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エッセイ

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#エッセイ

指先で触れる

*さわる*去年見たドキュメンタリー番組で特に印象に残った一本を挙げるなら、それはNHKで放送された「心が躍る生物教室」です。 その内容に本当にびっくりしました。それはさわる授業でした。 冒頭のナレーションはこんな風に始まります。 教室を出て行われる生物の授業。色鮮やかなツツジの花は子供たちに見えていません。でも心の中にイメージが広がります。触ったり匂いを嗅いだりあらゆる感覚を使って植物を観察します。 このユニークな授業を行っているのは東京都内にある視覚特別支援学校。触る

右も左も分からない

初めての道を歩いているとわけもなく元気になります。散歩とは違う、知らない場所に踏み入れる感覚が好きなのです。ちょっとドキドキする。 自分の身体を使って世界の一端を知ろうとする行為というと大げさかな。 手がかりは自分の感覚のみ。見えるもの聞こえるもの、鼻を利かせたっていい。そうやって得たものを頼りに想像をめぐらすのはとても楽しい。 ◇ そんな私には気になる人がいます。 Googleマップの端っこにいる黄色のヒト。クレーンゲームのようにつまみ上げられては、ストリートビュ

転勤初日の話(または深夜のネクタイの買い方)

ネクタイを忘れたのだ。 これがクールビズになる5月1日以降であればどんなによかったことか。 状況を説明するならば、いまは2018/4/1(日)。福岡から群馬に転勤となる辞令が出た日である。福岡から群馬にやって来た記念すべき一日目。 高崎駅に着いたのが22:20。 ぐんまちゃんとファーストコンタクトを果たした。それと高崎だるまにも。 22:40。すでに駅前は人通りがない。 会社が用意してくれた駅近くのビジネスホテルにチェックインした。 ◇ なぜこんな時間に着いたか

ワンダーランド・ワンダーランド

2018年4月から2020年2月までの2年間、群馬県高崎市に住んでました。 ◇ このnoteで群馬のこともあれこれ書きたいと思ってて、今回 初語りになるのでまず群馬を知るうえでの予備知識と個人の感想を書こうと思います。 = 地理 = 九州の海沿いで暮らしてきた私にとって、群馬という北関東の海なし県で標高100mの高崎市は、あらゆる意味でワンダーランドでした。 標高が100m高くなると、気温が0.6℃下がると言われています。標高100mは例えるなら30階建てのタワーマ

うれしいポストカード

私の誕生日にポストカードが届いた。 私が注文していたものだ。←おい! あ~みんな行かないでー!ちゃんと書くから。 ✂ーーーーー ここカットで ーーーーーー✂ たまたまなんですけど、届いたのが誕生日だったんです。 naeさんというクリエイターがいて、この方とは不思議な縁があって彼女が創作活動を始める前からの知り合いです。今回minneで作品を展示販売するということで、私が見染めたのが冒頭書いたポストカードというわけです。 ◇ 花やケーキなどシンプルでかわいいなイラ

noteを掴んで冒険に出る

ひとつ歳を取りました。4月26日が私の誕生日です。2・4・6と偶数の等差数列で表せるのがひそかに気に入ってます。←どんな自己紹介だ? ついこのあいだnoteの1年を振り返ったばかりですが、ひとつ歳も取り、心境の変化もありまして、今回はそのことについて書いていきます。 * * * 『フルフラットで臨む』という記事はnoteを本格的に始めたこの1年を総括する内容でした。あれが正直な気持ちで、それは今でも変わりません。 なにものにも囚われず生きたい。フラットな気持ちで臨みた

ゴッホ展

当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2011.02.07の日記= 「ゴッホ展」 先週末、ゴッホ展を見に行きました。 "こうして私はゴッホになった" とサブタイトルにある通り、今回はゴッホの作品展というより、むしろゴッホの人物展といえる内容だったと思います。 ゴッホはほぼ独学で絵を学んでいたということ、ミレーを始めとしたいろんな画家にあこがれて影響を強く受けていたこと、などがよく分かる展覧会でした。画家としての活動期間は短く、初期の作品

