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伊藤詩織事件の闇

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#山口敬之

控訴審判決の評価

控訴審判決の評価

■控訴審判決の構造控訴審判決の構造はざっくり言うなら、このように言えるだろう。
①地裁判決に見た非常識は相当部分が是正された
②しかし「不同意」は現状維持で変更なし
③そのため「名誉毀損」と「プライバシー侵害」は(一部DRDを除いて)阻却。

賠償金額については、原審の控訴原告側の負担330万円→控訴審332万円にアップ、引き換えにDRD名誉毀損該当分△55万円で差し引き287万円。訴訟費用の負担

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高尾先生のご投稿について

高尾先生のご投稿について

イーク表参道の高尾美穂医師が、判決日の1月25日付でTwitterにて次のようなツイートをなさった。

今回はこれについて私の思いを綴ることとするが、極めて個人的な私の価値観による見解になりますので、特にご賛同は求めません。

高尾先生が一連の裁判でどれほど重要な位置にあったかは、タスノートをお読み下さっている方々は先刻ご承知と思われるので繰り返さない。ただ先生が<coitus 2-3時 コンドー

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FCCJ会見 冒頭部分の和訳

FCCJ会見 冒頭部分の和訳

いよいよ1月25日、控訴審の判決日が近づいてまいりました。ここでスタート地点を振り返っておきます。以下の動画は東京地裁判決翌日の2019年12月19日の記者会見のもようです。冒頭の英語部分(約10分)を和訳しました。

<司会者>

Thank you for coming today for such a large numbers to hear this press conference,

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イラスト+RT裁判 判決批評

イラスト+RT裁判 判決批評

第2部 RetweetのA氏、B氏編

【前 提】 前提については第1部 はすみとしこ編と共有する。

【概 論】 第1部 はすみとしこ編 に以下を追加する。

■RTの定義について
 何の付加的なコメントも添えない、いわゆる「単純リツイート」は賛同の意であると判決は見做し、不法行為を認定してしまった!そんな事を一裁判官が決められるのか?これはTwitterの標準仕様にかかわるものであり、重大な問

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イラスト+RT裁判 判決批評

イラスト+RT裁判 判決批評

判決文 原文↓

第1部 はすみとしこ編

【前 提】 伊藤-山口の案件は、「山口氏はレイプ犯なのか」という重大な意味を含むものである。刑事不起訴、検察審査会も不起訴相当の処分が出た後ですら、山口氏をレイプ犯と断定する書き込みはSNSで後を絶たず、続く一審地裁判決は不同意性交につき原告・伊藤氏の言い分を認めたものの、被告山口氏は即日控訴という経緯があった。一般社会にとって事実は未だ「藪の中」である

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イラスト+RT裁判 【判決文】

イラスト+RT裁判 【判決文】

主 文

1 被告蓮見は、原告に対し、88万円及びこれに対する令和2年5月16日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え。

2 被告Aは、原告に対し、11万円及びこれに対する令和2年7月19日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え。

3 被告Bは、原告に対し、11万円及びこれに対する令和2年7月19日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え。

4 原告の被告らに対す

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八尾恵事件を知っていますか

八尾恵事件を知っていますか

~ 拉致加害者に加担した司法 ~

■八尾恵とは1991年、一人の日本人女性がメディアを相手どって名誉毀損訴訟を提起した。すでにさかのぼること2年前に彼女は「北朝鮮のスパイとでっちあげられた。違法捜査を許さない!没収した旅券を返せ!」と国賠訴訟を起こしていた。後に「よど号」事件のメンバー・柴田泰弘の妻であり有本恵子さん拉致の実行犯であると自白することになる八尾恵である。

公安当局は日本に潜伏中の

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絶望の裁判所

絶望の裁判所

上の画像は瀬木比呂志氏による『絶望の裁判所』の帯文である。「この門をくぐるものは一切の希望を捨てよ」。この門とはすなわち地獄への入口のことで、ダンテ『神曲』地獄篇に登場する名句だ。裁判所とは地獄なのか・・・。

日本の裁判所がどのような構造的な問題を抱えているか、これから筆者が愛読する瀬木比呂志氏の動画ナビゲーションに沿って考察しながら、同時に何故トンデモ判決が多発するのかを考えてゆきたい。

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山口敬之さんによる陳述

山口敬之さんによる陳述

山口敬之氏Facebookより転載させて頂きました。太字は転記者による。

     〈意見陳述 全文〉
 伊藤詩織さん(呼びかけ)、
 伊藤詩織さんは、「あの夜の寿司屋のトイレから、翌朝5時頃ホテルで目を覚 ますまでの記憶がない」と主張しています。本人が「記憶がない」と言っている 事について、第三者がその主張を覆すのは、大変難しい。
 しかし、記憶を無くす前と後についての主張には、たくさんの明ら

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弁護団によるメールの解釈

弁護団によるメールの解釈

山口弁護団はメールやりとりでの伊藤氏の心理をどのように分析したか。以下はメール本文と、対応する控訴理由書からの引用です。

*引用文中で控訴人→山口氏に、被控訴人→伊藤氏にそれぞれ変更しています。

🔴お疲れ様です。
この前はどうしたらいいのかわからなくて、普通にメールしたりしてしまいましたがやっぱり頭から離れなくて。
この前気づいたらホテルにいたし、気づいたらあんなことになっていてショック過ぎ

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カットされたメール集

カットされたメール集

「これでメールはすべてだ(BB P123)」
ほう、そうですか。
こちらが伊藤詩織著『Black Box』で省略されたメール集です。
著書に掲載されなかったメールは全26件。
ちなみに「妊娠」はメール全体で計13回出てきます。

*****

伊)東京にお戻りの際はぜひお会い出来たらうれしいです
2015-03-25(伊藤詩織『Black Box』42頁) 

伊)早速のご返信ありがとうございます

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9/21 囲み取材で伊藤さんが語ったこと

9/21 囲み取材で伊藤さんが語ったこと

途中からになりますが、得られた分の囲み取材の内容を文字に起こしました。例によって筆者による「👆ツッコミ」付き。

       伊=伊藤  西=西廣弁護士 イソコ=東京新聞・望月記者

ファシリテーター)では、(聞き取れず)とお名前からお願いいたします。望月さん!

イソコ)えー、中村格元刑事部長は、(聞き取れず)危険人物で、やはり、あの時逮捕してくれていれば、このような形で痛みを(聞き取れず)

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9月21日 伊藤さんの陳述(全文)

9月21日 伊藤さんの陳述(全文)

伊藤さんご自身が配布されたスクリプトを入手しましたので、以下、筆者の「👆ツッコミ」入りで共有します。法廷で伊藤さんが読まれたものと同じ内容(原稿)が、閉廷後の囲み取材時に配布されました。

****

東京高等裁判所 第24民事部御中
                       2021年9月21日
                      (被控訴人サイン)

控訴審を終えるにあたり、以下

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ダメ押しの整形外科医 回答書

ダメ押しの整形外科医 回答書

膝については、伊藤氏は元谷整形外科で事件の4日前(3/31)の受傷を申告しているほか不審な点がいっぱい。原審でも匿名整形外科医が意見書を提出していますし、後から「事件の際に揉み合った時に痛めたらしい」と話を作ったと見て間違いないでしょう。もう話はついている!

               (原審の意見書(翻訳)はこちら)↓

それでも念には念を。Y弁護団は周到です。原審の意見書に続き、安房地域医

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