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【タロコ国家公園情報公開①】会議議事録 0403花蓮地震復興

こんにちは!踏青工作室です。
【続11】でお伝えした通り、現在タロコ国家公園では、相対的に被害の軽かった区域(中部~東側の一部(タロコ台地、布洛灣、九曲洞步道))の年内の開放に向けて鋭意復興中のようです。

また今後は情報公開も進んでいくようで、現在様々な資料が公開されてきています。今回は【続12】でお知らせした情報の詳細を簡単にご紹介したいと思います。

6/12に公開された情報は下記の3つです。
A:地震後13日目(4/16)に行われた視察と会議(議事録)
B:燕子口の修復工事の写真
C:5/9に行われた視察と会議(議事録、資料)


A:地震後13日目(4/16)に行われた視察と会議(議事録)

この会議の主管は台湾の国家公園全体を管理する「国家公園署」で、有識者6名からなる委員と国家公園署等の関係職員で開催されたものです。

今回、議事録の中から結論部分のみ抜粋して拙訳をつけています。
(各委員の意見部分は割愛しています。)

伍、 綜合結論
一、 0403花蓮地震造成太魯閣國家公園轄區嚴重災損,本署成立復 建專案小組,由本署環境規劃組劉宇凡組長擔任召集人,以協 助太管處推動執行災害搶修及復原重建工作。

二、 經本次邀請相關機關及專業技師擔任委員現地勘查,太魯閣峽 谷段多處設施受損嚴重,請太管處及復建專案小組參照本次委 員意見,儘速概估復原及復建經費需求。

三、 請復建專案小組協助太管處,研議以緊急採購方式辦理本次地 震災後調查及安全評估,並儘速啟動相關復建工程規劃設計。

四、 後續復建工作之項目、順序及方法請參照本次委員相關建議儘 速推動執行,如遇相關計畫審查程序或執行困難,亦請適時報 署協調研商。

参考までに以下に拙訳を載せておきます。何かご判断なさる際には必ず元情報にアクセスして確認をお願いいたします。

五、総合結論
一、0403花蓮地震はタロコ国家公園に重大な被害をもたらしており、本署は復興専門チームを立ち上げ、本署の環境計画チームの劉宇凡チーム長を招集者に任命し、タロコ管理処と共に災害緊急修復及び復元再建作業の実施を進める。

二、今回、関連機関及び専門技士を招聘し委員に任命、現地調査を行った結果、タロコの峡谷部分の多くの施設は重大な損害を受けていた。タロコ管理処と復興専門チームは今回の委員の意見を参考に、できるだけ早く復元及び復興の必要経費を算出すること。

三、復興専門チームはタロコ管理処と協力し、緊急購買方式によって今回の地震後の調査及び安全評価の実行を検討し、できるだけ早く関連する復興行程の計画設計に着手すること。

四、今後の復興作業の項目、順序及び方法は今回の委員提案を参考に、できるだけ早く実行に移し、もし関連する計画審査の手順や実施に困難がある場合には、適宜本署に報告し協議を依頼すること。


B:燕子口の修復工事の写真

この情報については、前後関係がよくわからなかったのですが、燕子口の第二次修復工事の写真です。ここにはもともと落石防止ネットが設置されており、部分的に損壊したものの、有効であったことが4/16の議事録の中で言及されていました。(続くCの議事録にも燕子口の視察写真があり、5/9以前にこの第二次修復工事は終わっているものと思われます)


C:5/9に行われた視察と会議(議事録、資料)

こちらの会議の主管は「タロコ国家公園管理処」で、有識者9名からなる委員とタロコ国家公園処等の関係職員で開催されたものです。

今回、議事録の中から結論部分のみ抜粋して拙訳をつけています。
(各委員の意見部分は割愛しています。)

陸、會議結論:
一、 園區災後開放策略,經過與會專家學者討論後,應基於社會期待及安全考量,由太管處以逐步開放策略,儘速進行風險評估、 研擬復建方式及展開相關工作。

