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着物の国のはてな?

昨日、図書館に行ってからの帰りに本屋に寄った際、気になって購入した
一冊は、

「着物の国のはてな?」   片野ゆか 著

 そもそも日常着として日本人が普通に着ていた着物。それがどうして、
こんなに着物を着る事のハードルが高くなったのか。
 時に着物の歴史を遡り、疑問点を専門家に聞きと、初心者が陥る着物の謎に迫る。それは初めて着物を着たいと思った著者が、なぜ似合わないのか?という疑問から始まり、アンティークな着物や自分に似合う着物がどんなものかを知り、なぜ仲居さんのような着付けになってしまうのか??20歳でオバサンに見えてしまう原因はここか!という話も登場する。

 そして「着物警察」というものが存在する理由や、彼女らの指摘は果たして正しいのか?その着物警察撃退法(?)までも語られている。
着物を着る人も着ない人も、日本人としてそういう背景があったと知った上で着物を着るとより自由度が高まるかもしれないと思える一冊。


 

 母が和裁をしていて、呉服屋さんのセールで百貨店に出かけたり、家の中は反物が山積み。成人式や会社での先輩の結婚式に着た振袖や、妹の結婚式に着た訪問着は母が仕立ててくれました。つまりハレの日にしか着物を着たことがありません。(結婚した時に前撮りで打掛も着てたわ)

 それで着物教室のハシゴをし、どうにか着物を一人で着たいと思ったあきらめの悪い私はルールはともかく、ただ着たい!だけだったので、後から知識を埋めてはいくものの、初心者ゆえのなるほどね~と思える部分が読んでいて、いろいろありました。 

 そしておそらく私には「着物警察」というものが寄り付かなさそうなことも…。親切に教えて下さる人もいますけど、それ以前の問題なのですねぇ。 
 
 ともかく某百貨店の戦略により高級化路線へと踏み切り、茶道の作法や
しきたりが、今の日本をこのような「着物の国」にしたらしいというのは、よくわかりました。
 戦後、着物を日常で着なくなった、洋服を着ることが当たり前となった上で、「ハレの日」に高価な着物を着ましょうというルールが敷かれたので、ハレの日用の振る舞いや、着付けが広がったらしい。
つまり、そもそも日常で普段から着物を着るスタイルとして、継承されてこなかったのが一因。Tシャツ着るのに、こう着なさいって難しいルールがないように、普段着の着物はそもそも着物警察にとやかく言われる筋合いがないってことになるかな。(戦後からの短い歴史でしかない)

 もっとも、生活様式が西洋化した今、なかなか昔のような行動はしにくというのも事実。折り合いつけながらルールを守るところでは守り、後は自分の好きに着たらいいんでしょうねぇ。着物に不動のルールはないってことで、これからも着物は進化、あるいは深化していくのでしょう。
 
 …ということで着付けを忘れない程度にカジュアルな着物をまとい、気軽に散歩やご飯を食べに行けたらいいなってぐらいの頻度で私は着物と仲良くしたいなと思うのです。

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