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次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その5

1.2. ソサエティ5.0時代の建築デジタルデータ


現代は、「ソサエティ5.0」の社会へ突入していると言われる。最初の「ソサエティ1.0」が狩猟社会、次の「2.0」が農耕社会、「3.0」は工業社会、「4.0」の情報社会である。これらをかかった時間でみると、狩猟社会は人類の歴史とともに数百万年、農耕社会は縄文時代以降で数万年、工業社会は数百年、情報社会は数十年。この勢いでいけば、次の「5.0」はわずか数年。現代社会は、ものすごいスピードで成長していることがわかる。

現在のコンピューターの処理能力は、たった100年間で1900年のアナログ計算機の処理能力の3500兆倍にも高まっている。天文学的な数値だ。自動車も飛行機もそこまで発達していない。

情報革命は着実に進んでいる。2040年には、3万円程度の携帯端末でも、5千億曲の音楽が聞け、3.5億年分の新聞、3万年分の動画が端末に保存できる時代になると言われている。

このような大きな環境の変化が、不動産業界、建設業界へ大きな影響を与えている。働き方改革、オフィス革命といったことが、情報革命と結びつき、新たな働き方へとつなげていくことに期待したい。
そのためにも、建物のデジタルデータの導入が必要となっている。

図 4 ソサエティ5.0の概念(参照:https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html)

①カーボンゼロ、環境対策のためにデジタルデータが必要

地球温暖化対策が進むなかで、環境対策の大きな目玉は、カーボンゼロシティーの構築を政府が進めているが、そのためには、都市におけるCO2排出状況を正確に把握し、対応を検討する必要がある。グーグルEIEでは、世界の大都市におけるCO2排出量を建物と自動車に絞ってシミュレーションし、その対策を都市として考えるプラットフォームを提供しているが、そこでCO2排出量の推定に使っているのが、建物のデジタルデータである。建物を事業用途と住宅用途に区分し、それぞれのCO2排出量を算定している。
環境対策においても建物のデジタルデータが必要となっている。


② 不動産のIT化、AI管理、スマートビル化のためのデジタルデータが必要

Mipim NYCでも説明したように、今や不動産業はデジタル化技術の導入に最も積極的な業界へと変貌しつつある。特に、5Gと呼ばれる高速大容量通信時代になるにつれ、不動産ユーザーの要望をここに実現できる環境が整うとともに、最適な温湿度環境を提供できる技術が確立される。

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