見出し画像

カスタマーサクセスとして真に意味がある支援プログラムをつくるための3つのポイント

2022年1月からHERPにジョインしているtaroです。入社してCS(カスタマーサクセス)として働き10ヶ月になります。
前職ではマーケティング領域でコンサルティングを経験していたこともあり、CSとしてより顧客への提供価値を高める取り組みに直近半年取り組んできました。具体的には、ハイタッチ支援の新規価値創出 および CS組織として活用できるプログラムへの仕組み化 です。

HERPではポジションに関わらず、全員がサービスを「回す」のではなく「創る」(サービス価値向上) に向き合うカルチャーが強く、私以外を含め各メンバーが注力テーマを担ってサービス開発を推進しています。

取り組みを進めていく中で、新しい価値をn=1で生み出す難しさと、さらにそれを仕組み化してスケールさせる難しさに頭を悩ませる日々でした。その時のツイートに結構反響をいただけたので、今回HERPで取り組んだことと、そこから得た学びについて記事に書いてみようと思います。

HERPでの「採用成果創出」という価値の設計

実際にどのような状況下で、どんな意図を持ってサービス価値のアップデートを進めてきたのかを、ご紹介したいと思います。

前提①:HERP Hireの提供価値について

HERPは採用管理システムの「HERP Hire」を提供しています。数十〜数百もの応募や選考の管理、施策PDCAを回すためのデータ分析など、煩雑な採用業務の効率化を目的として採用担当者の方に導入いただいています。
さらにHERPのユニークな特徴として、「業務の効率化」の先にある「採用活動の質の改善」に向けて、現場社員を巻き込んだ採用(スクラム採用)を定着させ、成果創出を生み出す役割を果たせることを目指しています。

より具体的に言うと、現場社員を巻き込む形で「母集団増加(リファラル採用)」「ジャッジ(面接での見極め)」「アトラクト(面談での魅力づけ)」を推進することが採用成果に繋がりやすいと考えています。

HERPはこのような思想でプロダクト提供を行っている中で、CSのハイタッチ支援を掛け合わせることで、ユーザー企業様の採用成果創出により貢献できるのではないか、と考えました。

前提②:当時の事業イシューとしての背景

また、当時はチャーンレートの改善が全社的な事業イシューとなっており、チャーン要因の内訳を定量データで見ると、「機能不足」や「採用規模縮小」などの要因が多くを占めていました。
一方で、定性分析のためCSチームで定期的に実施している「解約振り返り」からは、「信頼関係不足」という異なる要因が見えてきました。

■解約振り返りとは
当月に解約が確定した案件について、担当CSが発注〜解約までの一連のプロセスを書き起こし、全CSメンバーと共に「どのタイミングで・何ができていれば、同じ状況のユーザー企業様から価値を感じ更新の意思決定をしていただけるか?」を言語化し、チームで学びを蓄積していく仕組み

解約振り返りのアジェンダ。進め方やルール自体も毎回振り返り、常に改善を行っています。

この振り返りの中で見えてきたのが、以下のような解約パターンでした。

  • 解約理由は「機能不足」だったが、実は運用次第で解消できる問題が起因しており、HERPが運用提案をする前に解約が決まってしまっていた

  • 運用上の問題の発生時点で、「HERPに相談すれば解決してもらえそう」と思ってもらえるような信頼関係の構築ができていなかった

そこで、これらの背景を踏まえ「採用成果支援プロジェクト」として、以下の2つの達成を目指すプロジェクトがスタートしました。

  1. オンボーディングで提供する業務効率化に加え、「採用活動の質の改善」の領域で、CSとしてユーザー企業様への提供価値を高めること

  2. 結果として、採用方針や課題についてユーザー企業様から頼ってもらえる関係を築き、水面下でチャーンが進行する状態を防ぐこと

具体的にどう進めたか

採用成果創出に向けたフローと課題をブレスト
まずは、ユーザー企業様が採用フローの各フェーズでどんな課題をかかえているのか、そしてHERPとしてどんな支援をできることが理想的なのか、全体像を把握することから始めました。
この過程ではMiroをつかって、実際に現場で支援を行っているCS歴の長いメンバーと一緒にブレストをしていきました。

採用フローの課題とHERPの支援を可視化したMiroの一部

採用成果創出における「キー体験」の定義
上記のブレストで理想の採用ステップとして洗い出した要素の中から、採用成果を生む中で特に重要なキー体験を絞り込みました。
キー体験の定義にあたっては、ブレストした要素の因果関係の整理や、有識者(社内外で当事者としてスクラム採用を推進されている採用担当者の方)へのヒアリングを実施しました。

キー体験の整理。各体験の価値や具体的なアウトプットイメージを整理しました。

採用成果創出に向けた全体像の定義
最終的に定義された全体像は以下の画像の通りになりました。

成果に対する改善インパクトの観点から、内定承諾に近い歩留まりから改善に取り組むことが重要であると言う示唆を得ました。その上で「選考辞退率改善」や「人材要件/選考基準の統一」を重要な体験と位置づけ、ユーザー企業様向けの支援プログラムを形にしてきました。

顧客への試験提供と作り込み
最初は5-10社程度のユーザー企業様に試験提供を実施し、頂いたフィードバックを踏まえて改善を回し、n=1で確実に必要とされるコンテンツの作り込みに努めました。