二、 委員提醒未來餘震及汛期豪雨等將使坡頂已破碎之大量土石崩落將造成危害1事,由太管處儘速建立園區災害預警機制,針 對地震、雨量及相關危害因子進行監測及訂定預警性警告傳遞 及相關封閉措施。

三、 應主動與民眾、媒體及相關觀光產業溝通、凝聚共識及獲得支持,建議將目前的園區災情、同仁辛勞的冒險調查成果及後續 復建工作的推動情形對外公開,由太管處於網路媒介啟動復建 相關資訊(災害的現況、復建過程及發展)之公開及溝通作業。

四、 請太管處將本次地震災害相關影像紀錄建立資料庫,並規劃將災害教育納入未來園區經營特色。

五、 本次會議各專家學者所提建議涉及層面廣泛,非環維科業務所及範疇,由太管處儘速將災後重建工作由環維科提升到處的層級進行全處動員,並建立災後重建整體計畫及各業務分工。

六、 因太魯閣地處偏遠,災後工程風險高,且專業人員及廠商招募第 1 頁,共 7 頁 不易,為後續重建工程,必要時召開招商說明會或徵求廠商提供意見,作為採購招標作業之參考。

七、 本次與會相關專家、學者、同仁所提意見皆相當寶貴,請太管處續整理相關意見後設定議題,召開內部研討會議,擬定復建 策略。

参考までに以下に拙訳を載せておきます。何かご判断なさる際には必ず元情報にアクセスして確認をお願いいたします。

六、会議結論:
一、 会議の参加者(専門家・学者)で討論を行った結果、園区の被災後の開放計画は、社会の期待と安全性の考慮に基づくものであるべきで、タロコ管理処は段階的に開放していく計画を以て、できるだけ早期にリスク評価を行い、復興方法を制定し、関連作業を展開していくこと。

二、 今後の余震及び増水期、豪雨などにより、すでに崩壊している大量の崩壊した土砂が山地に災害を誘発する危険性があると委員が提示したことについて、タロコ管理処はできるだけ早期に園区災害事前警報の仕組みを構築し、地震や雨量及び関連する危険因子に対し監視を行い、事前警報の伝達及び関連封鎖措置の制定を行うこと。

三、主体的に民衆やメディア及び関連する観光産業とコミュニケーションをとり、共通認識を固め支持を得るべきで、現在の園区の災害状況や職員がリスクを冒しながら行った調査結果や今後の復興作業の展開状況を外部に公開することを提案する。タロコ管理処はインターネットで復興関連情報(災害の現況、復興行程および発展)の公開及びコミュニケーションに着手すること。

四、タロコ管理処は今回の地震災害に関する映像記録をアーカイブし、災害教育を将来の園区経営の特色に加えることを計画すること。

五、今回の会議で各専門家・学者が提案した内容は広範囲に渉っており、環維科の業務の範疇でないものは、タロコ管理処はできるだけ早く災害復興作業を環維科から管理処レベルに上げ全処で対応し、災害復興全体計画を立て各業務を分担すること。

六、タロコ地区は辺境であり、災害後の行程はリスクが高く、専門作業員及び企業が第一項、第七項の募集をすることは難しく、今後の復興行程では必要な時に募集説明会を開催し、応募する企業には情報を提供し、調達入札作業の参考となるようにすること。

七、今回の会議に参加した専門家、学者、職員の提出した意見は全て非常に貴重なもので、タロコ管理処は今後意見を整理し議題を設定し、内部検討会議を開催し、復興計画を制定すること。

◆この会議で使用された、C-1タロコ国家公園から災害状況のまとめ(【続12】で一部抜粋紹介したもの)、C-2台湾大学土木学部教授の資料、C-3議題の資料は以下の通りです。

◆この日の燕子口視察の写真は以下の通りです。


この後も情報開示が続いていますので、逐次noteを作成していきます。お役立ていただければ幸いです。


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