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”例える”ことで思考が高速化する理由

こんにちは@tateshina_lifeです。

僕の仕事は経営コンサルティングです。仕事柄、色々な産業の、色々な課題を持つクライアントから解決に向けた相談を受けます。そのほとんどが自分が当事者として従事した経験がないものだったりします。

課題を解決する当事者はクライアントなので、経営コンサルタントは顧客の課題を整理して、解決に向けたいくつかの方向性を示し、クライアントがその中から選択したものを行動に移すまでを、高速に実現することが価値であると思っています。ある意味、カウンセリングやコーチングです。

では、コンサルタント自らが当事者として経験したことがない分野、事象について如何にして”高速”に処理をしているのか

可能にしている能力の一つが”抽象化”と”比喩”、更にはそれらのベースとなる経験の蓄積です。

抽象化とは”縦に上る思考”です。”トイプードル”の課題を考える時に、一端そこに固執するのをやめて”犬”の課題を考える、更には”哺乳類”の課題を考えるということです。

比喩は”横にスライドする思考”です。「例えば…」です。トイプードルの課題を犬に置き換えて、更に”チワワ”の課題として捉えることです。

”トイプードル”から”犬”、”哺乳類”と上り、更には”チワワ”、”人間”と横にスライドして”例える”のですが、重要なのは”チワワ”や”人間”の課題解決については過去に経験を持っていることです。

過去に経験・体験した事象については知識がありますから、それをベースとしつつトイプードルとチワワ、人間が置かれている外部環境を比較して共通点や差異を見つけ出して、トイプードルに個別化した課題解決として応用するのです。

もちろんトイプードルについてゼロから考えても良いのですが、そのためにはトイプードルを経験・体験しなければなりません。時間がかかりますし、当事者になることによってクライアントから期待されている”外部者としての視点”を失うことにも繋がります。ですから”抽象化”して”例える”ことを高速に行うことは大きな価値を持ちます。

そしてこの能力は訓練することによって誰でも身につけることができます。人間、毎日色々な物事に出会います。物事に触れた時に、何かに例えてみるのです。

「通信キャリアのビジネスって水道局のそれに似ているな」とか「外国語を喋るってことは演劇の俳優になることに例えられるな」とか、別に正解がある訳でもないので肩肘張らずに続けて、無意識でできるようにするのです。

慣れてきたら、できるだけ縦横に大きく動かして例えてみます。それをさらに高速化していきます。お笑いのボケや大喜利などを思い浮かべて、あれくらいのテンポを意識してみて下さい。

いつの間にか、人の相談に乗ったり、目の前の物事が解決できるようになったりします。周囲の課題解決が高速にできることは人生をより良くする上で非常に力強い武器になります。場合によってはそれでお金を貰えるようになったりするかもしれません。

僕も20歳代前半、コンサルティング企業に入ってからはトロいと言われていました。しかし社内でクライアントとの議論で鍛えられ続けた結果として、大概のことについては高速に解決策を複数提示できるようになったため、動じなくなりました。心も平穏になりました。

努力は手段です。結果はスキルを手に入れることです。
皆さんが武器を手にすることができる日をお待ちしております。

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