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daraz
【365日のわたしたち。】 2022年5月3日( 火)
電車の隣の席の人が、窓の外を眺めながらボロボロと泣いているのがわかった。
マスクに染み込み、吸い込まれている涙を横目で見ながら、
なんだか僕の方まで悲しい気持ちになった。
3連休の初日に、何が悲しくて泣きながら電車に乗らなくてはいけないというのか。
僕は鞄からハンカチを取り出し、手に握りしめていた。
これを渡すべきか。
そんなことしたら、気持ち悪いと思われるだろうか。
何百回と繰り返した自問自答の最中に、
その女性はサッと電車から降りて行ってしまった。
残された僕は、なんとも言えない無力感に襲われた。
気持ち悪いと思われたって良いじゃないか。
それでもしかしたら、気がまぎれたかもしれないのに。
どうして、あの時、手を差し出してやらなかったんだ。
なんだか、僕にとっても、しょっぱいゴールデンウィーク初日となったのだった。
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