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ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク GLOWER'S FILE ④ 〜日本の四季や文化をカーネーションで彩る、精華園 番外編 その2〜

前回ご紹介した、カーネーション農家・精華園の岩田社長が、愛知県にあるイノチオ・フジプランツ株式会社へ視察に行った時の番外編。今回はその続編として、現場で岩田社長たちとお話したことや、生産者さんたちの視点、想いなどをご紹介いたします。

■カーネーション成育現場の実情

視察中、みなさんが話されているのを聞いていて、疑問に思うことなどが出てきたので、岩田社長にいろいろと質問をしてみました。


Q:すでにここのカーネーションは咲いている状態ですが、元は種から育てるのですか?苗からですか?

岩田社長(以下 岩):生産農家では、種苗会社から苗を購入して育てています。種から育てるとまったく品質が安定しないので、苗からでないと出荷できるレベルの花を咲かせるのが難しくて。


Q:出荷するためには、安定した成長が必要ですよね。

岩:ここフジ・プランツのカーネーションの品質は日本一で、圧巻の数と品質の良さが揃っています。もしこの場に1品種だけ作付けしていれば、すべての花の背丈やラインがきれいに揃って見えるくらい完璧に育てられている。これが私たち生産現場でできれば、安定して成長する完璧な商品になります。この品質に近づけるために、種苗会社さんには水や紫外線の量、混ぜる肥料の詳細の割合など細かく質問して作付けの参考にしています。

Q:カーネーションは1年中お店で見かけますが、年間を通して栽培されているものなのですか?

岩:日本国内では、暖地と寒地というエリアに分けられていて、それぞれの適したシーズンで栽培しています。主に太平洋側の千葉~愛知の辺りで生産されているカーネーションが多いのですが、私たちは暖地のエリアで、年明けから約半年間栽培して、カーネーションがなくなると別の植物を栽培しています。

通年でカーネーションがあるように見えるのは、輸入ものがあるから。国産のカーネーションが流通しない時期には、輸入ものが入っています。大体はコロンビア産です。


Q:カーネーションを作らない時期は、どうされているのですか?

岩:うちではゼラニウムを育てています。今日一緒に来ている別の農家さんのところは、パパイヤ(化粧品用)やユーカリ、グレビレア、マリーゴールドなどを生産されています。マリーゴールドを植えるとカーネーションに虫がつきにくくなる相乗効果もあるので、いいですよね。


■新しい花の色や質感への期待


Q:タスハナでは、美しいのに規格外とされてしまったお花も助ける取り組みもしているのですが、カーネーションの「規格外」ってどのようなものなのですか?

岩:一般的にわかりやすい規格外は、茎の曲がりと長さが足りないことや、1枚だけ花びらの色が違ってしまっているものなどです。でも実は、明確な基準はありません。生産者の目線や心意気によって、まちまちなのが現状です。

私のところでは、すべて自分の目で出荷する花を選ぶので、厳しく見ていると思います。それはやはり、買い手からの信頼度を意識してのこと。より安定して、長さや大きさの揃った品質の良い花をまとめて出荷する(基本は25本/1ロット)ことができるように心がけています。


Q:その点+hanaでは箱に入る長さがあればいいので、救われる花が増えますよね。

岩:長さが足りなくてロットにできないときは、ぜひ+hanaで出荷してほしいです。花は完璧なのに長さが足りなくて出荷できないのが、一番悲しいですから。


Q:「メタ」や「ギザ」とおっしゃっていましたが、何のことですか?

岩:「メタ」はメタリックな花びらの品種のことで、「ギザ」は花びらの先がギザギザなタイプのことです。昨今は丸い花びらの品種が多いですが、カーネーションと言えば、最初は白と赤、ピンクで「ギザ」しかありませんでした。これぞカーネーション、という品種で、生産者としては一番好きな花のかたちです。

ギザギザの花びら

Q:「メタ」のメタリック感に気付かず、マットな質感だと思っていました。

岩:そうなんですね!となると、一般の方もパッと見てメタリック感に気付かないですよね。そこに気付けてよかったです。


Q:「メタ」の色味がかわいらしいですよね。

岩:私はかっこいい品種だと思っていました。一般の人はファッションのような感覚で色を見ているんですね。なんだか新鮮です。

ちなみに「メタ」は、メタリックになるための成分に虫が集まってくるので虫がつきやすい品種なんです。


Q:ハロウィンの時期に、ニュアンスカラーのベージュや淡いオレンジのカーネーションを見かけて目新しく感じました。ここのハウスで見ても、本当にカーネーションの色は豊富ですよね。

岩:青色以外はありますからね。これまでになかったような色もでてきています。


Q:先程見た茶色のカーネーションも、チョコレートっぽい感じでしたし。

岩:バレンタインにいいかもしれないですね。そういったイベントや物日を意識したカラー展開も、これから積極的に取り組んでみたいと思います。


他のみなさんともお話をしている中で、この日案内をしてくださったイノチオ・フジプランツの津田専務が、偶然にも+hanaを契約してくださっていることが判明。花の定期便を2社契約されているそうで、その1社が+hanaでした。今回同行させていただいたことでの忖度ではなく、ご自身がウェブで検索して見つけて購入していただいているとのことで、ありがたい限り!


その津田専務に+hanaの感想を伺うと

正直捨てるような花を入れるのかなと思って試してみたら、箱を開けた瞬間に花の質が良くて驚きました。市場の本気レベルでは、と感じました」とのこと。「箱がおしゃれで気に入っている」とも言っていただけて、とても嬉しく思いました。


また、気になった品種を聞かれたので、ニュアンスカラーのもの、カーネーションに見えないような変わり咲きの新作や葉がシルバーっぽい品種がいいのではと、率直な意見をお伝えさせていただきました。

岩田社長は「スプレータイプは虫がつきやすいのであまりしたくないですが、これからこの新作などは種苗会社としても絶対にチカラを入れてくると思うので、作ってみようと思います」とのこと。

貴重な種苗会社への視察に同行させていただいた、今回の訪問。次期の品種が決まっていく現場を目の当たりにし、今後の展望などもお聞きして、新しくてさらに魅力的なカーネーションに市場でも出会えるかもしれないと期待が高まり、楽しみも増えました。

新作には名前すらついていない花もあり、実はこれも市場では「規格外」と呼ばれるそうです。そんな貴重な花たちにとって「規格外」とは何なのかと、改めて考えさせられました。+hanaは市場の「規格」というフレームにとらわれず、季節ごとの美しい国産花を皆さまにお届けし、少しでも花のある暮らしを楽しんでいただけるよう、活動してまいります。

写真左:岩田社長

 (取材のご協力ありがとうございました↓)

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『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、リーダー&立ち上げメンバー。実現したい思いや夢を中心に、花のあるくらしや魅力、花の世界にあるさまざまな情報をお伝えします。

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