そうちゃんの夢を叶えた図書カード
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娘の家の玄関を入った正面に、立派な額に入れた絵が飾られています。
昨年、１年生の夏休みにそうちゃんが描いた絵です。
そうちゃんがかいた絵と読書感想文、どちらも入選しました。１年生にして早くも２冠を取ったそうちゃん。両方賞状をもらい、絵の方は副賞として3,000円分の図書カードももらいました。
下絵を細かく描きすぎて、何日も根を詰めて絵の具やクレヨンで仕上げなければならなくなって、そうちゃんは途中で何度もくじけそうになっていました。
私は諦めてほしくない、がんばる気持ちを持たせたい、そう思ってちょっと厳しく「そうちゃんは、夏休みが終わって家に帰ってから仕上げる方がいい？」と聞きました。
するとそうちゃんは「描きたい！」って、ちょっと涙目になって言いました。
厳しかったかも知れませんが、楽しい夏休みには課題があることも覚えてほしかったので、合計３日半かけて私も少し手伝いながら、やっとの思いで仕上げました。
絵と読書感想文は指定された登校日に、その他の課題は２学期の始業の日に担任の先生に提出することになっていました。ちゃんと提出することはあたりまえのことだけど半年前まで幼稚園児だったそうちゃんにとっては、今までにないくらいがんばった経験だったと思います。
筒に入った賞状を持ち帰ってママに見せたときは誇らしかったことでしょう。筒に入った賞状なんて、幼稚園の修了証書以来です。
そして何より嬉しかったのは、3,000円分の図書カードをもらったことだったみたいです😊
図書カードの意味がわからないそうちゃんは、ママに「これは何？」と聞いたそうです。
娘が「このカードで好きな本が買えるんよ」って説明したら、そうちゃんは、「ほなお金と一緒やな！やったー！」って大喜びしたみたいでした。
欲しいものはママがネットで買ってくれたり、お店へ行っておばあちゃんが買ってくれたりします。
今回の図書カードのように、自分ががんばることで家族以外の人からお金として使えるものをもらった経験がなかったそうちゃんにとって、この図書カードはどんなに嬉しいものだったかなと思います。
ママに、カードは自分が買いたい本を買うから大切に置いといてって言ったそうです。
５月にうちへ泊りに来たとき、おもちゃ屋さんと本屋さんへ行きたいと言うので一緒に行きました。子どもの日のプレゼントだから何でも買っていいよと言うと、おもちゃ屋さんでトミカを、本屋さんでドラえもんの本などを買いました。
最後まで手に持っていた『もののしくみ図鑑』の本は「やっぱり今はいい」と棚に返しました。
私としては買ってあげたかったのですが、この時そうちゃんは図書カードで『自分で』買いたかったのだとあとになって分かりました。
６月に入って土日にまた泊まりに来たそうちゃんは、「ばあちゃん、図書カード持って来たけん、本屋さんへ連れて行って」と言いました。
本屋さんへ行き、あの時の『もののしくみ図鑑』を嬉しそうに手に取り、「ばあちゃん、この本、そうちゃんの図書カードで買える？」って聞きます。
自分の力で手に入れました😊
もちろん買えるよ！
本を買ったあといくら残るかも教えました。本屋さんの入り口にもトミカのケースが並んでいます。立ち止まったそうちゃんは、「ばあちゃん、トミカは図書カードでは買えんよな？」と聞くので「図書カードで買えんかったらばあちゃんがお金で買ってあげるよ」と言うと安心して、欲しいトミカも１つ買いました。
レジで尋ねてみると、トミカも図書カードで買えました。そうちゃんも嬉しそうです。カードには327円残りました。
次の日そうちゃんを家へ送って行ったとき、真っ先にママに『もののしくみの図鑑』を見せながら、「ママ、そうちゃんが欲しかった本、図書カードで買ったよ！トミカも１個買えて、まだお金少し残ったんよ！」って言いました。
５月に来た時、本当はこの本がほしかったけど、自分の図書カードで買うって心に決めていたのでしょう。ほしい本を『自分が稼いだお金で』買おうと思った夢が叶いました。
娘が「そうちゃんが、今年も絵描くって言ってるんよ」って言います。
今年の夏休み、また絵を描いても１年生の時みたいに入選するかどうかは分かりません。入選したらがんばればいいことがあるって思える経験ができます。
でも選ばれなかったら、がんばってもうまくいかないこともあるってことを知ることができます。
私はどちらでもいいと思います。大切なのは目標に向かってがんばることや、たとえうまくいかなくても諦めずにまたがんばろう！って思える経験をたくさんすることです。
そうちゃんにしなくてもいい苦労までさせたくはないです。でもがんばってもうまくいかない時もあるし、世の中にはがんばってもうまくいかない人もいることを知ってほしいと思います。
自分が努力してもらった図書カードで、ほしかった本を買う夢を叶えたそうちゃん。心の成長にとてもプラスになる経験だったと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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