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目があった瞬間僕から逃げるように走り去った女の子の話。

いつもの仕事帰り。
夜のエレベーターホールにいた。ランドセルを背負った女の子がいた。
いつも通り、女の子の横を通って郵便受けをチェックしにいく。

何気なくかけた「こんばんは」の声。
僕は小さなころからマンション育ちで癖づいたものでなにも考えず、挨拶をした。

女の子は僕の存在を認知するや否や、走って階段を登っていった。


わからない。僕に真相はわからないけれども、親御さんにそう言われているのか、過去の経験から判断したのかはわからないけれども、きっと

「男の人と一緒にエレベーターに乗ってはいけない」

きっとそういうことなんだと思う。
初めての経験に少し呆然としたけれども、そういう行動をとらざるを得ない世の中であること、女の子に対して本当に申し訳なくなった。

あの子はただ生活しているだけなのに、常に犯罪に気をつけて生活しなきゃいけない世の中なんだなって。

 よくSNSでも現実でも性被害を告発した女の人に対して、自衛が足りない、誘ったのではないかっていうセカンドレイプが横行しているけど、どう考えても悪いのは加害者で、その加害者は全体を見れば圧倒的に男性。そして被害者は女性。
 もちろん女性の加害者や男性の被害者もいる。その問題を軽視するわけではないけれども、現状を踏まえて世の中で性犯罪被害に日々気を配りながら生活しているのはきっと女性。

 男性で日々性犯罪被害に合わないよう防犯に気をつけている人はどれぐらいいるのだろうか。

 世の中の性犯罪被害者の総数を減らすにはまず男性側に性に対する認識を改める必要があると、大人として、一人の男性として強く思うけど、無力な自分が歯痒くて、何ができるかわからなくて、ちっぽけだなって塞ぎ込みそうになる。


同じようにエレベーターや電車とかで、女性に避けられた時、「俺を性犯罪者扱いするなんて」とか「男がみんな性犯罪者なわけじゃない」と反論する男性を見かけるけれども、そんなこと女性はわかっていると僕は思う。
ただ、そうやって自衛せざるを得ないほど性被害にあった場合に、被害者を守らず被害者の事故責任だとする社会のせいだと思う。

そうやって反論する男性はきっと性犯罪は犯さないと思うし、女性にむかって反論するのではなくて、性犯罪を犯す側に女性と一緒に怒れる立場であってほしい。
僕も偉そうなこと言えるほどジェンダー学や性犯罪に知見が深いわけではないけれども、最近色々と勉強する中でそう思えるようになっただけ。

でも、「俺を性犯罪者扱いするなんて」とか「男がみんな性犯罪者なわけじゃない」って思う気持ちはわからなくはないけれど、それの根本原因て女の人じゃなくて、「性犯罪者」だし、女の人に怒るのは筋違いだって思って欲しい。


性欲は男性の本能で抑えられないというのは社会からの刷り込みだし、食欲と同じように我慢したり、発散したり、適切に自分でコントロールできるものだと僕は思う。

 僕から走って逃げた女の子が安心して暮らせるようになるには、まず男性側の認識を改めて、行動していく必要があると思うし、一部の男性のせいで男性全員が性犯罪者予備軍のような目でみられる社会は男の子にとってもよくないと思う。


 これからの世の中、今よりよくならないって絶望するには早いし、自分より1日でも遅く生まれた人たちのためにもなんとかよくする方法をもがいて探して苦しんで生きていきたいって僕は思う。

 障害者差別や人種差別、いろいろな差別がある世の中だし、全てに頑張って取り組みたい。
今日は女性の性被害や女性差別の問題を考えて書いたけれども、男性差別がないとも思わない。

女性差別を取り扱うと「男性だって我慢してる」と思う人もいるかもしれない。
僕も生きづらいし共感する。でもそれとこれとは別問題。男性の生きづらさも女性の生きづらさも両方減らしていかないといけない。もちろん障害児者、多国籍の人が生きやすい社会を日本で実現できた方がいいし、ここに書いていないからといって僕が軽視していると思わないで欲しい。

幸せのパイは100じゃない。今は100かもしれないど、未来のために150、200って頑張って増やしてくのが、僕らのすべきことだと思う。


 長くなったけど、今日はこのへんで終わります。
少しでも共感できたら、いいねくれると嬉しいです。
世の中課題が山積みで絶望しそうになるけど、昔は男性は家父長制で全てを背負わされてたし、女性は選挙権もなかったし、子どもの死亡率ももっと高かった。絶望するけど、振り返ると少しずつ前進してる。
 僕らの世代が生きた軌跡もそうやって後の世代の糧となれるように、諦めずに声をあげて変えられるところから頑張っていきたい。

 おわります。

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