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当事者?専門家?プライバシーとバランス

令和4年11月に書いたもの。下書きのまま、眠っていたのでアップします。

久々の投稿です。

 5-10年前程位に、既存の精神保健の専門家のやり方を鵜呑みにできない(こだわり)な当事者性が捨てきれず、当事者研究の本や講座、フラットな対話で統合失調症を治癒に導ける可能性があるオープンダイヤログのワークや講座などに、首突っ込んでいた時期がありました。

 しかし、ナニブン、心理や福祉系の専門家の倫理観やルールでは、当事者性をもちだすと、専門家の職業人格と自分の課題の境界設定を引くスキルに甘い存在、まだ専門家へと解脱していない未満の存在と思われがちで、社会的立場や仕事が得にくく、経済的に自立し生計を維持しなきゃあかん境遇にある自分は、世間に、当事者のおばさんが苦労体験を語り承認して欲しがっているレッテルを貼られるのも嫌だし、社会的に、または仕事上で、当事者だから専門家より格下扱いになり収入や待遇面で差がでないよう、能力保証の見える化として、資格保持の必要を感じました。

 試行錯誤しながらインプットしてきた貴重なことを仕事で生かすには、「資格のある専門家」の切符をもちながら、経験や勉強内容を生かし、職場で周囲と同等の仕事の「権利」や発言への「信頼性」が必要だなあと、受験勉強して国家資格を何個かとりました。

資格を取るたびに、就活市場上で、信用が増し、希望する就職先への、選択枝が広がること、同じ資格を持つ人と共通の価値観で話せることを実感しました。

で、、、転職した今の職場、、「面接で当事者体験を聞かれ、過去の当事者体験を少し伝えたところ、(それを生かしてほしい)と、稀なことを言われ、普通、専門職で当事者性を出すと不採用が多いのに、変わった職場だな~」と思いつつ入りました。

 入ってみると、専門職による自主研修があり、なんと、オープンダイヤログ、そして、当事者研究、気さくなコミュニティを作ろうよなムードを強調しているかのよう・・・・・・

 資格取得の勉強とは、路線が違う自由度カリキュラム?・・・と、口をあんぐり状態、、、。

 好きで追求してきたが、それをやると、専門家として認められにくいツールとして、却下、仕事上では表に出さず足を洗ったつもりの自由なものが、今後の仕事に必要なツールとして、お膳に並べられてるじゃないか?


 わっわっ、なんてこった・・・どうしよ、、、

 しかし、年齢的にシニアよりの新入りな自分は、組織では、若い成長株な方たちのエネルギーや息吹を影からフォローしつつ、業務を教えてもらう立場をとるのが空気として妥当だ。

 以前ワクワク追求したエネルギーをそのまま出すと、過去の栄光を語る痛いシニアおばさんになりそう。

 というわけで、過去に興味の赴くまま、密かに追求、当事者研究してきたことがあるが、職場では、常識ある社会人や資格保持者の信用ある言動をする必要があるし、どう立ち振る舞い、どう過去をアウトプットすれば、痛いシニアおばさんにならないか、1人で作戦会議を開き、役割イメージを膨らませなきゃと考える、やや保身の入った考えでいる。

 なんか、作戦練りすぎると疲れるから、やはり、変わったシニアおばさんになりつつ、アウトプット漏れしちゃうかもな。💦

しかし、、、常識やルールを重んじる職場環境で、当事者研究って、、、💦。

 安全な自助グループなどでは、正直に経験語りしてきた自分ですが、常識やルールを重んずる同調圧力ある環境で、当事者性を吐露して(あの人、私たちとはちょっと違う凸凹があり支援が必要な人だわ)な存在になる勇気はないナイーブさに気づく専門職は、誰もいないのか?

だって、「私たちは善良な市民であり援助者です、、」っていう常識的な集団環境で、あえて(実は私、乳がんで両方とも乳房切除してるんです。見ますか?)とか、(実は私、お尻に30センチ大の黒いアザがあり、おまけに緊張するとオナラが止まらない症状が出ます、見ますか?)って、いくらエンパワメントされても、日常の仕事の延長で、弱みや恥部のある自分を、カラッと自己開示する気にはならないような気がする。(カッコ内は、例えば、、の話です、💦)

安全を感じられず、今話すと、皆と同じでなくなり特別な目でみられるかもしれない、感動ポルノの生け贄対象になるかもしれない、、、と察したら、自動的にフリーズし、当事者語りのことばは、口から出したくないのが人間のアンテナではないかな。

バランスよしが価値のある環境で、当事者性を出して仕事をするって、皆がスーツを着て働いている環境で、一人裸踊りをしながら働いているかのような恥感覚に似ている(爆)。プライバシーは売り物ではないのだ。

(注釈)この投稿を書いたのは、その仕事について間もないころでした。


公開時、加筆↓
※いろいろ迷った結果、定型をよしとする職場環境で、面接時の要求にそって当事者性を出して仕事をするのは痛みを伴うことを自覚し、「仕事用の顔とプライバシーな当事者性は分けて働きたい」、万人受けする定型でなくとも、今ある強みで、生かした仕事の仕方をしようと決めて、その職場は、きちんと常識の段取りにそって。。。。契約期間満了で退職しました。


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