カタカナ表記どおりに発音したり

    • 【スペイン語学習】幼少期を埋め合わせる…?

      大型連休に子供を連れて動物園に行ってきました。 いつも動物園に行って気づかされるのは、動物や鳥の名前など、少しマイナーなものになるとスペイン語でよく知らないという事実。スペイン語の童謡や昔話といった、その国の子供ならだれでも知っているような知識についても言えます。 これはスペイン語に限らず、英語でも何語でも、ある程度大人になってから語学を学んだ人の宿命ですよね。語学というよりは、その国の「文化」や「習慣」といったものを生きていないと、ふとした雑談のときに、相手の国の人の話

      • 【スペイン料理】お口でぽろぽろ、ポルボロン

        「わー懐かしい」 先日、ひとり歓声を上げて思わず買ってしまったのはこちら。 スペインのお菓子、ポルボロンです。トゥロン(アーモンド等を固めて板状にしたヌガー)と並んでクリスマスに食べられるお菓子で、どこの家庭でもクリスマス近くになると、この二種類のお菓子がお盆に仲良く並んで、テーブルに常備されているイメージです。ただ、季節ものの商品のため、クリスマスの時期以外には普通のスーパーにはあまり並んでいないものなので、私はこれを日本で、しかもいつもの生協のカタログで見つけて、驚いて

        • 【スペイン文学散歩】いまさらカルメン

          スペインを舞台にした作品といえば「カルメン」を思いうかべる人も多いのではないでしょうか。特に、ビゼー作のオペラ「カルメン」は、前奏曲や闘牛士の歌など、どこかで一度は耳にしたことがある有名なメロディーばかり。爽快なシンバルの音や勇ましいリズムが、灼熱の太陽照り付けるスペインを想起させます。 と言いながら、実は私、いままで「カルメン」の原作を読んだこともなければ、映画もオペラも見たことがありませんでした!あまりに有名なため、あらすじを聞きかじって、知ったつもりになっていたのです

          【スペイン料理】花と団子のイースター

          スペインや中南米のカトリック文化の国は、いままさにSemana Santaのど真ん中。ニュースでは、渋滞する高速道路が中継されたり、知人のSNSに旅行先からの写真が投稿されたり、ゴールデンウィークのような休暇モードです。スペインでは、コロナ禍で移動が制限されていた過去2年に比べ、今年は2019年比で8割程度の人の移動が見込まれているそうです。 ということで、今回はSemana Santaを取り上げてみたいと思いますが、このSemana Santa(聖なる週)とは即ちイースタ

          【スペイン料理】花と団子のイースター

          【スペイン語学習】Netflixでスペイン語③

           前回、スペイン語に関連する映画として、アルゼンチン出身の現ローマ教皇を主人公にした映画『2人のローマ教皇』をご紹介しました。今回は、同じく南米のラプラタ川流域から、ウルグアイを舞台にした作品を紹介します。 12年の長い夜(原題:La noche de doce años)  さて、一作目では1970年代から80年代にかけてのアルゼンチン軍事独裁政権の過去が触れられていましたが、こちらは同時代1973年から軍事独裁政権下にあった隣国ウルグアイが舞台。  ウルグアイでは60

          【スペイン語学習】Netflixでスペイン語③

          【スペイン語学習】Netflixでスペイン語②

           コロナ禍も3年目に突入し、おうちでのんびり過ごすことが習慣になった人も多いのではないでしょうか。私の場合、おうち時間を支えてくれるNetflixはもはや生活必需品。それでも往生際の悪い私は、スペイン語の作品を選ぶことで「これも語学の勉強よ」と自分に言い聞かせて罪悪感を減らそうとしていますが、実際、ドラマや映画は語学の勉強だけでなく、舞台となった国や文化のことを知れるので一石二鳥ですよね。 前回はスペイン語のドラマを紹介しましたが、 今回と次回、二週にわたってご紹介するの

          【スペイン語学習】Netflixでスペイン語②

          【スペイン語エトセトラ】メキシコからカナダへ~モナルカ蝶のつなぐ命

          スペイン語で”monarca”(モナルカ。「帝王」の意)と呼ばれる蝶と一度目の「再会」を果たしたのは、数年前に訪れたモントリオールの友人宅の裏庭だった。晴れ渡る夏の午後、ビール片手におしゃべりしていた私たちの前を、鮮やかなオレンジと黒い筋模様の対比の美しい大きな蝶が、ひらりひらりと横切って行った。 「カナダには、町中でモナルカを見かけたら報告するホームページがあるのよ。さっそく報告しなきゃ。」 という友人と二人、思わず興奮したのも無理はない。というのも、カナダから遥かメキシコ

