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先に売るのは「信頼」

ヒトから何かしてもらったら恩を感じ、それを返したいという気持ちになる事を『返報性の法則(reciprocation)』というのだそう。

例えば、スーパーで食品を試食し、美味しいという理由よりも無料で試させてもらったことを理由に購入したり、「いいね!」をたくさんくれる人には「いいね!」を返したくなったり。

社会心理学者のロバート・B・チャルディー二氏の『影響力の武器』でも紹介されている有名な心理テクニック。

ーこの効果を活かすには、出し惜しみせずに相手が求めるモノを提供して、恩義を感じさせる。さらにそれがパーソナルであり、相手が予想する以上の情報やタイミング、サービスであるとより「恩」を感じさせることができるのだー

うーん、この解説だと怖いですが、心理テクニックは優れた営業マンも(詐欺師も)使っているし、私たちも日常的に使っているんです。

私は常々、接客と指導は同じだと思っているので、この心理テクニックを接客と指導にどう活かすと良いのか考えたいと思います。

お客様に対して

アパレル店舗でいうと、「試着」が最もお客様に『返報性の法則』を感じさせてしまう行動かなと思います。

なので、「どんどん試着していただいて、返報性の法則でお返ししなくてはという気持ちを煽ろう!」というではありません。

お客様は洋服そのものをそこまで気に入っていなくても、返報性の法則でつい買ってしまう危険があるということを頭に入れて接客することが大切なのです。

お客様は、私たちが熱心に接客をするほどに、「お返し(購入)しなくてはならない」という心理が働きます。

なので私たちは、そういった商品よりも販売員を気にして、申し訳ないからと商品を購入してしまう事を誠意を持って止めなければなりません。察知して、その気持ちのままで買っていただかないようにすることが、長くお客様とお付き合いする秘訣なのです。

販売員はいつだってお客様の味方です。
プロとしてお客様が本当にその商品を欲しいと思っているのか?申し訳ないから買おうとしているのかを見極めなくてはなりません。

自分がまあいいかと妥協して購入しようとした時に、「もう少し、考えましょう!着るたびに幸せになるようなモノに会えるまで買ってはダメですよ〜」と言ってくれる販売員さんに会えたら、皆さんも嬉しくないですか?

その日の売上は確かに欲しい。喉から手が出るほど欲しい。

でも、私たちはプロです。売るべき優先順位は「信頼」です。
信頼を先に感じてもらえれば、いつか戻ってきてくださって長いおつきあいができ、必ず売上に繋がります。

反対に納得していないけど購入してしまった場合、その日の売上は上がっても客様の信頼は提供できません。徐々にお客様は減っていきます。

そしてそれ以上に、販売員である自分自身が、どういう売り方をしているか?どういうコミュニケーションをしているかで、自分の価値や販売員の価値の感じ方が変わるのです。

もともと、販売の仕事をしようと思うヒトって心の綺麗な人が多いのです。
お客様の気持ちを無視して売りに走る事で、販売という仕事も、その仕事をしている自分も嫌いになります。

好きな自分でいるためにも、誠意ある接客で「もう少し、考えましょう!」とお客様の無意識のココロをこちらから声に出して言える、誠意あるヒトでいたいですね。

仲間に対して

仲間に対しても、いつも味方になっていることが大切かなと感じます。
返報性の法則。無償で何かしてもらったら、返したくなる心理。

例えば、自分が何かアクションを起こそうとした時に、何人の仲間がついてきてくれますか?自分の担当の仕事や、自分の夢やアクションにどれだけの人が反応してくれるでしょうか?

自分の言う事を仲間が聞かない、チームがまとまらない、という悩みがあるのだとしたら、、、
与えているものがまだ少ないのかもしれません。

では、何をしたらイイのだろう?

ひとつは「褒める」も挙げられますが、褒めることが得意で、叱るのが苦手な人は、だいたい「媚びている」だけの場合も多い。

褒めるは、相手のため。媚びるは、自分のため。
自分が慕われたいから、褒めているのはだいたい媚びです。
本当の褒め上手は、叱ることも得意です。

良いタイミングで、相手が言って欲しい、もしくは相手も気づいていないことまで褒めることができるのは、その時だけでなく、相手に常に興味を持って接しているからなのです。

「プレゼント」と「飲みに連れて行く」もやりがちなのですが、私はリスクが高いのでオススメしません。

自分の部下全員にできるならイイのですが、全員に同じようなできない場合、そこから、「好かれてる」とか「媚びてる」「贔屓されてる」とか「嫌われてる」とか、「どうせ私は」…とか、予期せぬトラブルが生まれたりします。

与えるのは、「勤務外の時間」でも「モノ」でもありません。

仲間に与えるのは、自分の知識、知恵、行動、後輩であれば答えを与えず経験の場を作り、フィードバック…など

「勤務時間内」に「相手の成長の機会」を与え、言葉でしっかりとフィードバックし「肯定・提案・承認」することです。

まとめ

返報性の法則とは、何かしてもらったら返したくなると言う気持ち。

販売員としては、
・試着すると買わなければと思うお客様の気持ちを知ること
・信頼を先に売ることで、長い顧客様になっていただくこと

リーダーとしては
・まずは、自分が与える存在になること
・与えるのは、勤務時間内の相手の成長の機会と承認

他にも、「好意の返報性」「敵意の返報性」「譲歩の返報性」「自己開示の返報性」などもあるようです。

好きと言われたら好きになる、嫌われてるなら嫌いになる、どうぞと言われたらどうぞどうぞ、心を開いてくれたら開きたくなる。

まずは、自分が先。理想の関係性を体現。

社会心理学の知識を入れると、少し行動が変わるはず。
より良いコミュニケーションを築いていきましょう!


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「不安を希望に変える言葉と環境を提供します」アパレル販売→MG(店舗運営・人事・研修)→フリーランス(小売店舗改善・MG育成・研修…) 接客と指導の共通点は、不安を希望に変えるコト。不安は少し先の未来に期待している証拠。勇気の一歩のきっかけとなり、等身大で最大に輝くコトをサポート

コメント2件

拝読させて頂きました。
本物のビジネスや商売は「相手の役に立つものの提供」により成立すると考えます。
「店員さんに悪いから」と思うお客様の心を使って商売する方法では、「役に立つものの提供」というビジネスの本質から外れてしまうのだろうと思いました。
ただし、顧客は中々複雑ですよね(o´エ`o)b
返報性の法則の例を試着にするととても分かりやすいですね!(^^)
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