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【小学生】自由研究のコツを徹底探究!ユニークな自由研究の「裏側」まとめ

小学生にとって夏休みの宿題といえば、自由研究!最近では「ユニークな自由研究」がSNSなどで話題になることも多いですよね。

誰かをあっと言わせるような面白い自由研究はもちろんのこと、自分自身が「やってよかった、楽しかった!」「自信作ができた!」と思えるようなものには、どんな秘密やコツ、工夫が隠されているのでしょうか?

そこで本記事では、近年話題になった小学生の自由研究を題材に、その「裏側」を分析していきます。「ユニークな自由研究なんて、自分には(我が子には)とても無理・・・」と思われている方はぜひ、参考にしてみてください。

こちらは自由研究の要となる「研究」サイクル。
問い→仮説→実験/調査→考察を、何度も繰り返すと、とても充実した研究になります。
これから紹介する自由研究にも、このサイクルが使われているんですよ!

【自由研究①】全小学生が知りたかった?! 「宿題をさいごの日まで残しておいた時の家族と自分の反応」(小学6年生)

◯ どんな研究?

タイトルの通り、「夏休みの宿題を最終日までやらなかったとき」の、自分と家族の心境が日記形式で書かれています。最終日の本人の心境は、読む人の心を掴む文章です。

◯ なぜこんな研究を?

この研究を行った大(まさる)さんは、例年であれば夏休みの宿題を10日ほどで終わらせていたとか。だからこそ、「宿題を残しておいたときの気持ち」が気になったようです。

◯ この研究のここがすごい!

なんといっても研究テーマが面白いですよね!!「夏休みの宿題が終わらない、どうしよう・・・」という焦りを耳にすることはよくありますが、そこから一歩先に踏み出し、「宿題を"さいごの日まで"残したとき、どんな気持ちになるんだろう?」という問いを見つけるという、着眼点のユニークさが光ります。

そしてこの問いを支えるのが、日記形式でしたためられた記録の丁寧さ。夏休み初日から最終日までの心境の変化が手にとるように分かります。日記というと書き手本人の体験や心境を中心に書くことが多いのですが、夏休みも終盤となったある晩、「実は全く宿題をしていない」という告白をしたときの、家族一人ひとりの反応が記されているのもポイント。この「いくつかの研究対象を比較する」というアプローチは、研究でもよく使われる便利な手法なので、覚えておくといいかもしれません。

【自由研究②】時勢を読んだ問いを発見! 「はんこってなんで押さなきゃいけないの?」(小学4年生)

◯ どんな研究?

「はんこが生まれたのはいつ?」「はんこと印鑑の違いって?」「世界ではんこを使っている国って?」など、日本のはんこ文化についてとても詳細にまとめられた自由研究。なんと50ページを超える大作となっています!

小学生にとっても身近な「はんこ」、大事なのはどうして?

◯ なぜこんな研究を?

本研究の研究者である千那さんが通っている学校である日、プールの授業が始まりました。先生からは「プールカードにはんこがない人は入れませんよ!」とアナウンスがあり、お母さんは「はんこ押し忘れていないかな?」と何度も確認していたそう。

その様子を見た千那さんは「どうしてはんこを押さないといけないのかな?何がそんなに大切なんだろう?」と疑問に思い、研究を始めたそうです。

◯ この研究のここがすごい!

こちらの自由研究が素晴らしいのは、「問い→仮説→調査→考察」という研究の流れを、何サイクルも繰り返しているところ!

各パートは「どうしてはんこと呼ばれるの?」「はんこって日本だけ?」と問いから始まります。千那さんはそれぞれ問いに対し、「私の予想は・・・」と自分なりの仮説を立てています。また調査についても、辞書や本から調べるだけでなく、アンケートを取ったりフィールドワークに出かけたり(実際にはんこ屋さんを訪問)と幅広いアプローチをとっています。

最後に調べたことを自分なりに考察し次の問いにつなげていくので、どんどん研究が深くなるのです。研究の王道ともいえる構成ですが、小学生でここまで徹底的にやり抜く例は稀なので、見習いたいですね!

【自由研究③】世界的な学術誌に掲載?!「カブトムシの活動リズム」(小学6年生)

◯ どんな研究?

本来夜行性であるとされるカブトムシの生活リズムを、改めて調べ直した研究です。なんと独自調査の結果、シマトネリコという外来植物に集まるカブトムシは昼間も活動することがわかりました。この研究成果は論文となり、米国の生態学専門誌「Ecology」に掲載されたそうです!