フルフラットで臨む

noteを本格的に始めたのは去年の5月。もうすぐ1年になります。群馬から福岡に戻った年でした。長男は大学生になったものの、コロナの影響で学校には一度も行けないまま、非常事態宣言が出たので福岡に呼び戻しました。次男は中3になり、入学した時と同じ中学校に舞い戻りました。そんなこんなあって家族4人で過ごした1年間です。 そしてこの春、次男は高校生になりました。先週入学式があり、すでに高校生活をスタートさせています。長男は先週、関東に旅立ちました。大学もようやく対面授業を再開するこ

another note

SNSには必ずタイムラインがあります。 と書き出して、最初の1行でつまづきました。いやむしろタイムラインがあるのがSNSなのでは? それほどタイムラインは重要です。 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を考えるとき、タイムラインがつながりを促進する手段として大きな働きをしているのは間違いありません。 フォローした人の投稿を時系列で表示してくれるのがタイムラインです。これがあるおかげで、いつ更新されたか気にする必要もないし、ひとり一人の投稿をその人のページまで

a note

「故きを温ねて新しきを知る」 温故知新の言葉のように、古いことを調べてたら新しいことに思いがおよぶ、そんな出来事がありました。 「3年前のブックマーク」という記事をブログに書いたことがあります。2005年のことです。先日それを読み返したときに妙な違和感を感じました。それが何なのかを考察してみます。 ◇ 記事の内容は少し感傷的なものでした。PCを修理に出して、その間しかたなく昔のPCを使ったら思いがけず3年前のブックマークを見つけたという話です。ブラウザに残されてい

NR?

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2004.01.23の記事= 「NRって何?」と聞いたのはもうしばらく前のこと。 会社のホワイトボードの出先を書く欄に書いてありました。見慣れない言葉。新しい得意先か?それとも得意先の会社名を略したものか? 他の人が教えてくれました。「ノーリターンのことですよ。直帰です」「あ~、ノーリターン(No Return)でNR。なるほどね~、直帰ね、直帰」と答えたものの、何かひっかかるものを感じました。 それから

五七五の伝言板

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2006.01.27の記事= 「五七五の伝言板」 先日 久しぶりにHP作成ソフトを触ってたら、昔つくった未公開コンテンツを見つけました。そのコンテンツとは縦書き掲示板。忙しくて管理できないので公開してないけど、実はwebのどこかに存在しています。 ※注:2006年当時の話。2021年現在は存在してません。 縦書き掲示板のタイトルが「五七五の伝言板」 一句思いついたらここに書き込んでいました。懐かしくてつい読

工作の時間

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。 =2008.01.09の記事= 「工作の時間」 年賀状のアイデアを考えてる時にふと思いついたのが、写真の立体化。 写真の立体化とは、映画館のロビーに飾られてる宣伝用の等身大POPみたいなもの。背景の手前で人物が飛び出てるようなPOPを見たことないでしょうか?あんなイメージです。 試しにつくったら面白かったので作り方をご紹介します。 ※自己流なのでもっといいやり方があるかもですが(^^;。 1.まず写真を用意

年賀状に映すもの [2021年版]

我が家の年賀状は、毎年特別な思い入れをもって作られています。 2005年のブログにはこんなことを書いていました。 我が家の方針は家族写真を使った年賀状づくりです。子供だけの写真も微笑ましいのですが、こちらの近況を知ってもらうには家族全員写ってる写真が分かりやすいかなと思ってます。 *** 私にとって年賀状とは1年という月日をハガキサイズにまとめたものです。 1年を総括したものが"年賀状"であるという位置付けです。年賀状の便りで家族の1年を伝えたいという思いが込められてい