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実践3:リーダーのキャパ問題の解決へ

実践記事の第三弾。
「トップは聞く耳を持っている」けど、「コアメンバーが遠慮しがち」で、「コアの間で、”リーダーのキャパ問題”が認識不十分」な段階。
それを『沈黙でワントップ』段階と名付けました(詳細こちら)

~ 前提のイメージ ~
 ■非営利の、政治・社会運動で
 ■ちゃんと関わるメンバーが2~50人 (月2回以上の参加者)
 うち、コアメンバーは2~6人(リーダー含む)
 ■基本、メンバーはボランティア


【コアメンバーの根回し。】

コアメンバー(あなたも、そのうちの一人)はお互いに素直に話せて、たまには飲みに行くような余裕があるか? それとも、「やることが終わったら全く会話もせず即帰る」的な余裕のなさ、なのか?

■コアメンバーがリーダーのいる会議・意思決定に遠慮がちで
■コアの間で、”リーダーのキャパ問題”が認識不十分
 を改善する第一歩は、やはり「個別の対話」だよね。

コアの一人であるあなたが他のコアに「飲みにいきませんか?」「団体のことで話したいことがあって」と声をかけて、親しいコアメンバーと対話する。これがスタートですよね。

そこで
【1:現状の課題と、その原因について意見交換】
「今の団体の課題は”リーダーのキャパがないことで、どんずまりになっている”と思うが、どうだろう?」意見交換してみる。
 ポイントは「大きな原因か否か?」「一定の効果があるか?」であって、「それが解決すれば全てが良くなる」必要はないし、「他にも理由がある」のも、当然。
「0点から100点にする」じゃなく「30点を1つの対策だけで50点にする」的な発想でOK。
 (別途、必要条件と充分条件も記事を書いたらリンクxxxx)

 大きな原因が違うところにあったり、”リーダーのキャパが大きな問題ではない”ということであれば、その別の課題について話せばいいですね。

 ともかく、人数や関係、緊急度に応じて事前の根回しをどこまでやるか?それぞれ。「一番親しいコアスタッフとオンラインチャットで問題意識を確認するだけ」で、会議で問題提起・議論するケースもあるだろうし、「なるべく多くのコアと話し合いを重ねてから」…色々とあるでしょうね。

要は『コアメンバーに事前の根回し』ですね。

<コアメンバーみんなに余裕がない場合>
事前に二人でじっくり”問題意識の共有”や”解決策の認識合わせ”がなかなか出来ない…。
 その場合は、リーダーやコアが出るミーティングで「議題として取り上げる」前にしっかりした根回しが難しい。 
それでも、コアの最低1~2名に「10分ちょっと相談が。」って伝えて
 ■会議で”リーダーのキャパ問題”について話したいが、どう思うか?
 ■解決策は”リーダーの担当を他の人に分担する”しかない。
そして
 ■まずは自分が担当できる部分は担当する覚悟があることetc
 事前に共有・意見交換しておくとよいですね。

【根回しの前にやる準備。】


コアメンバーみんなが余裕ない場合は特に
コアの誰もが「自分が新たに業務を引き受けるのは嫌」と感じるよね。
だって「みんな忙しくて余裕がない」んだから。
 玉突き事故みたいなもので「コア全員が余裕ない ⇒ リーダーのキャパが問題だと共有・それを解決すべきだと分かっても、本音は、誰も”自分の仕事を増やしたくない” ⇒ 話しても、前向きにならない…」可能性が高い。

だから
 ■コアの負担軽減・今の担当業務をどうやったら楽に出来るか? 
 解決案をまず考えておくとベター。

で、そのためには
【0:自分に余裕を作る】

まず
自分の余裕を作る方法を
 具体的に考える。

 ①手抜きしてよい業務は?
 ②業務によって、納期遅れが可能か?交渉できるものを考えてみる
 ③自分のタスクを、機械化・外注化できないか?
 ④自分のタスクを、一緒に活動する(コアじゃない他の)
       メンバーに振れるか? etc

④は本質的にとても大事なので
・できれば一緒に活動する(コアじゃない)メンバーにも「現状の問題点、解決策は?自分は何ができるか?」など個別の対話ができると良いですね。

 「トップからの権限移譲は、自分の権限移譲から」。
 一緒に活動する仲間の理解と協力、そのためには普段からの丁寧な対話・関係づくりが大事ですね。
 ■自分に余裕が生まれれば、自分が業務を引き取れる覚悟が生まれ
 ■チーム内での権限移譲・キャパ増が出来れば、
  会議でも自信をもって話ができるハズ…

【会議で問題提起、10日以内に結論を】

【2:会議で承認&具体的なアクションへ。】
リーダーやコアスタッフが出る会議にて問題提起をし「リーダーの業務を一部他の人に移す」組織決定をする。

ポイントは
■「リーダーの業務一部を減らす」一般論・方向性は決定までもってゆく。

総論と各論の切り分け。
これ大事。

議論の中で「言ってることは分かるけど、具体的には難しいよね…」
「総論賛成、各論反対・紛糾」となっても
とにかく【総論賛成】は言質を取る。

■具体的に「どのプロジェクト」「どの業務プロセス」「どのお客さん」…決まらなかった場合、「具体的なアイデアは10日以内に一定の結論を出す」ようにすること。
『根本的なワントップ体制の改革!』と肩ひじをはらない
「簡単で」「すぐ出来ること」「具体的なこと」からはじめたらよい。

「いままでワントップだった組織で権限移譲を始める」のは大変化。
だからこそ、気楽な小さいことからサクッと始めるのが重要。

■各論で「トップの業務の何を切り分けるか?」となった時には
色んな視点がある。
・プロジェクト単位 ・・・プロジェクト丸ごとは難しいか?…
・業務プロセス単位 ・・・作業ベースのものは無いか?
・クライアント単位(対外の新規~古参クライアント、対組織内業務)、
 時間や場所単位
そして、主観的な感覚(重要性や得意不得意など)などなど

【切り分け業務を選ぶフレーム(1)】

まず2つのフレームを紹介。

<R>フレーム
「大きく重要」-「小さく・重要じゃない」の軸と
切り分け「しやすい」ー「しにくい」軸で4象限作って
1=重要でなく、切り分けしやすい業務=最優先で、議論不要で。
2=重要だけど、切り分けしやすい業務=可能性高い・要議論
3=重要でないけど、切り分けしにくい=可能性あり・要議論
4=重要で、切り分けしにくい業務=対象外、これも議論不要。
 まず、これで「1=確定」、「2,3=要議論」と絞られる。

*多分、重要なお客さんとの業務や新規営業的な業務は上の方にきて、団体内の雑務などは下にくるハズ。

次に<T>フレーム
「大きく重要」-「小さく・重要じゃない」の軸と
業務そのものが「易しい」ー「難しい」軸の4象限。

要は、最初のフレーム<R>で要議論となった
「重要だけど、切り分けしやすい業務」と「重要でないけど、切り分けしにくい業務」の中で、業務そのものが易しいのはどれか?っていう視点。

上記の検討を経た結果:
重要でなく、切り分けしやすい業務
重要だけど、「業務自体が簡単で切り分けしやすい」もの
切り分けしにくいけれど、「重要でなく業務自体が簡単」が選ばれる
 訳ですね。

その他のフレームや、具体的な会議の進め方…は次回以降で。

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