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『男はつらいよ 寅次郎子守唄』:1974、

 昔、ある村に働き者の夫婦がいた。正直者で、人には親切で、村で2人の悪口を言う者は一人もいなかった。だが、そんな2人は子宝に恵まれていなかった。そこで夫婦は、産土(うぶすな)の神様に御百度を踏み始めた。
 満願の日が訪れ、夫婦は神様に「どうか可愛い子供をお授け下さいまし」と祈った。すると神様が現れ、2人に赤ん坊を授けた。神様は夫婦に「賢き男の子(おのこ)なりせば、名は寅次郎と命名す」と告げる。だが、それは旅先の川辺で転寝していた寅さんの見た夢だった。

 柴又では、博が怪我をしたという知らせを受けたさくらが、とらやへ駆け込んだ。印刷工場の機械に右腕を巻き込まれたのだ。さくらは満男の迎えをおばちゃんに頼み、博が運ばれた吉田病院へ向かう。
 病院では木谷京子という看護婦が働いていた。博は指を怪我したが、骨折は免れた。御百度参りをしたおばちゃんは、軽傷と知って安堵した。タコ社長は詫びも兼ね、とらやに寿司を差し入れした。

 御前様がとらやを訪れ、「軽くて幸いだった。なんといっても博さんはこの家の大黒柱だからなあ」と言うが、すぐに「待てよ。博さんは車家の跡取りじゃなかったか」と気付く。おいちゃんは寅さんが大黒柱であることを御前様に告げ、「酷い安普請でございます」と笑う。
 そんなところへ、寅さんが戻って来た。御前様が去った後、おいちゃんたちは寅さんに、将来について語り合っていたことを明かす。博は、「兄さん自身が将来についてですね、少しは考えてほしいと」と述べた。すると寅さんは「オレだって自分の将来ぐらい考えてますよ、死んだ後のことまで」と言い、葬式を出すための金を貯めていると言う。

 寅さんが腹巻に入れた貯金通帳を見せて「まあ幾らも貯まっちゃいねえけどな」と口にすると、おいちゃんは「いや、額なんて幾らだっていい。その気持ちだけでも嬉しいじゃねえか」と感激した。すると寅さんは調子に乗って、通夜や葬儀の希望について詳しく語り出す。
 そのふざけた内容に、おいちゃんは呆れ果て、おばちゃんは情けなくて泣き出してしまった。みんなに叱られて腹を立てた寅さんは、さくらに「もう少し貯まってからお前にやろうと思ったんだけど、博の医者代にしろ」と告げ、郵便貯金通帳を渡して旅に出る。その通帳はさくら名義で、残高は7700円だった。

 寅さんは九州の唐津でバイをした後、佐賀県呼子港へ足を向ける。渡し船の船着き場で寅さんがあんぱんを食べていると、赤ん坊を抱いたストリップ小屋の踊子と、佐藤幸夫という男がやって来た。
 踊り子は「なんも力になり切れんで悪かったね」と言い、赤ん坊を佐藤に渡す。佐藤が渡し船に乗った後、踊り子は寅さんに、彼が女房に逃げられたことを話した。佐藤の女房は、ストリップ小屋で踊っていた女だという。寅さんは踊り子に、紙袋のあんぱんを食べるよう促した。

 その夜、寅さんが旅館で晩酌をしていると、佐藤が泣いている赤ん坊に怒鳴っている声が隣室から聞こえてきた。寅さんは彼を酒に誘い、踊り子から事情を聞いたことを話す。
 「オレもね、母親知らねえで育ったんだ。だから、こういうチビ見ると他人事とは思えなくってよ」と、寅さんは口にした。佐藤はすすり泣き、赤ん坊も再び泣き始めた。翌朝、寅さんが目を覚ますと、佐藤は「この子をよろしくおねがいします」という置き手紙と赤ん坊を残し、姿を消していた。

