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【メルボルン便り】Home School Survival Pack!って、なあんだ?

北海道苫小牧市でアートを通して地域や社会と関わる活動に取り組んでいるNPO法人「樽前artyプラス」。メンバーでオーストラリア・メルボルン在住の小河けいが、コロナ禍でロックダウンが続くオーストラリアの日々を綴っています。

★樽前artyプラス 

メルボルンのあるビクトリア州の日々のコロナ新規感染者が10名を切るようになってきました。ちなみにビクトリア州の人口は約649万人。

今もロックダウン中だけど、少しずつ少しずつ規制は解除されてきています。

ここ数年、「数字って、追ってみても数字でしかない」と感じることがちょいちょいあったのだけど、コロナで数字を追う日々になり、やっぱり数字は数字でしかないと思うのに、それでもやっぱり数字を気にする日々です。

子どもたちは、春休みが終わり、4学期がスタート。幼稚園はオンサイトで、小学校は1週目だけオンライン、2週目からからオンサイトで。

ここでは、学年が1月に始まって(といっても、1月のほとんどは夏休みだけど)12月に終わるので4学期は最後の学期です。

9月の中頃、メルボルンの感染者数がすごいことになってる風なニュースを日本のデジタル版新聞で見てビックリ。

え? 今、それ言う? だいぶおさまってきてるんじゃん? と。

たしかに、その頃も厳しいロックダウンで色々と不自由があったし、かつてよく利用した、観光名所でもあるクィーンビクトリアマーケットがロックダウン反対デモの人々と取り締まりの警察で騒然となったとか、不安なことや心配なことはあったけどさ。

きちんと読めば、それは6月中旬から少しずつ増え、8月の初めにピークを迎えたメルボルンでの第2波の感染拡大の様子について9月半ばに配信された記事で…「ビックリ」した私が早とちりかもしれないけどさ。

ニュースとして新聞サイトから発信されたら反射的に「今」のことと受け取っちゃう。もっと気をつけなければ。

コロナの抑制に成功したように見えたオーストラリアでビクトリア州だけ第2波に苦しむことになったのには、ずさんな部分もあるのだと思う。けど、ここでは私の経験からは考えられないくらい政府や企業の対応が早かったり、指示が明確だったり、整備されていたりする部分もある。

コロナ対策に関しては、誰でもいつでも何度でも検査が受けられるし、保健省のwebサイトでは、日々郵便番号ごとにアクティブ感染者数を発表している。その保健省のコロナ情報はなんと50種以上の言語に対応。

「だから、安心安全。」と言えるわけではないけど、思いついたできることは全てやってみる的な態度を心強く感じることは多い。

このままいけば、州首相の言う「クリスマスまでに、家族でのバーベキュー、夏休みの休暇、ビーチへの旅行」が実現するのかもしれない。

と思っていた矢先、0人が12日続いていたニューサウスウェールズ州で新規感染者が3人発生。むむむ。一筋縄ではいかないな。

「家族でのバーベキュー」で思い出すのは、第1波の頃、日本では夜の街に厳しい目が向けられていたとき、こっちでは「家族や親しい人たちで集まるのは我慢しましょう」と度々報じられていたこと。「夜遊びを我慢」と「家族に会うのは我慢」では印象があまりにも違う。文化の違いではなくて、状況の違いから起きたことなんだろうけどさ。

世界中が同じ敵と戦っていても、所変われば、色んなことが違う。

長く続いているロックダウン生活。実は…大きな声じゃ言えないけど終わるのが惜しいと思っていることもある。それは…

Home School Survival Pack!

って、なあんだ?

家から歩いて5分もかからない近さのワインバー、以前一度だけ行ったことがあったのだけど、子ども連れでドタバタして落ち着かず、ぜんっぜん味わえなかった。その店が、ロックダウンを機に新しく始めたお持ち帰りディナーセット、それがホームスクールサバイバルパック!選べるメインディッシュ3品と選べるキッズメニュー2品と選べるデザート2品と選べるカクテル2杯と選べる(しつこい?笑)ビール2本のセット。

前に店舗に行った時には知らなかったのだけど、なかなか評判の店のようで、どの料理も複雑な味で、食べただけじゃ調理法や食材がわからない。味は抜群にいい!

そして、このディナーセットの名前が「Home School Survival Pack!」。いいでしょう?

これを命名した人は、きっと子どもがいるんだな。ホームスクールが誰にとってサバイバルなのか、ホームスクールを乗り切るのにご褒美(美味しいお酒とお酒に合う料理。笑)が必要なのは親の方ってこと、よくわかってる。

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ロックダウンでレストランもカフェもバーも、店舗営業が禁じられているけど、この間に持ち帰りメニューに磨きがかかりました。以前だと、何かのフェスティバルとかイベント会場のフードトラックでの営業がメインだった店とのコラボ企画をやっている店も。

子どもがいるから家での食事の方がラクチン!と、せっかくのオーストラリア暮らしだけど飲み歩くことは、すっかり諦めていた私にとって、持ち帰りメニューの充実で色々な店の味が楽しめるようになったことはうれしい。

といっても、この盛り上がりは、居住者の多い地区に限られてることは想像できる。メルボルンの街のど真ん中は、店もオフィスも閉じて、静まり返っていることだろう。「うれしい」と一言で表現するには複雑な気持ち。

ああ、でも!

「今夜はサバイバルパックにしてね」

だって、第1波と第2波の間、ロックダウンが解除されていた時、あの店はお持ち帰りを止めて、店舗営業だけに戻っちゃったんだもん。そうなる前にぜひ!

苫小牧市美術博物館の広報紙『びとこま』の最新号を是非、見てください!

『メルボルンるんだより』※1 で紹介したのはドイツのGütermannの糸です。『びとこま』では白黒イラストで上手く伝えられなかったけれど、キラッキラでしょう?

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初めて目にしたとき「おおっ!こんなん日本にはないぞ!外国っぽい!」と思ったけど、そうではなかった!

ナゼか…は『びとこま』を読んでね。

『びとこま』は子ども記者たちが中心になって作っていて、子どもにも大人にも楽しめる記事が盛りだくさんです。夫の転勤でメルボルンで生活するようになって、もう4年。異国で暮らすと驚くこと知らないことばかり。日常のささやかな発見や驚きを紹介しながら、読んだ人がふだん当たり前と思ってることに「あれ?この当たり前は本当に当たり前かな?」と「?」をもつような「メルボルンるんだより」にしたいと思っています。

※1 『メルボルンるんだより』=びとこま創刊に携わった小河が、苫小牧からオーストラリアに引っ越した後も現地から寄せているコラム。

#新型コロナウイルス #オーストラリア #メルボルン #ロックダウン #アート #教育 #苫小牧 #びとこま


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