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捨てられるCDに明るい未来

CD大量買い文化に個人的にはとても憂いていた。

特典をコレクションするためにあちこちのショップで同じCDを合計100枚にも及ぶ量を購入し、肝心のCD自体は再生機器を持っておらず聴くこともなく、なんならパッケージの開封すらしない場合もある。

すぐ捨てるには忍びないのでしばらく保管するが結局はどこかのタイミングでリサイクル業者に大量廃棄する。

引取り業者の中には障がい者雇用を推進している会社もあり、
廃棄する側にゴミを出す後ろめたさから目を逸らさせるように
「廃棄することで誰かの仕事を生み出している、社会に貢献している」
という思いさえも植え付けている。あまりにも酷い現実だと思った。

誰もゴミにしてほしくて作品をリリースしているわけではない。
誰もゴミになると思って工場でCDをプレスしているわけでない。
誰もゴミになるものを買いたいわけではない。

でも、結果的には言葉を選ばずに言うとゴミを作ってゴミを物流に乗せてゴミを買ってゴミを保管してゴミを捨てゴミをリサイクルする。

最初から最後まで「ゴミ」になっているのである。

作り手の気持ちを考えると、本当にやるせない気持ちになる。

例えば自分が歌手だったとして年月かけて心を込めてリリースした作品がたくさん売れてチャートにも入って嬉しい気持ちを味わったとしても

「大量廃棄で社会問題」

なんて世の中の混乱を生み出して環境破壊に一役買ってしまったとしたら、
自分の作品がリリースから間もなく大量に廃棄されていたらこんなに辛いことはないだろう。

ここにきて、日本の音楽事務所BMSGがこの大量購入、大量廃棄の文化にメスを入れる動きを見せてくれた。
人は急激な変化を嫌うようにできているので激しい反感を買わないように、マイルドに始めていくようにしたとお見受けする。

2010年代に始まった大量購入文化は10年程続いている。
ということはきっと、同じくらいの年月かもっと早く、また違うカタチに変わっていくはずである。
大量購入文化は、どう考えてもなんだか変だった。

応援の仕方も環境のことも考えられる新しいファンダムのカタチが始まることを切に願って、私は今日も私なりに推しを推す。

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