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建築学科卒の落ちこぼれニートがもう一度進路について考えてみた

こんにちは

今まで建築設計事務所の実態について書かれたブログやツイートなどはいくつか拝見したことはある。けれど、やっぱり、設計の道に進んだ人って優秀でプライドも高い人が多いのか、”ダサい”や”カッコ悪い”情報が少ない気がする。この記事はそんな記事。

自分は建築学科卒で絶賛ニート中の23歳男。転職活動中。今更ながら、建築学科卒ということにがんじがらめになり、「設計」の進路にへばりついていた自分を開放してみようと思い、noteに記事を書くことにした。今までとは違う”就活”をして”結果”を掴むために。

■建築設計事務所やインテリアデザイン事務所を実質クビになった

大学の建築学科にはなぜか、設計の道に進まないと何かと申し訳ない気持ちになる変な空気が存在していることは確かだと思う。(もちろん自分で道を切り開いたり計画的に就活をする人もいるのも確か)自分も流されたつもりはないけれど、やっぱり少し流されたのかプライドもあったのか。まずは修行だ!と思い設計の道へ進んだ。

しかし何社も何社も渡り歩いたが、うまくいかなかった。問題点はわかっていた。自分にも会社にも原因はあった。

・右も左もわからないまま任せられる大きな物件

・関わる人の多さ

・毎日終電と休日出勤

・報告、連絡、相談が十分にできていなかった

・したたかにうまくこなす同期

・優先順位がめちゃくちゃに

・社員の前で毎度怒られる

・予定通り作業が終わらない

・相手に話がうまく伝わらない

etc...

訳が分からなかった。落ち着いてやればできることもだんだんできなくなっていった。山積みの問題点。甘いといえば甘いのだろう。それもわかっていた。一つ一つ解決する努力はしていたが、求められていた習得スピードには間に合わなかった。

設計向いてないのかな、、、はたまた社会人向いていないのかな。。。ADHDなんだろうな、、、そんなことを毎日考える日々だった。毎朝持ち前の立ち直りの速さで明るく出社するも帰宅時にはマイナスの値までぶっちぎるメンタル。あれ思ったより自分メンタルやられている?。。。会社の人も目を合わせて話してくれなくなるまで事態は悪化していた。普通のことが普通にできなくなっていたのだ。

ーそしてついに会社を辞めた。

仕事が嫌いな訳ではなかった。むしろ楽しかった。会社の人が嫌いな訳でもなかった。なんなら会社の人にも可愛がられていた方だ。事態を解決できないことがとにかく苦しかった。期待してくれた上司に答えられないのも苦しかった。何よりもお施主さんがいいひとで。最後までプロジェクトに関われないのが何よりも辛かった。

■優秀”じゃなかった”建築学生の進路とは?

こんなタイトルの本や記事なんてなかなか見ないだろう。そりゃそうだ。優秀じゃない学生に人権なんてn(ry

なんてことはない!!!

仕事を辞め、自分は落ち着いて振り返り考えることにした。時は学生時代の話に遡る。建築学科では設計を中心に学ぶ。設計課題が年にいくつか出され、上位何名かは表彰されたり、ゲストの有名な建築家にコメントをもらったりもできる。とても良いシステムではあると思う。いわゆるスターシステムだ。このことが目標になるし、うまくいけばうまくいくほどモチベーションも上がるし自信もつく。

しかし!

選ばれないことが続いた建築学生はある時気づく。あれ?選ばれてる人、大体同じやな。。。自分と何が違うんだろう。そう、確かに何かが違った。焦る、焦る、焦る、焦る。どんどん自信を失う。自肯定感が低くなる。誤解されたくないのが、自分で言うのもなんだが、”真面目”に建築を学んでいたが優秀な学生になれなかった。在学時にさまざまな設計事務所にアルバイトなどにもいったし、建築を見に行ったし、本も読んだ。友人と議論もしたし、時には評価された課題もあった。しかし何かが根本的に違った。

”情熱”とかではなくズバリ、”時間の使い方”が違ったのだろう。

今思えば”建築設計を学ぶこと”が目的になっており、”建築を手段にして課題を解決すること”の意識ができていなかったのだと思う。ここであることに気づく。

こんな言い方悪いけど、絶対自分より設計に真面目じゃなかった人が面白いところに就職してるし、なんか楽しそうじゃん・・・

そう。設計のみちでうまく進んでいる人、設計に真面目ではなかったけどうまく利用して他の道に生かしている人。全く別の道に進んだ人。どちらも時間の使い方が上手かったのだろう。正直だったのだろう。カッコつけて設計にこだわりニートの自分。

果たして自分のやってきたことは無駄だったのか。

そんなことはないはずである。さまざまな設計事務所に飛び込んだし、社会人としてのありとあらゆる失敗もした。問題点も見つかったし解決策も少しずつ見えてきている。肩の力を抜こう。

時は満ちた。

”建築を利用して自分らしく生きよう”と。

そこで”設計”にがんじがらめになっていた自分は頭をフリーにして仕事を知るべく、こんな本を読んだ。饗庭伸さん、小泉瑛一さん、山崎亮さん編著の「まちづくりの仕事ガイドブック」


建築の分野の中でも”まちづくり”に興味があったこと、そして魅力的な表紙に魅せられて思わず即購入した。挿絵は寺田晶子さん。(筆者は地図が昔から大好きなので俗にいうジャケ買いをかました)

この本ではまちづくりに関わる63の仕事が5つのカテゴリーに分けて紹介されている。”まちづくり”という曖昧な概念が各々の仕事によって異なる捉えられ方をされていたり、色々な方向から語られているところが面白い。また、自分のように己の能力や建築業界の仕事や働き方に悩みや疑問を抱きながら”まちづくり”を仕事にするに至ったストーリーが読める。勇気と次への一歩へのヒントをもらえる。読んでいて、これさえあれば絶対いけるんだな!と思ったことは、

行動すること、続けること、恐れないこと。

そしてもう一つ大事なのが、急がなくてもいいこと。

自分はたくさんこの本に元気をもらい、ゆっくり歩き出した。ちなみに自分は好きだけど働く環境の悪い建築設計業界を横か斜めから変えていける存在になりたいと思っている。(不動産ベンチャーかメディアか。。。)今後の動向はまた書いていこうと思う。


プライドなんてものはズタズタに切り裂いてこのnoteを書いた。でも唯一自分にとって救いなことは建築が嫌いになっていないこと、そして自分自身に希望を失っていないこと。そして人を嫌いになっていないこと。それだけで、明日への切符は手に入れているのだと思ってなんとか今進んでいる。

こんな記事を書いたことも笑い話になるように、備忘録的に、戒めに、ここに書き残した。もし自分のように路頭に迷った元建築学生や進路に悩むニートの方が見てくれたら、少し嬉しい。


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