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読書感想文 ドストエフスキー 『罪と罰』光文社文庫版 

ペテルブルグの暑い夏の狂気は、ここに終わりを告げる・・・・。
という後ろのあらすじが面白いな~~と思いつつ
文庫版全三巻読了した。あ、この見出しのおじさんは、みなさんご存じ、ドストエフスキーさんですよ!!(いらすとや謹製)

口語にしてくれているのですごくわかりやすいけど
なんせみんなよく喋る。ジョジョの奇妙な冒険の世界線を思い描きながら読むと読みやすい気もする。

名作なのでどこまでがネタバレかは正直わからないので
ざっくり書くと
ラスコーリニコフくん(主人公)が金貸しのおばーちゃん+α殺す
収監されるも彼女との愛を確認し自己実現する、というお話なのである。

あくどい金貸しを殺害し、世の中に貢献する。
その動機は高尚だけれど、果たしてそれは中二病なんじゃないの?
っていう気持ちになる。
ある種無差別殺人も大儀の為に殺人を犯しているといえばそうである。
ある種、ね。
孤独故に行きつくところまで考えてしまう。こういう作品はもっと中二病時代に読みたかったなあ。
以下、抜粋ですね。

「それがみごとに失敗し、なんとも凡庸な結果に終わったからです!たしかにみじめな結果に終わりました、それは本当です。といってもどうにも救いがたい卑怯者っていうわけじゃない。ぜったいにそんな卑怯者じゃない!いつまでもぐずぐず自分をごまかせず、一気にどん詰まりまで行きついてしまった。あなたという人を私がどう見ていると思います?腸(はらわた)えぐりとられようが、毅然として立ち、にこやかに笑みを浮かべて迫害者どもを見返す、そんなふうな人間だと思っているんですよ。《中略》
要するに、変にこざかしく考えない事です。あれこれ考えず、人生にすなおに身を任せることです。」

罪と罰3巻p.250ラスコーリニコフくんへポルフィーリーより。

大人って案外若者の事、みてるのよ~~~ッ
気づいてた?フハハハハハ。な感じでこのような視点、視線があるということで案外、人って救われる気がする。
図書館で借りて読んでおり抜粋が3巻のみしかないがあと二つほど抜粋しようと思う。

「わたしが何者か、ですか?わたしなんてもう終わったにんげんですよ、それだけです。そりゃ、感じもするし、同情もするし、知識もいくらかはあるでしょうよ、でもね、もう完全に終わった人間なんですよ。しかし、あなたはべつだ、神様が人生を用意してくださっている。」

罪と罰3巻p.252

これもまたラスコーリニコフくんを追い詰めているポルフィーリーくんのセリフである。すごくない?もう完全に終わったにんげんですよ、って。誰しも心に虚ろがあり、わだかまりとか正義に燃えるココロとかいろんなものもってんだなあって考えさせられるやん。こういうの思ってんの自分だけじゃないし、表面じゃわかんねえなあって思うよね

「一体この世に正義はないんですか!いったい、だれをお守りになるっていいうんです、寄るべないわたしらみたいな者をお守りになさらず?でも、この目でみてやるさ!この世にゃ、裁きだって、真実だって、ぜったいにあるんだ、探し出してやるって!いますぐ。待っているがいい、恥知らずのくずども!」

罪と罰3巻p.114

これはジョジョっぽいので抜粋した。
都会の下町っぽいので皆口が悪いんですよね。
一旦、殺人侵す前に読んでみてほしいなあなんて思う、
そんな作品であった。
殺人の描写、後の感情の変化とかもすごくリアルで、参考(?)になる。笑
読みやすい方で読んだけど、これは結構読み応えがあるなあ~と。
読んだ方など感想共有できたら幸いです。


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