◯ なぜこんな研究を?

カブトムシが大好きな亮さん。夜行性として知られるカブトムシを捕まえるために、普段は亮さんも夜に出かけていました。しかし庭木に目をやると、日中にも関わらずカブトムシが集まっていたそうです。「夜行性のはずなのに、どうして昼間も集まるんだろう?」という素朴な疑問から研究がスタートしました。

◯ この研究のここがすごい!

調査や実験をするときは、「どうしたら必要なデータを集められるか」を考えて準備することが大切です。ここを怠ると、実験の結果があいまいになってしまうからです。

この研究で亮さんは、「162匹のカブトムシそれぞれに印をつけて、毎日観察する」という、途方もなく地道で手間がかかる調査をやり遂げました。こうしてカブトムシ1匹1匹のデータを集めたことで、世界的な新発見につながったのです。

日々自宅の庭で行う観察が、世界中の研究者が読む論文につながるなんて、なんともワクワクしませんか?まさに千里の道も一歩から、一見地味に見える研究の積み重ねが思わぬ発見につながるかも?!

ユニークな自由研究は、ほかにもたくさん!!

【自由研究④】「自宅に近いコンビニ・スーパーの"ツナマヨおにぎり"の比較」

6種類のツナマヨおにぎりを実際に買って食べてと比較した研究。比べるときに使ったものは ①数値データ(金額、カロリーなどの)、②体感的なデータ(食感、味の濃さ、風味など。定性評価ともいいます)の2種類。自分で食べて比べたからこそ感じ取れるデータも、とても大切ですよね!

【自由研究⑤】「立ち入り禁止を、ナメクジに"知らせる"には?」(小学6年生)

「花もナメクジも傷つけずに、ナメクジが嫌うにおいを探す」というのがテーマの研究です。なんと市販の忌避剤も比較対象に入れて、それよりも良い材料を探しています。これまでに得られた知識や研究成果から、自分なりに仮説を立てて研究に取り組む姿勢が素晴らしいです!

【自由研究⑥】「文房具図鑑」(小学6年生)

好きな文具を、手描きで100ページ超えでまとめたこちらの文房具図鑑。本やインターネットにある情報をまとめるだけでなく、「自分で観察したからこその気づき」をたくさん載せることで、とてもユニークな自由研究となりました。その緻密さ、網羅性が出版社の目にとまり書籍化につながった、というストーリーも素敵ですね。好きも突き詰めるとここまで立派な作品になるという例です。

【自由研究⑧】「かつお節はなぜ踊るのか」(小学6年生)

アツアツのお好み焼きやたこ焼きにかけると、踊るようにゆらゆらと動くかつお節。台所から生まれる謎の解明に挑んだ研究です。

かつお節をかける料理、周囲の湿度・温度、かつお節の厚さなど、「踊るかつお節」に関わる条件を1つずつ変える「対照実験」を行っているところが素晴らしい!さらに顕微鏡でかつお節の細胞を観察するなど、科学的な実験・観察を何度も行う姿勢が良いですね。

【自由研究⑧】「虫が集まるコンビニって?」(中学1年生)

「夜、明るいところに虫が集まる」というのはよく知られた事実。ですがこれをそのまま鵜呑みにせず、「同じように明るいところでも、虫の集まり具合にばらつきがあるのはなぜか」と突き詰めたのが本研究です。

「周知の事実〜知っているはずのこと〜」を改めて調査してみると、意外な事実が見つかるかもしれませんね!


おわりに

いかがでしたか?先人たちの発見から学びを得て新たな研究の種を見つけたり、誰もが疑問に思っているけれど意外と調査されていないことに挑戦したりと、切り口はさまざまでしたね。共通するのは、自分が「知りたい」と強く思う、夢中になれる興味関心の対象を見つけること。本記事でご紹介した自由研究の着眼点や研究方法を参考にして、ぜひあなたならではの研究に乗り出してみてくださいね!

《おしらせ》 自由研究が完成したら、応募しよう!(9/4〆切)

今夏、自由研究に取り組む全国の小学生を応援するグランプリを開催します!名付けて、「小学生探究グランプリ〜なりきり!研究者〜」(「探究学習100」運営事務局主催)

このグランプリでは、研究テーマや手法に制限を設けていません。自分の興味関心を膨らませ、「"ホントに自由"な研究」に挑戦してみてください。研究の第一線で活躍するプロフェッショナルたちが審査・講評します。みなさんからのご応募、お待ちしております!


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