          【スペイン語エトセトラ】メキシコからカナダへ~モナルカ蝶のつなぐ命

          【スペイン語エトセトラ】コーヒー頼めば十人十色

          Hay tantos cafés como personas. (人の数ほどコーヒーがある) と聞いて、何の話を想像するだろうか。日本の古き良き喫茶店では、メニューに豆の種類や産地、時には浅煎り深入りの別などが書かれていて、選んだ豆をマスターがドリップで淹れてくれる、というところも多いので、冒頭の文も豆の種類や焙煎のこだわりを述べたものだと思われるかもしれない。が、先日、私がスペインのラジオ番組でふと耳にしたこの表現、スペインのバルやレストランでのコーヒーの「頼み方」が、い

          【スペイン語エトセトラ】コーヒー頼めば十人十色

          【スペイン語エトセトラ】人生はロシアの山のように…

          ロシアによるウクライナ侵攻開始から10日あまり。避難している方々の状況や、ウクライナ国内に留まっている方々の窮状などを聞くにつけ、心がいたむ。少しでも状況を理解したいと新聞記事を読んだりするのだが、今更ながら自分の知識不足と想像力のなさを実感する。ウクライナの国内はどうなっているのか、ロシアの人々はこの侵攻をどう受け止めているのだろうか。 特にロシアは、地理的に北海道の「すぐ先」にある国なのだと頭では理解しても、なんだか遠い。政治や文化の中心が、いわゆる「ヨーロッパ側」にあ

          【スペイン語エトセトラ】人生はロシアの山のように…

          【コロナ禍のスペイン語】#Me quedo en casa

          スペイン語を勉強されている皆さんの中には、いつかスペインに留学してみたいという方や、すでに旅行や短期留学でスペインを訪れたことのある方が多いのではないでしょうか。 私もかつてスペインに住んだことがあり、COVID-19関連のニュースに毎日胸を痛めている一人です。その感染者数は中国を超えて3番目となり(3月31日現在)、医療関係者の感染も深刻だということです。先日のブログで紹介したスペイン在住のシンガーソングライターJorge Drexlerも感染が判明して自宅療養を行ったそ

          【コロナ禍のスペイン語】#Me quedo en casa

          【スペイン語学習】Netflixでスペイン語

          突然ですが、みなさんは普段、なにをつかってスペイン語の「音」にふれていますか。語学学習を目的としている方なら、CD付き教材やNHK語学講座でしょうか。音楽など趣味の分野から入る方も多いと思いますが、最近では好きなアーティストやスポーツ選手をSNSでフォローするだけでも、普段の彼らのつぶやきやインタビューなど「生の言葉」に触れられますよね。 ここ数年は配信サービスのおかげで、生き生きとした会話が聞けるドラマや映画も一段と身近になりました。時間はあるけど机に向かう気が起きないと

          【スペイン語学習】Netflixでスペイン語

          【コロナ禍のスペイン語】対ウィルス応援歌⁉︎

          WHOがコロナウィルスを 「パンデミック(スペイン語ではpandemia)」 と表明しました。感染が拡大するイタリアの隣国スペインでも、学校の休校など特別措置がとられています。 また海を挟んだ中南米の国々にも徐々に感染の波が広がっています。3月11日には、まだ感染者の確認されていない中米エルサルバドルのブケレ大統領が外国人の入国禁止を表明するなど、他の地域からのウィルス侵入を防ごうと各国が対応に苦慮している様子がうかがえます。 そんな中、ウルグアイ人歌手のJorge Dr

          【コロナ禍のスペイン語】対ウィルス応援歌⁉︎

          【コロナ禍のスペイン語】スペイン語圏の挨拶に異変⁉︎

          新型ウィルスの話題で一色のここ数週間。スペイン語圏のニュースに目を向けてみても、海外からの旅行者受け入れ制限、休校、大型イベントの中止、感染件数、手洗いを励行しましょう、という話題が中心ですが、それに加えて 「挨拶をするときに握手やキスを避けよう」 という話題も大きな関心事項になっています。ヨーロッパではスペイン以外でもフランスやイタリアなどの国で、親しい人同士で挨拶のときにハグやキスを伴うことが多いためですが、フランスの保健担当大臣なども挨拶時の握手やキスを避けたほうが

          【コロナ禍のスペイン語】スペイン語圏の挨拶に異変⁉︎