ハルカトミユキ

【心理学】ハルカトミユキ「ニュートンの林檎」から学ぶ、内向的な人間がそのままの自分でいられるための考え方とは?

※ちなみに著者は内向的です

ハルカトミユキの「ニュートンの林檎」をもとに、人間の性格についてお話したいと思います。

私は演劇を観に行くのが趣味の一つでして、大好きな劇団「キャラメルボックス」の「無伴奏ソナタ」という演目の劇中歌として使用されていたことで強く印象に残っています。

シアターで聴く楽曲はイヤホンやスピーカーから流れる以上にパワフルで、会場を震わす音量と舞台上の演者の方々の熱量に魅了されました。

家に帰って、曲を調べて速攻でYOUTUBEを開いた記憶があります。サウンドはもちろん、歌詞にも素晴らしい表現や描写がたくさんある楽曲です。ぜひ音楽とともにこの記事も楽しんでいただければと思います!

今回のテーマは「内向的な人間がそのままの自分でいられるための考え方とは?」です。

内向的な人物は社会的に弱い立場に置かれがちですが、実は社会に大きな影響を与える力を秘めているということが発達心理学の研究によってわかっているのです!

今回はスーザンケインの著書「内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える」を参考にしながら話を進めていきたいと思います。


内向的な性格の持ち主に”不利”な現代社会

内向的な性格の方は、その性格のせいで不利を被ったことがあると感じた経験はありませんか?私はたくさんあります。

例えば学校で問題をふられ、クラスメイトの前で発表しなければならなくなった時に
「なるべく大きい声で、聞こえるように発表してね!大きい声の人の方がポイントが高いからね!」
などと先生に言われて、地声が小さいだけなのに無理に大きい声を出した結果、上ずった変な口調になってしまい、笑われた経験がある人もいるのではないでしょうか。

教育の場を例に出しましたが、会社や日常生活においても同様です。

「なにより人と仲良くいることが人間にとって大事だよ!」
「一緒に仕事をするなら、コミュニケーションを円滑にとれる人が望ましい。」
「会話の面白い人の方が一緒にいて楽しいし、カッコいい!」

など、社会では 内向的な性格より、外交的な性格が社会的に求められるのが一般的です。そのため内向的な性格の持ち主は、無理やり外交的な自分を演じて人とコミュニケーションをとらなければならない場面があります。

しかしこれは、非常に苦心をともなうもので、いうなれば一昔前の男性中心社会における女性の生きにくさに似ていると著者のスーザンケインは表現しています。

ではここで歌詞をみてみましょう。


ハルカトミユキ「ニュートンの林檎」作詞:ハルカ 作曲:ハルカトミユキ、安原兵衛

抗えないものは重力
宙に浮かべば落ちてゆく
誰もが重力に負ける
ただのリンゴ ただのリンゴ

「勝てないお前が悪い」
「勝てない私が悪い」
勝てないお前が悪いから

口を揃えて言うのでしょう
上から見下すあの人達は
口を揃えて言うのでしょう
ただ重力に負けただけだと

内向的な人間にも長所はあるはずなのに、なぜ外交的なフリをし続けなければいけないのか?

それは、内向的で社会的に勝てないお前が悪いという価値観を、多数派(=外交性が重視されるべき派)によって押し付けられてしまっているからです。

この歌詞にもある通り、「ただ重力に負けただけなのだ」と口をそろえて言われてしまえば、なかなか反論は難しいのです。

では、内向的な人間は本来の自分を偽って生きていかなければいけないのでしょうか?

そもそも内向性or外交性は変えられるものなの?

つまり、生まれた時に内向的か外交的かある程度決まっているということですね。

ちなみに研究の内容は簡単で、複数の乳幼児(生後四か月ほど)にアルコールをしみこませた綿棒のにおいをかがす、あるいは彩り豊かなモビールを見せて、どのような反応をするか調べるというものです。

反応の強い子供⇒外交性が高い(被験者の20%)
反応の弱い子供⇒外交性が低い(40%)
反応が中間の子供⇒外交性は通常(40%)

という仮説を立て、今度はその子供たちが2歳、4歳、7歳、11歳で改めて刺激の強い体験に対する反応を調べ、外交性の高さを調査しました。

その結果…最初に行った実験結果と大差ないことが判明したのです!

この研究結果からケーガンは
生まれつき性質を持って生まれ、それをもとに性格が形づけられると判断しました。

生まれつき決まっている性格を変えるには大きな負担がかかります。

多少変えることはできても、限界があります。これをスーザンケインは「輪ゴムの理論」と呼んでいました。「伸ばせるけど限界がある」ということですね。

やはり、無理やり性格を変えることは難しいと考えたほうがいいでしょう。

そこで、

「そもそも内向的な性格のままじゃいけないの?」
「内向的な性格にもいい点があるんじゃないの?」

という意見もあると思います。

まったくその通りで、実は内向的な人物ほど偉大な成功を成し遂げている事例が多く存在します。


偉大な功績をのこす”内向型人間”(ニュートンの例)


偉大な功績を残した人物の多くに内向的な性格の持ち主が存在している。例えば、かの有名なニュートンでさえも内向型の人間であるといわれています。
(略)
外交的な人間がパーティーや性的な話題に夢中な一方で、内向的な人間が林檎の木の下で本を読むのを好んだ。だからこそ落ちてくる林檎に気づくことが出来た。

著者のスーザンケインは、あくまで内向的な人物には「内向性の良さ」、外交的な人物には「外交的な良さ」があると表現しています。

そしてその中で印象的だった表現が上の引用部分になります。
まさに「ニュートンの林檎」です。ここでつながりましたね!

また、内向的な人間は対人的なコミュニケーションは苦手でも、不特定多数に向けたオンライン上での意見表明が得意であったり、好きだということが言われています。

人とうまくコミュニケーションが取れないからといて、卑屈になる必要はないということですね。

総括:内向性・外交性のそれぞれの長所を理解せよ




抗えないものは権力
指を鳴らせば落ちてゆく
お前は権力を嫌う
ただのリンゴ ただのリンゴ

上から潰されている
理不尽なだけの日々も
勝てないお前が悪いから

どうか「理不尽な世の中だ」と嘆くのではなく、内向的な自分の良い点に着目してください。

外交的になりたい!内向的になりたい!ではなく、それぞれのどういうところが自分にとって必要な要素なのかを理解したうえで、得意分野を伸ばすべきだと思います。

抗えない権力に潰される人生よりも、「勝てないお前が悪い」と非難し、「勝てない私が悪い」と諦めるよりも、本当の意味で個性が認められるように頑張りましょう!


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郡司

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