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エッセイ「第三の記号」

今日は記号の話。前回は「酸っぱくてしょっぱい」概念に対して、しっくりくる言葉を探すというテーマで書いてみたが、今回は文末の記号の話で書いてみようと思う。

文末の記号とは"?"や"!"のことだ。クエスチョンマークとかびっくりマークと言うが、びっくりマークは正確にはエクスクラメーションマークと言う意味で、日本語で言うと感嘆符である。これは語気を強めたセリフや驚きを表す時によく用いられるだろう。

最近、私はある一つの疑問を持った。

なぜ文末の記号には"?"と"!"しか無いのだろうか。

英語の授業で習ったように、疑問文を作る時には文末にクエスチョンマークを用いる。語気を強めたい時にはエクスクラメーションマークを使う。何もない、普通の文の終わりにはには読点"。"を付ける。これは疑いようのない一般常識で、私もケチを付ける気は無い。

しかし、これらしか正式な文章のニュアンス記号が無いことにはやや不満を覚えている。例えば、笑いのニュアンスを含む文章

「この間さぁ、俺の友達がバナナの皮で転んだんだよ」

これは明らかにギャグ的な要素を含む文であるため、声に出して読むのならば、やや笑いながら読むことが望ましいだろう。しかしそのような指示を出す記号は、ネットの"w"やメールでよく用いられる"(笑)"などしか無い。正式な記号というものは存在しないのである。

「昨日のテストで30点しか取れなかったんだよね」

これはやや悲しいニュアンスを含んだ文章なので、メールで文章を送信するときなどには文末に"(泣)"をつけるだろう。もしくは"(;_;)"のような絵文字を使うこともある。いずれにしても、小説や教科書の文などの場に用いることは無いだろう。

知っているだろうか。クエスチョンマークの起源は「質問」のラテン語の「quaestio」である。これの"q"と"o"を縦に並べると

q
o

これが変形して、現在の"?"になったのである。
そして"!"もラテン語で喜びを表す「io」が同じく縦に重なったことが起源とされている。

これらからわかることは、どちらの文末のニュアンス記号もラテン語に由来していて、そしてアルファベット記号を重ねたものであるということだ。

では、もし第三の記号を作り出すとすれば、やはりラテン語の"感情の形容詞"、もしくは"動詞"から記号化させることが王道なのではないだろうか。

どのニュアンスを記号化させるか、例を挙げるとキリがないので、今回はあえて先に述べた"悲しみ"にしてみることにした。

悲しいを意味するラテン語は"tristitia"

tristitia、これがおそらく一番メジャーな"悲しい"を表現するラテン語で、これを元に第三の記号を考える。tristitiaについて、これまでの例に従うのならば、頭文字の"t"と"a"を重ねることが正しいのだろう。

t
a

これが第三の記号の元になるはずだ。"t"と"a"の位置を上下逆にしても良いのだが、エクスクラメーションマークは縦長の"i"が上に置かれているため、形が近い縦長の"t"は上に置きたくなった。

次の作業はこの縦に並べた't"と"a"を変化させていく。このステップには時間を要するため、次回に続けることにしよう。

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