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自然と調和したライトの建物、ヨドコウ迎賓館に感じる美しさと心地よさ

「たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ!」

シータ 天空のラピュタより

いきなりシータの名言から始まりました今回は
20世紀近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが手がけた貴重な建物のご紹介です!

自然の中に存在し自然と共に生活するという
ライトの建築哲学「有機的建築」が感じられる
素敵な邸宅です!

ぜひご覧いただきたい!

ちなみにフランク・ロイド・ライトと帝国ホテルについての記事はこちら👇





貴重さMAX


ヨドコウ迎賓館は
元は神戸市東灘区の日本酒「櫻正宗」の醸造元の8代目当主
「山邑太左衛門」の別荘として
現在の神戸市芦屋に
大正13年(1924)に建てられました。

入り口付近。全貌を見ることはできない。

まず、皆様にお伝えしたいのがこの建物がいかに貴重であるかということです!!

手がけたのは20世紀近代建築の巨匠BIG3の1人
アメリカ人フランク・ロイド・ライト。

ライトの手がけた建築は
いくつも世界遺産に登録され、
世界中に影響を与えた
偉大な建築家です!

ライトの作品が残るのは世界中で
母国アメリカと日本のみ!
例えるなら
レオナルド・ダ・ヴィンチが日本で描いた絵があった!
みたいな感じです😆
もちろんあくまで例え話ですが。

さらに貴重なのが
ライトの作品の中で唯一「和室」があることです!

しかし実は
ライトが関わったのはスケッチまでで
実際の設計は弟子の遠藤新と南信が引き継ぐことになり
急遽、施主の希望で和室に変えたのだそうです。

絶妙に和洋折衷な窓

完成した建物をライトが見たかどうかは不明ですが
もしかしたら
「ワシツ?キイテナイネ〜」と思ったかも知れないですね?


自然を感じる邸宅


では、中を見学しよう!と思ってまず驚くのがこの玄関の狭さ。
写真の左側のドアが玄関なんですが
これ幅1メートルあるんかな?てくらい狭い。
太ったらもう入れない。

入り口を狭くすることによって中の空間を広く見せるという手法だそうです。


自然光に包まれる


この部屋、照明は柱に付いてる丸いのが4カ所あるだけ。
光は天井の周りを囲んでいる小窓と両側の大きな窓から取り入れられています!

光取りと換気用の小窓

「わぁ〜すげぇ〜!照明なくてもこんなに明るいんや〜」と思った2秒後
あることに気づく。
「待てよ、ということは毎日この小窓一個一個
全部手で開け閉めしなあかんのでは・・・。
めんどくs…」
いや、これは庶民の発想であって
ちゃんとお手伝いさんがいてその人の仕事だったんだと考えを戻す。

部屋の両側には景色を切り取ったような大きな窓。
森の中にいる気分。

廊下も光がたくさん入りこむ


窓のデザインが作る影は時間によって変わる


いつだって中心には暖炉があった

人が集う場所、そこには必ず暖炉がある。

応接室の暖炉

ライトは家の中心は暖炉にあると考え
様々なデザインの暖炉を作ってきたそうです。

「暖かい炎は人を引き寄せ、安心させる」
家族が団らんする場所には必ず暖炉を造りました。

食堂の暖炉

実はライトには
雇った使用人に子供を殺されたという過去があるので
家族の団らんを何よりも重視していたのかも知れないですね。


風を浴びる屋上


最上階の食堂から屋上に出ると遮るものが何もない壮大な景色が広がります!

覇者が見る景色

もしかしたら飛べるんじゃないかと勘違いするほど空が近くて風と一体になったような空気。
この日は天気も良くて本当に最高すぎる眺めでした😆

食堂を外から見ると船みたい



大地から生まれたんかな?


見学していると廊下が謎の角度に曲がっていることに気づきます。

実はこの建物が建っているのは小高い山の上で
その山の尾根に沿って建てられているのです!

無理に直線にすることなく
自然の地形に合わせて造られている。

なるほどと思ったのと同時に私の脳内では
この建物が「ゴゴゴゴゴォ…」と大地から生まれてくる妄想が始まってしまいました。

脳内イメージ

いたる所に使われている
ポコポコと穴の空いた大谷石も
大地から生まれたような雰囲気があるし
この妄想いい線いってる👍多分。

RPGで言うところの「大地の神殿」っぽい

とまぁ冗談はここまでにして
山の中に溶け込むような外観の邸宅で
光と風を感じながら火を囲み家族と集う。

それがライトの掲げた哲学「有機的建築」なのかもしれないと
このヨドコウ迎賓館を見学して感じました。

やっぱり、人は土から離れては生きられないのよ!


Information


世界的建築家の残した邸宅で
その哲学を感じてみてはいかがでしょう?

ちなみに辿り着くまでには
心臓破りの坂がありまして
ゼーゼーハーハー言いながらもうアカンってところで辿り着きます。


ここまで読んでいただきありがとうございました!
また次の記事も読んでもらえると嬉しいです^_^
それでは👋🏻

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