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台湾に学べ!トレイル保全人材の育成【登山道整備】【後編(座学)】

こんにちは!踏青工作室です。
【前編】・【中編】では、登山道整備を行った場所や、実際の作業を簡単にご紹介しましたが、こちらの【後編】ではワークショップ二日目に行われた座学についてご紹介したいと思います。


座学では、おおまかに①北杜山守隊の成立と活動について、②登山道の制度上の問題点、③海外の事例が紹介されました。以下簡単に共有させていただきたいと思います。

①については、北杜山守隊の公式HPをご覧いただければと思います。

②については、日本の多くの登山道では、事業執行者(管理責任者のような存在)が不在であること、エリアに関わる行政機関・法律が複数あること、制定された法律が古く現代の実態に沿っていないこと、予算と人員が足りないこと等が紹介されました。

これらの構造的・体系的な問題については、吉田智彦著「山小屋クライシス」に詳しくまとめられていますので、ご興味を持たれた方はぜひご一読いただければと思います。

③については、登山道の保全には官民の連携が必要で、民間の活動例として、アメリカのロングトレイルや台湾のトレイル保全活動が紹介されました。特に、距離的に近い台湾での取り組みから学べることが多いそうで、私も非常に興味を持ちました。

こちらの台湾の千里歩道協会では、実践力を備えた保全の担い手が活躍できるよう、担い手を育むためのカリキュラムが用意されています。資格化されており、最初は楽しみで始めるボランティアから、ベテランになるまで、ステップアップしていく仕組みが作られています。

北杜山守隊の花谷さんは、この考え方を日本も取り入れ、保全の担い手を増やしたいとお考えのようでした。

千里歩道協会のHPから画像をお借りしています

個人的に、台湾にはボランティア活動全般が盛んな印象をもっていましたが、トレイルに対しても市民運動が盛んに行われているようですね。私も機会があったら、台湾でトレイルの保全活動に参加してみたいです!

ワークショップ概要

  • 開催日時:
    2024年6月22日(土)~23日(日)の一泊二日
    ※23日の天気が良くなかったため、この日のプログラムは半日に短縮、WSの内容も一日目と二日目の入れ替えがありました。

  • 場所:
    2024年6月22日(土):日向山にて登山道整備
    山梨県北杜市白州町、尾白川の左岸側に位置する里山(標高1660m)。
    ※日向山は花崗岩の山で、山頂付近にビーチのような砂浜があります。保全のWSはこの山の中腹、10-5番の看板の下付近で行いました。

    2024年6月23日(日):アグリーブルむかわにて座学
    北杜市武川町の宿泊施設。
    ※22日に宿泊後、23日の午前中に座学が行われました。

  • 参加者:
    WS応募者9名、スタッフ7名の計16名
    (2日目の座学はスタッフの参加は5名、取材1名、計15名)

  • 参加費:
    一泊二日40,000円
    ※現地までの交通費(電車代やタクシー代)は実費
    ※今回、二日目のプログラムが短縮されており、値段の変更がありました。詳細は北杜山守隊のHPをご覧ください。


いかがでしたでしょうか。北杜山守隊のワークショップでは、実際に崩れた登山道を修復したり、世界のトレイル保全を学んだり、大変内容の濃い時間を過ごすことができました(そして美味しいお食事を堪能させていただきました)。

山を愛し、山に対して何かアクションをとりたいなと思っておられる方のご参考になりましたら嬉しいです!

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