見出し画像

こころのマインドフルネス#6「瞑想する時間と場所の確保」

こころのマインドフルネス

みなさんこんにちは。公認心理師の赤田です。
いつも番組をお聞きいただき、ありがとうございます。
このポッドキャストは、心理学の専門家がさまざまな瞑想を通して、こころが軽くなるお話をしています。毎日の実践にお役立ていただければと思っています。どうぞ最後までおつきあいください。

本日のテーマは、「瞑想のための時間の確保」についてお話ししたいと思います。マインドフルネス瞑想の効果を十分に感じるために、瞑想する時間と場所をどのように確保するのか考えてみましょう。

つらい時こそ成長の瞬間

それでは、瞑想で毎日行うために、必要となる最初の心構えをお話ししたいと思います。それでは、マインドフルネス瞑想の効果を十分に感じれなくても、退屈で難しいと感じたとしても、できるだけ実践を続けることが大切です。私達は、どうしても苦手なことを避けたいと思います。プログラムで起こった自分にとって苦しいことや辛いことは、すぐに諦めに繋がりがちです。「瞑想やっても意味がない」とすぐ判断するのではなく、練習中に心が激しく動揺しても、それを「自分自身のこころの成長の瞬間」と捉えるようにして、利用しようとしてください。

達成できないことで焦る必要はない

また、瞑想そのものに対して、何か特定の目標を達成しようと思わないようにしてください。矛盾しているように感じるかもしれませんが、特定の目標を達成すると考えた時点で、達成できない状態に対してフラストレーションをためてしまう結果になります。ですので、リラックスを目標にもしないようにしてください。あくまで、心の平穏や満足はマインドフルネス瞑想の副産物であって、目標ではないと言うことです。

マインドフルネス自体を「楽しまなければならないもの」と考えないようにしてください。心地よいと感じる人が多いのは事実ですが、必ずしもそのように感じるわけではありません。そのことよりも、毎日実践することの方が重要になります。自分で行った瞑想は、自分に必ず戻ってきます。そして、そのマインドフルネスの実践によって得られたものは、あなただけのものになります。

最低8週間は毎日続けてください

このポッドキャストは、ジョン・カバッドジン博士が提案した8週間の「マインドフルネスストレス低減法」をベースに、日本人に合うように赤田が再構成している健康回復プログラムです。最低でも毎日8週間は、マインドフルネス瞑想の実践を続けてください。さらに効果を得たい人は、もっと続けていただいても構いません。

瞑想の実践は自分を大切にする時間

それでは、毎日の日常生活で、瞑想を行う時間をどのように設定すれば良いのでしょうか。第一に、瞑想を実践する時間を「自分らしくなるための時間」と認識しましょう。また、「自分自身のための時間」と考えてください。時間が取れない自分に、もし出会ったら、つまり「自分のために使う時間を十分に確保できていない」ということです。それは場合において、「自分の人生を自分自身が歩んでいない」ということを意味しています。

時間は、「見つけるもの」ではなく、「自ら作り出さなければならないもの」と考えてください。時間的な余裕があっても、自分のための時間を作ることができなければ、瞑想を実践する時間を取ることはできません。まず、自分自身が自分自身を尊重できていないその事実を受け入れましょう。別のことをすることに忙しく、その時間が埋まってしまっている場合、自分から時間を捻出するために、生活習慣全体を見直すことが必要になるかもしれません。しかし、それは「自分を大切にする実践」そのものなのです。

瞑想を実践することにより、今の人生を2倍3倍の長さにすることができます。矛盾してるように思うかもしれませんが、これは事実なのです。本当かどうか信じることができないかもしれませんが、それを確かめる実験をしているのだと思って、一度取り組んでみて下さい。

瞑想を行うための場所

瞑想を行う場所ですが、なるべく瞑想を行っている時に、誰かに邪魔をされるような環境では行わないようにしましょう。あるいは、誰かにその対応を任せることができる環境を準備しましょう。それが、どうしても難しいのであれば、日常生活で行うことができるマインドフルネス瞑想を実践していきましょう。

失敗からが最も多くを学べる

最後に、大切なお話をしておきます。プログラムを進めていく中で、うまくいかない、失敗した、というような感覚が沸き起こってくることは、自然なことであるということを知っておいてください。

どんなに頑張っても、どんなに努力しても、その感情に圧倒されることもあります。そのような状態になると、心を落ち着かせることができなかった現実に対して、落ち込んでしまったり、失望してしまうかもしれません。あるいは、マインドフルネスを行おうとすると、いつも眠気のために眠ってしまう。このような抵抗を感じることもあるでしょう。しかし、これらはすべて失敗ではありません。むしろ、あなたの心が何かしらのメッセージを送っている大切なものと理解してください。自分にとって思い描いたような成果が得られなくても、ありのままに感じていることそのものが自分にとって役に立つことであることを忘れないでください。そして、失敗した自分に対して憤りや怒りを感じるかもしれませんが、そのように自分に向き合う努力したことに対して、思いやりと優しさを持って接してあげてください。失敗からが最も多くのことを学べることを忘れないでください。あくまで、マインドフルに自分を観察する態度、これがマインドフルネス瞑想の実践になります。今まで、多くのものを無視していたことに気づくことができるようになった、ということです。

あなたを苦しめてきた感情の波はいずれ消える

そのような感情や思考が湧き上がってきたら、ただそのままにするだけでよいのです。しばらくすると、その思考は消えていきます。その湧き上がってくる思考は、「真実」でも「現実」でもありません。それはあくまであなたの「思考」にすぎないのです。その事実に気づくことによって、あなたは瞬間的に解放されることになるでしょう。これらのことが理解できた時、あなたはあなた自身が縛り付けていた思考とか感情が、急に勢いをなくし、心が落ち着いていき、あなた自身の身体を深い満足感で満たしてくれることになるでしょう。

しかし、つかの間、またあの穏やかな感情の海は、荒れ模様になり、感情の渦に巻き込まれることになることに気づくかもしれません。その時、非常に悲しい思いをするかもしれませんが、しかし、また穏やかな海はかならず戻ってきます。このマインドフルネス瞑想を実践していくと、次第に平穏な状態を長く保てることができるようになります。そして、最終的には消えていくのです。

雑念はいずれちっぽけなものに

マインドフルネス瞑想を、プログラムに沿って毎日2ヶ月間(8週間)続けていくと、いつか「なるほど」と理解できる瞬間が何度も訪れると思います。それは、とても穏やかな、心のゆったりとした気づきの瞬間になります。この気づきは、これまでの心配事やストレス不安をより大きな器に入れることを意味します。その雑念が存在していても、まるでちっぽけに感じている自分がそこいます。頭の中でどのように考えていても、自分自身という存在は、自分自身という存在の中で、完全な全体的な存在であると実感し、幸福感や満足感、自由を得ることできるようになっていることに気づくでしょう。

おわりに

こころのマインドフルネス おしまいの時間になりました。最後までお聞きいただき、ありがとうございました。マインドフルネス瞑想を実践していくために必要となる、考え方や時間や場所についてお話ししました。

この音声が役に立ったら、ぜひ高評価をいただければ嬉しいです。またチャンネル登録をしていただくと、あなたの健康づくりのお手伝いさせていただけると思います。
お相手は、公認心理師の赤田でした。つぎのポッドキャストでお会いしましょう。さようなら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?