 寅さんが赤ん坊を背負ってとらやへ戻ったので、さくらたちは仰天する。タコ社長は工場へ駆け込み、工員たちに「寅さんにな、赤ん坊が生まれたんだ」と告げる。
 疲れ果てた寅さんが眠っている間に、間違った情報が柴又中に広まっていた。噂を聞き付けた御前様が来て車家の面々と話している最中に、寅さんが目を覚ました。寅さんの説明で、さくらたちは赤ん坊が彼の子供ではないことを知った。

 赤ん坊が熱を出していることにさくらが気付くと、寅さんは博に「どっか、いい病院知らないか?」と問い掛ける。御前様が「博さんが怪我で通っていた病院、どうかね?」と言うので、博は吉田病院へ赤ん坊を連れていくことにした。
 御前様が「お前も行った方がいい」と寅さんに告げると、さくらと博は何かと理由を付けて、置いて行こうとする。寅さんは赤ん坊のことを、さくらと博に任せた。赤ん坊は少し風邪気味だっだけで、大したことは無かった。

 翌日から、おばちゃんが赤ん坊の面倒を見始めた。寅さんはさくらから咎められても「オレが子守りなんか出来るわけないじゃないか」と言い、店の仕事を手伝おうともしない。おいちゃんに批判された寅さんは、不機嫌になって遊びに出ようとする。
 そこへ京子が来たので、寅さんは彼女に見とれる。京子は夜勤明けで、買い物帰りに立ち寄ったのだという。寅さんは途端に「さくら、赤ちゃんどうもありがとう。オレが抱こうか、いつもの通り」と言い、赤ん坊を抱き上げた。

 京子が「そうやって抱いてると可愛いでしょう」と告げると、寅さんは「そうですねえ、情が移ると言いますか、まるで他人様の子供だとは思えなくって」と述べ、さくらたちは呆れた。京子が立ち去ると、また寅さんは赤ん坊の世話を他人任せにする。だが、おばちゃんは嬉しそうに赤ん坊の面倒を見る。
 寅さんは京子に会うため、元気な赤ん坊をダシにして吉田病院へ連れて行こうとする。赤ん坊を忘れて病院へ赴いた寅さんは、退院する患者と家族を見送っている京子の姿を目にすると、彼女には会わずに立ち去った。

 数日後、とらやに踊り子と佐藤が訪ねてきた。寅さんは不在で、さくらとおいちゃんが応対する。踊り子が詳しい経緯を説明していると、おばちゃんが赤ん坊を抱いて嬉しそうに店先へ出て来た。
 おばちゃんはさくらから「赤ちゃんのお父さん」と言われ、呆然とする。さくらは「お渡しするのはいいんですよ。でもね、お父さん、二度とこの子を捨てたりしないでしょうね」と佐藤を諌める。踊り子が赤ん坊を抱き上げ、「坊や、幸せじゃったんだねえ。良かったねえ」と頬をすり寄せて涙を流す。その隣で佐藤も泣き出した。

 その夜、さくらは寅さんに、赤ん坊を返したことを話す。彼女は「私が責任を持って子供を育てます。自信もありますって、そう言うのよ。どうしてかっていうとね、あの女の人、ちょうどあの子くらいの子供、死なせたことがあるんだって。私たちも話を聞いている内に、この人なら、きっとこの子を幸せにしてくれるだろうと思って」と語った。
 寅さんは「迷惑掛けて済まなかったな」と言い、静かに2階へ上がっていく。おばちゃんは満男から「ばあば、泣いてんの?」と言われ、涙を拭った。

 別の日、さくらは江戸川の土手で京子に声を掛けられ、とらやへ連れて来る。車家の人々と楽しい会話を交わした後、京子は帰る間際になって、さくらに「さっき話してた私たちのコーラスのこと、今度、一緒に歌わない?」と誘いを掛ける。
 「何年も歌わないから」と言うさくらに、彼女は「平気よ。近所の工員さんとか先生とか主婦とか、みんな素人ばかりなの」と告げる。「何だ、歌か。歌だったら俺、好きだ」と寅さんが口にするので、京子は「良かったら、さくらさんとご一緒にどうぞ」と持ち掛けた。

