本が好きです

本が好きだ。

読むのも好きだが、それだけではない。
眺めるのも、手で触るのも、内容について語り合うのも、そして(書籍の編集はしたことはないが)きっと作るのも好きだ。
そして何より、買うのが好きだ。

書店に行って、何を探すわけでもなく、ブラブラと歩き回るのは至福の時間。今より時間があった頃はよく、紀伊國屋書店の新宿本店に行き、一番上の階まで昇って、各フロアを一周しながら階段で降りてきたものだ。

「本との出会いは一期一会」。結構本気で、そんなことを思っていたりする。書店で偶然出会ったとしても、「次に来た時に買えばいいや」などと思っていたりすると、他の人が買っていったり、返本されてしまったりしてしまう。なので、「これは良さそう!」と思ったら、だいたいその場で買ってしまう。
「そんなに欲しい本があるなら注文すればいいじゃないか」と思うかもしれないが、運命の出会いを大切にしたい、そんな乙女心が働いてしまうのかもしれない。

「良さそう!」と思う基準は様々だが、いわゆる「ジャケ買い」も多い。表紙に惹かれ、手にとって手触りや重さを確かめ、パラパラと中身に目を通してみる。だいたい、そんな感じだ。

ポンポンと買ってきてしまうので、当然、すぐには読み切れない。
かつて、歌人の穂村弘さん(だったはず)が、どこかで、「良い本を家に置いておくと、そこから『良い本のエキス』出てきて、家の空気が良いものになる気がする。だから、『積ん読』は有用なのだ」という趣旨のことを書かれていた。いつも、そのことを思い出しながら、新しくお迎えした本を積ん読仲間に加えてあげる。

また、これは誰が言ったか・どこかで目にしたのかは記憶にないのだが、「本は焼却しない限り、五十年・百年経っても後世に残るもの。本のライフサイクルから考えれば、今、手元にある本は、自分が一時的な所有者になっているだけなのだ」という、なんとも壮大なロマンを感じる言葉を記憶している。そういう意味では、我が家は本たちに「仮のお宿」を提供してあげているのかもしれない。

時々は、そんな本たちについても紹介できたらと思う。

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