【コロナ禍のスペイン語】スペイン語圏の挨拶に異変⁉︎

新型ウィルスの話題で一色のここ数週間。スペイン語圏のニュースに目を向けてみても、海外からの旅行者受け入れ制限、休校、大型イベントの中止、感染件数、手洗いを励行しましょう、という話題が中心ですが、それに加えて

「挨拶をするときに握手やキスを避けよう」

という話題も大きな関心事項になっています。ヨーロッパではスペイン以外でもフランスやイタリアなどの国で、親しい人同士で挨拶のときにハグやキスを伴うことが多いためですが、フランスの保健担当大臣なども挨拶時の握手やキスを避けたほうがいいという発言をしています。ネット上では、握手の代わりに肘どうしをかち合わせよう、とか、脚を打ち合わせようなんて提案もあるようですが、実現性はどうでしょうか?

ところで挨拶時のこの習慣は中南米のスペイン語圏でも同じで、人と出会った際に
Saludar con un apretón de manos(握手で挨拶する)
ことがフォーマルな場面の主流ですが、主に女性どうしや親しい男女間の場合
Saludar con besos(キスで挨拶する)
ことが一般的です。

¡Hola!
と言いながら自分から見て相手の左側方向に体を近づけて、
「右ほお同士をあわせる」
または
「右ほお同士→左ほお同士に順にほおをあわせる」
ことで
Saludar con besos en las mejillas(ほおにキスして挨拶する)
ことが多いようです。1回なのか2回なのかは国によって違います。
親しい男性同士ではcon abrazos(ハグ)での挨拶が多いかもしれません。

また電話を切る際に
-un besazo enorme(ビッグキス)
-feliz día. Un beso(ステキな1日をね。キス)
などと別れの挨拶として使ったり、メールの最後にun beso/un abrazo fuerteと書いたりします。日本語にすれば「じゃね」といったところでしょうか。

さて、今回は感染病予防の観点から「挨拶の仕方」が話題になっていますが、
「どのような相手にどういう挨拶をするのか」
というテーマは、特にビジネスシーンのマナーとして頭を悩ませるテーマとしてコロナ禍以前から議論されてきました。家族間や親しい友人間ならいいけれど、あまり親しくない職場の同僚は?親しい上司は?友達の友達を紹介されたときは?など、スペイン語圏の人でも握手するかキスするかで迷うという声は以前から聞かれてきました。コロナ禍で直接の接触を控えることが一般的になってホッとした人もいそうです。

スペイン語の教科書では必ず最初に現れる「挨拶」の場面。文面からはその行間にある「動き」が伝わりにくいですが、映像で目にすることがあったらぜひ注目してみてください。


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