 土曜日、寅さん、さくら、源公の3人は、江戸川合唱団の練習場所である聖和幼稚園へ赴いた。寅さんが京子に「こいつがね、どうしても行きたいって言い出して。一人じゃ嫌だから、お兄ちゃん付いてってよって、いい年しやがって」と嘘をつくので、さくらは呆れた。
 京子はオモチャ工場で働くリーダーの大川弥太郎を呼び、寅さんたちを紹介した。さくらは練習に参加するが、見学している寅さんと源公の行動が気になって仕方が無い。彼女が懸念した通り、寅さんと源公が騒ぎを起こし、練習をぶち壊してしまった。

 大川が練習を中止した後、さくらは喫茶店で寅さんを叱責する。だが、寅さんは全く反省の態度を見せない。だが、さくらから京子の立場を考えるよう言われ、仕方なく謝りに行くことにした。
 彼はさくらから貰った金で日本酒を買い、京成関屋にある大川のアパートを訪れた。寅さんは「本来ならオレが詫びを入れる筋合いじゃないんだけれども、京子さんがね、私の顔を立てて謝りに行ってちょうだいって言うからさ、この薄汚いアパートまで出向いてきたってわけだ」と語り、手打ちとして酒を勧めた。

 寅さんは一気に酒を飲み干した大川を気に入り、さらに酒を注いだ。彼が「銭はねえし、口は下手だし、その上、その男っぷりじゃ女にはモテねえだろう。惚れられたことあんのかい?」と言うと、大川は「無いです」と即答する。
 寅さんは大川が隠し持ってた写真を見つけ、彼が京子に惚れていることを知った。寅さんは大川に、思い切って告白するよう促す。大川から「そしたら、どうなりますかね」と質問された寅さんは、「断られるのに決まってる。しかし、無駄ではないんだ。お前がそれで諦めることが出来るから」と言う…。

 原作 監督は山田洋次、脚本は山田洋次&朝間義隆、製作は島津清、企画は高島幸夫&小林俊一、撮影は高羽哲夫、美術は佐藤公信、録音は中村寛、照明は青木好文、編集は石井巖、音楽は山本直純、主題歌『男はつらいよ』は渥美清。

 出演は渥美清、倍賞千恵子、十朱幸代、下条正巳、笠智衆、前田吟、太宰久雄、佐藤蛾次郎、三崎千恵子、春川ますみ、月亭八方、上條恒彦、中村はやと、内村友志、羽生昭彦、長谷川英敏、松下努、木村賢治、渡辺隆司、中原美樹、秩父晴子、戸川美子、松原直、高木信夫、土田桂司ら。

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 “男はつらいよ”シリーズの第14作。寅さん役の渥美清、さくら役の倍賞千恵子、御前様役の笠智衆、博役の前田吟、タコ社長役の太宰久雄、源公役の佐藤蛾次郎、おばちゃん役の三崎千恵子、満男役の中村はやとはレギュラー陣。
 第8作から様々な役(主に夢のシーンの出演者)で連続出演していた吉田義夫が、今回は登場しない。今回のマドンナは京子役の十朱幸代。踊子を春川ますみ、佐藤を月亭八方、大川を上條恒彦が演じている。

 今回から、おいちゃんが3代目の下条正巳に交代している。初代の森川信は、惚けた雰囲気もありつつ、チャキチャキの江戸っ子気質を感じさせるおいちゃんだった。2代目の松村達雄は、やや荒っぽい印象が強くなった。
 3代目の下条正巳は、前の2人に比べると、ソフトなイメージが強いおいちゃんだ。とらやのシーンではドタバタが繰り広げられるのが定番だが、3代目おいちゃんは、寅さんを叱ることはあっても、掴み合いの喧嘩をしたりすることは無い。

