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彼の記録、彼方から。

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ある男、エヌの記録。
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2018年5月の記事一覧

【彼の記録、彼方から。】2018/05/08

もしも、世界が愛で満ち溢れているのなら、僕は愛に溺れて死んでしまうだろう。 もしも、世界…

たぬき
6年前
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【彼の記録、彼方から。】2018/05/07

スマートフォンのアラームが鳴り響く。 連休の間、ずっとアラームを使わずに起きたい時間に起…

たぬき
6年前
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【彼の記録、彼方から。】2018/05/06

何もない日だった。 少なくともエヌにとっては。 大型連休の最終日、エヌはとくに予定もなく、…

たぬき
6年前
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【彼の記録、彼方から。】2018/05/05

その日もいつものように、私より一足先にエヌがバーにいた。 私が店に入ったのに気づくと軽く…

たぬき
6年前
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【彼の記録、彼方から。】2018/05/01

いつものバーに行くと、一足先にエヌが一番奥のカウンター席に座っていた。 その日、エヌは山…

たぬき
6年前
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【彼の記録、彼方から。】2018/05/02

「絵描きになろうと思うんだ」 唐突もなく、エヌはそう言った。 突飛なことを言うのが常だから…

たぬき
6年前
6

【彼の記憶、彼方から】2018/05/03

「そういえば、昨晩、絵描きになると言っていたけど、まだ気は変わらないのかい」 皮肉交じりにエヌに尋ねてみた。 彼は余熱で生きているような人間なので、どうせあの情熱だってすぐに冷めているに違いないと思ったのだ。 しかし、エヌからの回答は意外なものだった。 「もちろんだとも。今日だって絵を描いていたんだ。幸い僕には友達が少ないから、邪魔が入らず集中して描くことができたよ」 他の誰かが言っていたなら「かわいそうに」と思ったに違いない。 しかし、エヌに対して「かわいそう」という感情は