移住=非定住 | 外から見ると中が見える
こんにちは@tateshina_lifeです。
東京では桜が見どころでしょうか。
桜を見て感動して涙を流したことがあります。
僕は大人になって仕事で中国に駐在していました。一時帰国した時、羽田から浜松町へ向かうモノレールの上から桜が見えました。空港を起点とした物流を支える倉庫群と運河沿いに咲いていました。
人間、涙を流すときには、情景を見て心を動かれると同時にそれが頭の中で色々な考えや記憶と相まって言葉になって、自分は泣くんだろうなという意識とともに流れ出ることが多いと思います。
しかし、その時には思考や記憶、言語化などを全く経ずに無意識にあふれ出てきました。視覚が桜を認知して反射的に涙が出てきたのです。
日本で生まれ育った自分ですが、日本に定住していた時にこのような感覚、体験をしたことはありませんでした。
桜ではありませんが、しばらく離れていた場所、生まれた場所であったり、仕事で過ごした場所であったり、そういった場所に帰ってきた時に感じるものと近いかもしれません。人はそれを”郷愁”と呼ぶのかもしれません。
人間は慣れる動物です。
日常を過ごす場所で習慣化された環境は無意識下で処理されるようになります。それ自体は悪いことではないのですが、自動車で右折しようとしてハンドルを右にまわしながらアクセルコントロールをする時に、教習所で最初に右折したあの新鮮な気持ちを味わうことはできません。
拠点を複数持つことの意味、醍醐味はここにあると思います。移住も良いでしょう。ただ、定住してしまうとその生活は無意識下に置かれ、いつの間にかその場所に対する新鮮な情動を失ってしまうかもしれません。
そんな時は中から外に移動してみましょう。そうすることで中で当たり前だった素晴らしいことを再び、新たに感じることができます。
水も動かなければ濁ります。
「水に流す」という言葉の本質はこのことなのではないでしょうか。
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