 いつものように夢のシーンから始まり、主題歌の流れるオープニング・クレジットへ繋がっていく。だが、今回は1番だけを歌い、2番はメロディーだけが流れて、サビの部分だけ1番の歌詞を繰り返す。また、オープニング・クレジットの場所が、江戸川の河川敷ではない。
 いつもであれば、寅さんが人々に迷惑を掛けるコントが描かれるが、今回はそれが無い。花を摘もうとして帽子を川に落としてしまい、拾った帽子をカカシに被せて乾くのを待つ様子が描かれる。喜劇よりも人情劇としての印象を強く感じさせる内容だ。

 今回の前半戦は、赤ちゃん騒動が展開される。山田洋次監督のことだから、ひょっとすると『狐の呉れた赤ん坊』から着想を得たのかもしれない。赤ん坊を押し付けられた寅さんは、珍しく無精ヒゲを生やしている(っていうか、たぶん無精ヒゲは初めてじゃないか)。
 最初はコミカルなドタバタ劇が繰り広げられるが、そこからシリアスな方向へ舵を切る。子供に恵まれなかったおばちゃんが嬉しそうに赤ん坊の世話をしていたのに、手放さなければいけなくなって寂しそうな表情を浮かべるのは、こっちまで切ない気持ちにさせられる。

 マドンナではないのだが、踊り子を演じる春川ますみも、かなりの存在感を見せる。っていうか存在感で言えば、京子より上かもしれない。船着き場で寅さんと「ここで踊ってんのかい?」「こんな景色の良かとこへ来て、暗か所で女の裸見て、どこが良かすかねえ」「別に裸を見るわけじゃねえよ。姐さんの芸を見に来たと思えば腹も立たねえだろう」「兄さん、良かこと言ってくれるね」という会話をやり取りし、一緒にあんぱんを食べるという何気無いシーンも、なんか、いい感じなんだよな。
 浅草ロック座で踊り子をしていた春川ますみと、浅草のストリップ劇場の専属コメディアンだった渥美清の中で、何か心が通じ合うものがあったんじゃないかと深読みしたくなるシーンだ。ちなみに、赤ん坊の父親役である月亭八方は、ぶっちゃけ、別に誰でもいいんじゃないかと思う程度の存在だ。

 今回、寅さんが郵便貯金していたことが判明する。車家の人々は、それだけで感動する。おいちゃんの「額なんて幾らだっていい」というのは本心だ。寅さんが真面目に生きようとしている部分、真っ当に暮らそうとしている部分を見せるだけで充分なのだ(それだけ普段の寅さんがロクでもないフーテンってことではあるのだが)。
 通夜や葬儀の内容については茶化してしまった寅さんだが、貯金は本当にやっている。しかも自分のためではなく、さくらのための貯金だった。わずか7700円だが、額なんて幾らだっていい。自分のために貯金してくれていただけで、さくらは感激する。そして、ここは観客にとっても心に響くシーンだ。

 赤ん坊を診てもらうために寅さんが「どっかいい病院知らないか?」と尋ねただけで、さくらと博はドキッとした様子を見せ、吉田病院のことを隠そうとする。もう2人とも、っていうか車家の面々&タコ社長は、寅さんが惚れっぽいことを良く知っている。だから、病院に行って寅さんが京子と会えば、必ず惚れるだろうという予感があるのだ。
 もっと言えば、「惚れるけど失恋する」ということまで分かっている。だから、さくらと博は「お兄ちゃん疲れてるから」とか「車が小さいから」と適当な理由を付けて、病院へ連れて行くまいとする。もはや、さくらたちは「どうせ失恋するんだから、女性とは会わせない方がいい」と思うほどになっているのだ。

 さくらたちの悪い予感は的中し、寅さんは京子に会うと、途端に惚れてしまう。元気一杯の赤ん坊を道具として利用し、病院へ行こうとする。しかも、その赤ん坊を連れて来るのを忘れるが、「いいか、手ぶらで」と、そのまま病院へ行く。だが、退院する患者と家族を見送っている京子の姿を目にすると、そのまま立ち去ってしまう。
 これまでの寅さんは、マドンナに惚れると、何かと理由を付けて積極的に会っていた。「姿を見ただけで満足して去る」というのは、これが初めてのことだ。