実際に雛形の提供のお打ち合わせで使用した資料です。

コンテンツのクオリティが十分に価値を届けられるようになってからは、既存のプロセスへ組み込み、より多くのユーザー企業様へ価値を提供できるようなCSチームの体制づくりを進めました。

ユーザー企業様のお声

実際にご支援を提供したユーザー企業様からは、以下のようなお声をいただいています。

■HERPからご提供した支援
今後の採用方針・課題に合わせて、以下の支援をご案内
・オファー承諾率の向上:「オファーレター」の雛形・運用事例
・選考評価基準の統一:「評価フォーム」の雛形・運用事例
・人材要件の策定:「求人票事例データベース」の提供

■ご支援に対していただいたコメント
本日はありがとうございました!
誇張じゃなく私の今期のOKRの9割は今日いただいたお話で方向性が見えました!w

このように、プロダクトの活用を通して価値を実感いただくことに加えて、採用成果創出に関する新しい発見や気づきがあったと言っていただけることは、HERPとして非常に嬉しいことだなと思います。またよりアップデートを積み重ねてユーザー企業様と強固な信頼関係を築いて行ったり、競合優位性のあるサービスを作り上げていくことには、大きな意義があると感じます。

取り組みを通じて

今回、SaaSのCSでハイタッチ支援の価値創出の一連のプロセスをまとめてきましたが、取り組みを振り返ってみて重要だったなと思うポイントがいくつかありました。

1.イシュー設定の半分以上は検証フェーズで磨き上げていく
SaaSのハイタッチ支援では「何をイシューに設定するか?」が特に重要だと思っています。単に提供価値を高められれば良いという訳ではなく、提供コストを踏まえユーザーにとっても自社にとっても意味のある課題設定をしなければ、かえってリソースに見合わない悪手となってしまうためです。
ただ実際のところ、1発の設計で確定するものではなく、イシュー仮説からアウトプットやデリバリのイメージを具体的に落とし込んでみては、あらゆる視点から「何の価値がある取り組みなのか?」「本当に効用が生まれるのか?」を反芻することが重要だと思います。

■イシュー設定を見直す問いかけの例
・ユーザー体験観点だとどんな価値のある取り組みなのか?
・自社の事業インパクト観点だとどんな価値のある取り組みなのか?
・創出できるインパクトについて、定量データの裏付けがあるのか?
・この因子に働きかけると、定性分析で整理した因果関係に照らして上手くワークするのか?

2.新規価値創出フェーズでは、n=1の満足に集中する
どうしてもスケールを見据えると、複数のユーザーの共通項を取ろうと一般化した課題やソリューションを考えていましたが、上手く価値がフィットするプロセスはむしろ逆だなと実感しました。
目の前で試験提供をさせていただいている1社に対して、何をどのように提供すれば価値を感じてもらえるか?を考えて、まずはとことん満足いただけるまで作り込んでみることが大事だと思います。
そのユーザー固有で再現性がないと思われる背景や状況も込みで、一旦は過剰な提供工数になっても良いのでしっかり価値が届きそうなソリューションを作り込んでみる、というプロセスをあえて辿ってみることで、実は他のユーザーにも共通する課題感が浮かび上がってきた、というケースが多々ありました。
まずは具体的で輪郭がはっきりとした価値をとことん作り込んでみる、そこで成功事例が作れたら少し抽象度を上げて要点の輪郭を整形したり削ったりしていく、という順序の方が芯を食った価値を掘り当てやすいように振り返って感じます。

3.仕組み化フェーズでは、「成功事例」のシェアが有効
いよいよ提供価値をチームで活用できるアセットに落とし込んでいくフェーズになり、CSチームのメンバー向けに説明会を開いてアウトプットやトークスクリプトの共有を行いました。ただ実際に提供が始まってみると、上手くユーザーの困りにフィットした提案ができないという声を多く受けました。
ここで感じたのが、「こんなユーザーに対して、こういうストーリーで提案したら価値を感じてもらえました!」という成功事例シェアの重要性です。提供価値やトークスクリプトをいかに言語化しても、実際にどんな流れで提案すれば価値を届けられるのか、という立体的なイメージを伝えるのはなかなか難しいです。
今回、実際に提案を行ったメンバーが、PJTのチャンネルで事例を共有してくれたことで、このような立体的なイメージの浸透がチームで進んで行くような感覚を持ちました(ただ、ここはまだやり切れていないところなので、これから更に推進して行きたいと思っています!)。

HERPではサービス価値向上に向き合う仲間を募集中です!

HERPはCSチームに限らず、全てのメンバーが仕組みを「回す」のではなく「創る」というサービス価値向上に向けて自律的に動くことを大切にしている組織です。

各メンバーがさまざまな形でサービス価値向上に向けてバリューを発揮している中で、CSとしてユーザーに価値提供できる環境はとても刺激的です。ぜひスタートアップでサービス価値を高める仕事がしたいという方は、HERPで一緒にお仕事できると嬉しいなと思っています!
とはいえいきなり応募はハードルが高いと感じる方は、よかったらカジュアルにお話をさせてください。
お話の機会をいただけるのをお待ちしています〜!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?