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#2 ストレスっていったい何? ストレスが分析できるようになる2つのこと

この記事の対象の方

・ストレスの意味や種類を知りたい方
・ストレスがたまってる方
・ストレスが何かわからない方

お悩み・ニーズ

・自分のストレスを分析したい
・自分のストレスを理解できない
・ストレスの種類が分からない

ストレスを分析するためには

ストレスを「ストレッサー」と「ストレス反応」の2つに分けられるようになることです。
ストレスマネジメントの入り口に立つことができます。

便利な言葉

みなさんは、ストレスを見たことがありますか?

私たちは、バイトで嫌な人とシフトが一緒だと、「今日のバイト、すごいストレスなんですけど」といいます。
また、ちょっと疲労感や肩こりを感じたときには「ストレスが溜まってる」といいます。

そのようにいうと、周りの人たちはすぐに理解してくれて、「たいへんやなぁ」とねぎらってくれます。しんどいことに対してストレスだといえば、みんな納得してくれます。
とても便利な言葉です。

どこでも使える便利な言葉なのですが、一方で何を指すかあいまいで実体がないものだ、と数多くのストレスの研究者が指摘しています。
実体がないので、どこを探しても目で見ることはできないのです。

しかし、多くの研究者の中で一致していることがあります。
「ストレス」は、大きく2つに分けられるということです。

この2つを知るだけでも、自分のストレスを分析できるようになります。それでは、その2つをご説明しましょう。

ひとつめ:ストレッサーとは

ストレスはストレッサーです。
はじめて聞いた言葉かもしれません。レッサーってレッサーパンダ?申し訳ございません。そうではありません。

ストレッサーとは、ストレスの原因を指す言葉です。

先ほどのバイトのシフトの例がストレッサーになります。「嫌な人」がストレスの原因になっています。嫌な人があなたにストレスという刺激を与えているわけです。

このように、ストレスと感じる「ひと」や「もの」、「できごと」などの刺激を「ストレッサー」と呼びます。

ストレッサーを減らすことができれば、ストレスから解放されることになります。ただ、単純に減らすことができないのが、ストレスのやっかいなところです。嫌な人を避けるのも限界があります。

旦那がストレス、子どもがストレス、上司がストレス…といっても目の前にいる状況を変えることはできませんね。

現在、新型コロナウイルスの感染防止のために非常事態宣言が全国に発出されています。

外出自粛がストレスと言っても、それをストレスと安易に呼んでよいか、難しいです。

臨床的に問題になる専門的に対応しなければならないストレッサーもあります。

たとえば「トラウマ(心的外傷)」です。
具体的にいうと、いじめ、虐待、差別、暴力、災害、事件・事故、大切な人を失うなどによって、自分の存在が失われそうになるほどの劣悪なできごとを体験することによって、こころの傷を負う状態です。

また対応の難しいストレッサーの一つとして、自分の内側にあるストレッサーがあります。

たとえば、劣等感(コンプレックス)です。
劣等感とは人より自分が劣っているという感覚です。

「劣等感」が強いことがストレスとなり、何をしていても自信が持てないなど、生活全般で生きづらい思いをすることになります。

自分がどのようなストレッサーを感じているのかを日常生活の中で探して突き止めていき、それに合わせた対処法を身につけることで、ストレスを減らすことができるようになります。

ふたつめ:ストレス反応とは

人は「刺激」を与えられると、人は何かしら「反応」します。

人は、ストレスの原因に対応するために、からだとこころが準備状態になります。この反応は生理学的ストレス理論(セリエ)と呼ばれています。
なお、この生理的ストレス理論を発見したセリエは、ノーベル医学賞を受賞しています…!ストレスの解明は、それほど画期的な発見だったわけです。

あなたのいる部屋に、突然ライオンが入ってきました。
さて、あなたはどのように行動しますか?

突然の問いかけでしたが、おそらくあなたは「逃げる」か「戦う」か「固まってしまう」のいずれかの行動をするのではないでしょうか。

この行動は「闘争ー逃走反応(キャノン)」と呼ばれるストレスに対抗するために行われる私たちの行動を表したものです。この、闘争ー逃走反応では、身体は以下のように変化します。

・心拍数の増加
・瞳孔が開く
・血流の増大
・呼吸が早くなる
・血圧が上がる   など

これらの反応は、ストレスを乗り越えようとするときに生じます。
想像できますね。ライオンと戦うために、活性化する素晴らしい身体の機能なのです。

しかし、私たちが生きる現代社会。
ストレスまみれではないですか?
私たちはストレスまみれの中で、この状態がひっきりなしに続くのです。
隣にいつもライオンがいるのです。

「闘争ー闘争反応」が長く続くことによって、わたしたちは消耗してしまいます。この状態が続くこと(慢性化する)によってストレス反応自体がストレスとなるのです。これらプロセスをセリエは汎適応症候群といい3つの時期に分けました。

・警告反応期:ストレスに対抗するために急激に身体が反応する
(ショック期:一時的に抵抗力が弱まる/反ショック期:一時的に強まる)
・抵抗期:ストレスにバランスよく向き合える状態
・疲弊(ひへい)期:ストレッサーが解消せず身体が疲労する

さらにこの状態が悪化すると、ストレス関連性疾患と呼ばれる病気まで発展して、最悪、死亡してしまうのです…。ストレス、恐ろしい。。。

先ほどの例「疲労感」や「イライラ」は、ストレスに対抗するために身体が活性化し続けた結果、疲労してしまった「からだとこころの反応」なのです。

私たちはこのストレス反応も単純に「ストレス」と呼んでいます。この「ストレス反応」は、上記のように大きく2つに分けられるのですが、具体的にいうと以下のようになります。

・身体的反応(例:頭痛、腹痛、疲労感、眠気、吐き気、めまい、脱力、チックなど)
・情緒的反応(例:イライラ、抑うつ、不安、焦り、無力感、絶望感、死にたいなど)

(心理学では、一般的に「感情」は一時的なものと考えられていて、「情緒」は比較的持続されるものとわけて考えます)

このストレス反応は、その人それぞれのクセがあるので、いつも似た症状で悩まされる傾向があります。私の場合は、慢性的な肩こりがよりひどくなったり、胃が痛くなります。

このように、自分のストレス反応を知ることで、自分にストレスが溜まっていることに気づくことができるようになります。

ストレスを2つに分けて自分のストレスを分析する

ストレスはとても便利な言葉なのですが、逆に何を指すか分かりにくいものになっていました。
ストレスを2つに分けることができれば、あなたはストレスに上手に向き合うことができる「ストレスマネジメント」の入り口に立ったことになると思います。

まず自分が感じているストレッサーやストレス反応を日常生活から振り返って探してみましょう。

このストレッサーやストレス反応を発見するための心理テストもあります。

いつもあなたのそばにいるライオンはいませんか?
そのライオンが慢性的にあなたを苦しめているのです。

振り返るための方法として、別の記事に詳しく書きたいと思いますので、そちらも参照してくださいね。

参考文献はこちらです:こちらの文献は私も執筆しております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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