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"もし"の歴史と"いま"の責任

窓の外は夏の陽射しが眩しい。風鈴の音色に耳を傾けながら、ふと、今日が終戦記念日だということに思い至った。79年前のこの日、日本は長い戦争に終止符を打った。

私たちはよく「立場が変われば見え方も変わる」なんて言うけれど、本当にそうなのかしら。善悪の判断すら、立ち位置によって真逆になってしまうものなのだろうか。

ここ最近、長崎の平和式典をめぐる騒動が気になっている。イスラエルを招かないという長崎市の判断。それに対する各国の反応。複雑な思いが胸をよぎる。

2023年10月7日、ハマスによるイスラエル南部への襲撃で約1,200人が犠牲になり、251人が人質に取られたという。その後の報復で、ガザでは4万人以上の命が失われたとも言われている。数字を見るたびに、胸が締め付けられる。

平和を願う気持ちは、誰もが同じはず。でも、その「平和」の形は人それぞれ違うのかもしれない。国によっても、立場によっても。

ふと、書棚に目をやると、半藤一利著『日本のいちばん長い日』が目に入った。あの日、鈴木貫太郎首相がいなかったら...。想像するだけで胸が痛む。広島、長崎に続いて、さらに多くの原爆が投下される可能性があったかもしれない。

歴史は「もし」を許さない。でも、私たちにできることがある。過去を学び、現在を見つめ、未来を考えること。それが、この国に生きる私たちの責任なのかもしれない。

日本のGDPは世界第4位の4兆2,129億ドル。経済大国と呼ばれる一方で、私たちはどんな姿で世界から見られているのだろう。かつての「エコノミックアニマル」から、今はどんな存在として映っているのだろう。

国際的な評価を数字で見ると、複雑な気持ちになる。たとえば、2021年のピュー・リサーチ・センターの調査によると、日本に好意的な見方をする人の割合は、台湾で98%、オーストラリアで73%、アメリカで71%だそうだ。でも、お隣の韓国では31%にとどまるという。数字の裏にある複雑な歴史や感情を、どう受け止めればいいのだろう。

明日、風鈴の音を聞きながら、もう一度考えてみようと思う。平和について。この国の在り方について。そして、私たち一人一人にできることについて。

きっと、答えは簡単には出ないだろう。でも、考え続けること。それが、平和への第一歩なのかもしれない。79年前の8月15日から、私たちはどれだけ前に進んだのだろう。そして、これからどこへ向かっていくのだろう。

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