140字『口は災いの元』

バス運転手のオレは苛立っていた。席が空いてもなかなか座らない客。動き出してやっと座った。お前みたいなのが転倒事故起こしてこっちの責任にされるんだよ。
「早く座れやアホ」
と小声でつぶやいたら、
「聞こえてますよ」
すぐ後ろから声がした。振り返ったが誰もいない。さっきの客は眠っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?