 今回のマドンナは、寅さんと出会うシーンが最初の登場ではなく、それより随分と前から画面に登場している。なんと、映画開始から7分ほどで登場するのだ。本編開始からだと、まだ2分も経っていない。これは歴代のマドンナの中でも最速じゃないだろうか。
 また、いつものマドンナは、寅さんと親しくなり、とらやの面々は極端に言えば「ついで」の関係でしかないのだが、京子は寅さんよりも、さくらと親しくなリ、合唱団に誘う。さくらが柴又を出て、他の地域のグループと交流を持つのも、これが初めてだろう。

 寅さんは大川が持っていた京子の写真を見つけても、それでショックを受けたり、落ち込んだりはしない。「バカだなあ、お前。これは身の程知らずだぞ」と笑い飛ばす。
 いつもの寅さんであれば、マドンナの周辺に親しい男がいたら、それだけで「恋人じゃないか」と誤解したり、ショックを受けたりする。しかし今回は、大川が京子の恋人ではないことも分かっている上、絶対に相手にされないと決め付けているのだ。つまり寅さんは、大川を恋のライバルとして見ていないのだ。自分の方が上だと思っているのだ。

 寅さんは大川に、「頭の中で色々と思い巡らしてはいるが、いざ惚れた女に出会った時に、何も喋れなくなる。それは良く分かる。だがな、お前はその口をチャックしたまま好きでもないお多福と所帯を持って、尻に敷かれてガキの5人もヒリ出してだ。どん底の生活に喘いで一家心中をしようとするその時に、ああ、もしかして京子さんは、このオレが好きではなかったのか。そう思った時、どうする。幾ら後悔しても、もう遅いんだぞ」と語る。
 だが、寅さん自身、これまで何度も、告白しないままに失恋してきた男だ。つまり寅さんは、自分のことがまるで分かっちゃいないのである。

 寅さんが大川と会っている時、さくらと京子が話している。京子は、母が手紙を寄越す度に「いい男性見つけて早く結婚しろ」とうるさく言っていることを語り、「こないだ、田舎に帰った時に、母さんの言う、いい男性ってのは、どんな男性なのって聞いたら、おまえの父さんみたいな人だってそう言うの」と述べる。
 さくらが「お父さんって素適な人だったのね」と訊くと、彼女は「それが全然、良く覚えてないけど、写真で見ると酷いブオトコ。おまけにとっても口下手で、お金儲けなんか全然縁が無かった人よ。そんな人見つかると思う?」と笑って話す。これは、とても分かりやすくて、すぐに回収される伏線だ。そんな男が、すぐ近くにいるのだ。

 寅さんは大川にアドバイスをするが、それはシリーズ後期のように、本気で恋の指南役を買って出ようとしているわけではない。大川が京子に振られると確信し、その上で「諦めるために玉砕しろ」と促しているのだ。
 それどころか、そもそも大川が告白なんて出来ないと思っていた節もある。だから、飲んでとらやに戻った時、大川が告白しようとするのに気付き、慌てて誤魔化そうとしている。

 だが、寅さんが告白を止めさせるために歌い出しても、大川は構わず、真剣な顔で京子に「笑わないで下さい」と告げる。「急性盲腸炎で入院したその日から、僕は貴方が好きです。あれからずっと、貴方が好きです」と言い、我に返って立ち去る。翌日、京子は京成関屋駅で大川を待ち受け、戸惑いながら「昨夜はどうもすいませんでした」と言う彼に、「ちょっと、貴方に会いたくて」と告げる。
 このシリーズの恋愛劇と言えば、第1作目で博がさくらに心の内を明かして走り去り、さくらが駅で追い付くというシーンがとても感動的だった。それには及ばないものの、これも心に響く名シーンだ。ただし、1ヶ月後に結婚を決めちゃうのは拙速だと思うぞ。

(観賞日:2013年6月20日)

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