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AIやロボットに仕事を奪われない社会をつくるには!?

「AIやロボットが人間の仕事を奪う」の説については、「そんなことはない」という否定説もある。それは「AIやロボットが人間の代わりに仕事をすることによって、新たに人間の手が必要な仕事が生まれるはず」「機械にはできない仕事がたくさんある」という説を根拠とした内容が多くみられる。

実際に、機械によって人間の仕事が奪われる事例は、過去の歴史においてもたくさんみられる。遠く離れた場所にいる人に情報を届ける「飛脚」が電話やメールに置き換わったことでその仕事がなくなったことやエレベーターの自動化でエレベーターガールがいなくなったことなど、あげればきりがない。
直近のニュースでは、飲食事業者向けに、配膳ロボットが人を雇うより低コストで仕事をしてくれる話も該当する。
https://www.softbankrobotics.com/jp/news/press/20220202b/

しかし、DXされる側の仕事をしていた人と、DX化した仕事をする人は同じではない。例えば飛脚をやっていた人はある日突然、電話が登場したことによって電話会社に勤める人にはならなかったはず。高度な教育を受けた技術者か、「これからは電話の時代だ」という情報をゲットして意欲的に電話会社に就職ができるほどの教育を受けた人だったと思う。

機械に置き換えられない仕事につくためには、教育をうける必要がある。それも、AIやロボットなどを使いこなすことができるほどの「高度な教育」が必要になってくる。誰でも教育さえ受けていれば、AIやロボットに置き換えられなくて済むような仕事を選択できるということではない。
ここでさらに考えさせられることが二つ思い浮かぶ。
一つは、現在、AIやロボットを使いこなせるようになるほどの教育が今の学生や子供たちに十分に施されているのか。(一部の小学校ではすでにAI教育が始まっているとのことだが)
https://ledge.ai/groovenauts/
二つ目は、そのような教育を受けるために必要な教育費を、現代の可処分所得の低い日本人に支払うことができるのか。
ということ。
当然、所得の高い世帯は子供に高度な教育を受けさせることができる。高度な教育を受けた子供たちは将来、AIやロボットを使いこなす側になり、相応の給与待遇を受けることになる。高度な教育を受けられなかった、または追いついていけなかった子供たちは、将来AIやロボットに置き換えられてしまう仕事をやらざるをえないことになり、職を失っていってしまう。そのような教育格差が、未来においても社会の所得の格差を生み続けてしまうことになるのではないだろうか。
所得格差を表すジニ係数で日本は世界的にみて低いと言われているが、その要因として教育レベルが、全体的に世界に比べて遅れているためではないかと考えてしまう。「2019年全国家計構造調査年間収入・資産分布等に関する結果」
http://www.stat.go.jp/data/zenkokukakei/2019/pdf/youyaku0831.pdf

さらに、日本人の可処分所得が低い原因としてあげらることとしては、日本企業の成長が欧米企業に比べて低く、給与水準が低いことで、もう一つは2010年以降、価格が高騰し続けている住宅価格だとおもう。共働き世帯が増えたことと低金利政策によって高い住宅が買いやすくなっているとはいえ、サラリーマンの年収倍率(住宅購入価格/年収)が今や13倍になっている。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78970880V00C22A1QM8000/
2010年以前はマンション買うなら年収の6倍か7倍でぎりぎり銀行の融資がおりる、と言われていたはずで、現代の日本人は無理して借金をし過ぎているのでないかな。
そして住宅価格が上がり続けているのは住宅バブルだから、という人がたまにいるけど、そうではなくて人口減少に起因した人件費高騰によるものだと過去の仕事の経験で理解している。(今は決して景気が良いと言えるはずがないのになぜ市況のせいだと思うアナリストがいるのだろうか)

そう考えると、人口問題は当然ながら、日本企業の成長を支援すること、住宅価格を下げること、教育レベルを上げなくてはいけない問題は、すべてつながっていて、セットで考えるべき問題であり、国の政策で最もお金をかけるべきことではないかな。

今日お昼に渋谷のラーメン屋にいったら、大将が作ったラーメンをカウンターに座る客に、女の子の店員が50cmの距離で配膳していて、それ以外にやることがないようでぼーっと突っ立っていた。女の子の店員も必死に生きているのだろうけど、きっとこの店は大将一人だけでまわるんだろう、と自分で皿をかたづけながら考えてた。

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