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物思いに耽れそうな場所へ

何も考えないこと

昨今のマインドフルネス理論や
瞑想ブームも相まって評価されている。

意外とこれが難しい。

ただ、物思いに耽れそうな場所に
足を運べばいいのではと思う。

逆のようであるが結果的に僕は
何も考えていなかったから。

「お前、何黄昏てんねん。」

人生でたまに言われた言葉だ。

黄昏ているの用法は間違っているとようだが
何、物思いに耽ってるねん。と言いたいのだ。

暇さえあれば、空をぼーっと眺めたり
校庭に降っている雨の雫を見ていたが
残念ながら、僕は何も考えていない。

僕はあるスポーツのGKをしていた。
相手が弱くて、暇な試合だった。

攻撃陣の頑張りで大勝した。

試合後に

「お前、空ばっか見てたけど、何を考えてたんや?」

監督が僕に質問を投げかけてきた。

「何も考えていません。
 今日は空が綺麗だと思っていました。」

「試合に集中してくれるか。」

我ながら阿呆だと思うがフォローしたい。

G Kには突然ピンチがやってきて、ボールを止める必要がある。仕事はONとOFFが大事と言われるように、僕はスイッチをOFFにしていた。来たる瞬間で役割を果たす為。

だから、僕は空を眺めていた。と推測する(絶対違う)。

ただ側から見れば物思いに耽ってそうな状況は
自身の脳内を休息させるきっかけになりそうだ。

と、言いながら、休息させるどころか
僕は全力で物思いに耽ける癖がある。

そんな時に、滋賀の浜大津に足を運んだ。

湖畔って考え事にぴったりな気がするから。

浜大津は琵琶湖に面した駅である。物思いは自宅を出た後から既に始まっている。頭をくるくる回し、考え事をしながら、浜大津線に揺られて、目的地に向かう。閑散とした車両が考え事にピッタリなのである。

「将来、どうしようか・・・」
「僕の好きな事って、何だろう・・・」

浜大津アーカスシネマという映画館があった。チケット売り場を抜けた先には琵琶湖を見渡せるようなオープンカウンターが設置されている。

リフレッシュがてら、とりあえず映画を見る。

閑散とした映画館。シアターに僕含めて二人しかいない時すらある。缶コーヒー片手に映画を鑑賞した後に、僕は「さあ、物思いに耽るぞ。」と息巻いて、琵琶湖を見渡せるベンチに腰を掛ける。

湖面をじっくり観ながら、観覧船の動きに目を凝らしながら。

あ、カモメだ。あ、ブルーギルだ。

段々と物思いに耽けにきたことを忘れていく。

自然を見ると不思議とそっちに集中がいって
色々とどうでも良くなってくるのである。

あ、腹が減ってきた。帰ろう。

物思いに耽けにきたが
結果的に頭が空っぽになっていた。

そして、元気に自宅に帰っていくのであった。

やっぱり、脳内を休ませるには敢えて物思いに耽れそうなスポットを訪れるのはありかもしれない。あの日、「今日を無駄にしたなあ。」と浜大津を訪れた日の夜に後悔したが、実は心のバランスを取ってくれていた気がする。

物思いに耽れそうな場所ランキングとやらがあれば良いのだが。

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