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経営者層よ、そろそろ目を覚まそう。

7月7日に決着した東京都知事選。
56人もの候補者からさまざまな政策が出てきました。
今回は、とある候補者が述べていた内容にフォーカスして、経営者層に一言物申したいと思っています。

その内容は、現場で働く社員の働きに甘えて、改革を怠ると非常に危険ということです。

元広島県安芸高田市市長の石丸伸二氏(以後石丸氏)の政策から考える

石丸氏は市長時代、残業地獄に苦しむ教員の負担を減らし、本分である教育に力を入れられるよう、学校の環境を変えようと、外部に頼れる部分は外部に委託して教員から【教員以外でもできる仕事】を切り離す政策をやられいました。
『学校用務員』と『給食支援員』の設置ですね。

世の中には、教員は、残業代がある一定以上から出なくなるので残業させ放題という課題に対し、給料を上げようという意見があります。
しかし身体は資本。給料を上げても、無理を続けていればいつか限界が来ます。
お金では根本的な問題解決にはならないのです。
そこで石丸氏は【環境】を変えました。
教員以外でもできる仕事は外部に任せて時間を作る。
時間ができたら教育に力を入れることができるようになるので学校全体が良い雰囲気になる。
何が根本的な問題で、その問題に対し適切な解決策を選択できることが重要なのです。

企業ではどうだろうか

企業に置き換えて先ほどの内容を当てはめて考えてみましょう。
まず、給料アップですね。

※先に伝えておきますが、給料を上げることに反対しているわけではなく、給料を上げる『こと』しかやっていない企業に属していたことがあるので、似たような企業がいたら気を付けて欲しいと、注意喚起をする内容になっています。私も給料が上がれば嬉しいです。ただ、金さえ渡していればいいだろうと考えられている経営者層は、危機感を持ってこの記事を読んでください。

少し脱線してしまいましたが、環境を整えず、給料を上げるだけでは、どのような問題が発生するのでしょうか。

まず1つ目に、余裕が年々無くなっていきます。
できる仕事が増えれば、その分責任のある仕事も任されていきます。年を重ねたら部下もできるので、部下のマネジメントも同時にこなさなければいけません。
+αで仕事量が増え続ければ、いつか限界が来て、それを乗り越えてもまた限界が来るので、常に120%で走り続けなければいけなくなってしまいます。そこにトラブルが発生したら、140%の力を出さないといけません。
更に、働き方改革や○○ハラスメントの対策、Z世代とのコミュニケーションといった課題が年々増えていきます。
これに対して経営者層が何も手を打たないと、役員から部長職相当以下の社員が、自分たちの部下の教育を放棄するなど、どこかを切り捨てる選択を取ってしまう可能性も出てきます。
実際に私が勤めていた企業では、皆いっぱいいっぱいになってしまい、部下の失敗のフォローすらできず、クライアントを無くし、また新規を1から作りに行くといった悪循環の中、120%の力で終わりの無いマラソンをさせられているような環境で終電ギリギリまで頑張っていました。
環境を整えないと無駄が多く発生してしまうのです。

2つ目は継続できないことです。
初めに述べたように、身体は資本です。
身体と精神がボロボロになってしまえば屍のようになってしまいます。
それで会社に居続けられると不平不満を言う、非常に厄介なゾンビ社員に変身してしまいます。
また、何とかこなせている人も、ビジネスケアラーというどうしようもない壁にぶつかってしまい、リタイアせざるを得ない状況に立たされる可能性も年々上がっています。
長期高齢化社会の問題も相まって、継続して働き続けられなくなっているのです。
そして、そんな上司陣を見た部下はこのまま働こうと思ってくれるでしょうか。
膨大な量の情報の中で生きてきたZ世代は常に他人と比較をし、想像しています。
「うちの会社ヤバいかも」
「私が課長の年になったら毎日深夜まで働かないといけないのかな…」
などと思われてしまったら、もっと良い環境を求めて転職してしまう可能性も出てきてしまうのです。
社員を採用してもその分経験豊富な社員が出て行ったら、パワーが落ちますし継続なんてとてもできませんよね。

ではどうするべきか

石丸氏の政策に話を戻しましょう。
安芸高田市で教員の環境を整えるために『学校用務員』と『給食支援員』を採用したように、会社でもスポットで働いてくれる社員を用意すればいいのです。
手書きでまとめていたアナログの報告書類をDX化すればいいのです。
無駄な会議を開いてしまっていたら、そもそもやめてあげればいいのです。
副業、兼業が当たり前になりつつある現在、探せば色々なサービスを提供している企業がたくさんあります。
1つのプロジェクトにだけ参加してもらうことも可能なのです。
もちろん出費が増えますので取捨選択は必要ですが、目先のお金だけに注目しないで、社員が働きやすい舞台を整えてあげる気持ちで出費してください。
利益は大事です。しかし、人材も同じくらい大切です。
人財という言葉があるくらいですからね。

社員の時間が確保されれば、さまざまな選択肢ができます。
押し活など自分の時間に使ってもらいリフレッシュした状態で働いてもらったり、自己成長するために副業をやってもらうのも良いです。
クライアントにより時間をさけるようになるかもしれませんし、安芸高田市の教員みたいに、部下の教育に時間を作ってあげることもできるようになります。

とにかくお金は出すから自分たちで何とかしろというこれまでのやり方を続けても、後10年くらいは持つかもしれませんが、それ以降は家庭との両立をしたいと思っている層が役職に就くようになるため、会社が利益を維持しながら存続することはできないでしょう。

最後に

常に考えながら働けと部下にいうのであれば、環境整備に対しても昔のやり方を続けないで変えていかなければいけないのではないでしょうか。

必要なのは【どうして変えていくか】です。
社員を大切にしない企業は廃れていきます。
上が腐ると下も腐る。肝に銘じてください。

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