Iメッセージは 対等な信頼関係があってこそ
自己開示の手法"Iメッセージ"
主語を「私」にすることで、相手を責めずに自分の心を伝えることができる自己開示の手法。自身もコミュニケーションでは多用している。
今回は、Iメッセージの効果と危険について。
感情を伝えられるとイライラする??
先日、テキストコミュニケーションの話をしていたときのこと。
彼女は、指示が明確でない感情をたらたらと綴った長いメールにイライラするという。
例えば、その人の発信は提出率の少ないメンバーに対して、
提出物が少なくて悲しく思いました。
と述べたり、グループチャットでも
私は〇〇がいいのではないかなと思っています。尚、皆様もご協力いただけると嬉しいです。
など、指示があやふやなことがイライラするらしい。
きっと、指示を出している側は悪気はなく本人が感情優位な性質を持っているから、良かれと思って『Iメッセージ』を使っているのではないかと思う。
Iメーッセージとは
アイメッセージとは、「私」を主語にして相手の行動を促すメッセージ。
相手の行動により「私」がどう感じるのかを言葉で表現することにより、相手が自主性を失わず承認に結びつけるテクニックの1つ。
反対にユーメッセージとは、「あなた」を主語にするメッセージ。
あやふやな発信をしている彼女をイライラさせている発信者は、このIメッセージを使っている。
行動を明確に指示せずに、相手の行動によりこちら側の影響と感情を開示することで、相手が主体的に動くようにしたい。
それは、発信者側の気遣いの部分も多いのだろうけれど。
信頼関係がなければ、成り立たないのが「Iメッセージ」
要するに、Iメッセージは
「あなたは気付いていないのかもしれませんが、あなたの行動によって、私にはこんな影響があって、こんな気持ちになっているんですよ」ということを開示することで、相手の感情を動かしこちら側の影響と感情を理解して主体的に動いてもらうテクニック。
つまり、相手にとって「私」が重要な人物でなければこの作用は効かない。
もしくは、自分の”役割”よりも感情で動く性質の相手にしか効かない。
「助けたい」「もっと喜んで欲しい」「悲しい思いをさせたくない」という感情を生ませることができないのであれば、Iメッセージは全く効力がないのだ。
つまりは、ベースに信頼関係があって初めてIメッセージは効果を生む。
信頼関係に関係なく、成り立つのが「YOUメッセージ」
相手との信頼関係がまだない場合や相手がロジカルな性質を持っているのであれば、「〇〇してください」とはっきりと伝えることが重要なようだ。
私は自分自身が感情優位な性質を持っているので、相手との信頼関係がベースになくても”嫌な思いをさせている自分が嫌”という自己愛にも似たものが行動を促すので、Iメッセージが全ての人に効果があると思い込んでいたことに気づいた。
IメッセージもYOUメッセージも、コミュニケーションの手段なのだから、相手をに合わせて使い方を変えることが大切なのだ。
強すぎる上下関係は効果がありすぎて危険なことも
逆にいうと、感情優位な人に対してはIメッセージは効きすぎることい懸念がある。
特に予防のIメッセージは、相手の行動を抑制する効果が高い。
イメージしやすいのは、過干渉な親や上司が本人が失敗してしまって傷つくことを心配して伝えるメッセージ。
『あなたがこんな行動をしたら、こんな風な影響があって、お母さんはこんなに悲しいの』というような。
本人の”何かをしたいという自分の好奇心”よりも、”母親を悲しませたくないという”相手の感情を優先”させてしまうしまう。
信頼関係(というよりもパワーバランス)のある人が、あまりにも頻繁にIメッセージ使うことで、自分の感情よりも相手の感情を優先しコントロールされてしまうという危険なメッセージでもある。
マネージャーとして
優秀な販売員の多くは感情を読み取るのがうまい。
相手の顔色や空気を読める。
感情を読む能力が長けているということは、子供の頃から感情を読む・察するというスキルを磨く環境があったということ。
言い換えれば、自分勝手に天真爛漫には生きられなかった環境で育ったとも推察できる。
心理学をうまく使うことはマネージャーとして必要なスキルである。
一方で、相手の軸が開発されていない状態であれば、心理学的手法は効きすぎる。
良い方向に導くことはしても、相手の軸を開発・重視した導き方をしているのか?エゴではないか?彼女たちの優しさにつけ込んでいないか?という問いは、持ち続ける必要がある。
マネージャーとして信頼に値する行動をすることは重要。
一方で、信頼関係のウエイトが対等になっているのか、相手は個としての自律しているのかという問いは持たなければならない。
メンバーとは信頼関係を構築する。崇拝させてはいけない。
対等な個人として向き合えているのか?コントロールしていないか?という問いは、常に持ち続けていたい。
知識をどのように使うのか。
まずは人と人として。
お読み頂きありがとうございます^_^ 読む前よりもポッと心の温度が上がったとしたら、とても幸せです。 サポートは、note内での他の方へのサポートや、コミュニケーションの時間など、note内で還元させて頂いています!