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帰省の際の儀式

基本的に、盆や正月には実家への帰省をするようにしています。

帰省の際にいつもしていることは、
「置かせてもらっている私物の確認」です。

本や雑貨、アンティークなど、自分の私物を実家に置かせてもらっているのですが、押し入れいっぱいに詰め込まさせてもらっています。

「あれ、要るの!?」

と、帰省の度に母からせっつかれます。

母からしたら、「よく分からない古本や古紙」「得体の知れないガラクタ」なんだと思います。

確かに、押し入れいっぱいのそんなモノ達と一緒に暮らしていて、スッキリしないから文句も言いたくなりますよね。

申し訳ない…。
と、思いつつ、それらが無事に保管されているか、勝手に捨てられていやしないか、帰省の度に確認しています。

若い頃に購読していたナショナルジオグラフィックやSINRAは写真が良くて、なかなか捨てる事ができません。

海外・旅行関連、美術・イラストレーション関連の雑誌や書籍もそこそこあるように思います。

そんな色々あるモノの中から、東京の現住所へ引き上げたいものを厳選して、少しずつ持ち帰るようにはしています。

今回、東京へ引き上げたモノは、2冊の本です。


1点目は、ターナーの図録です。

若い頃に古本屋で購入したものだったように記憶しています。

昨年にパリを訪れた際に、古本市でターナーの作品集を見かけた事がありました。ベニスの街を描いた作品を集めた内容でした。

かなり汚れていたので買わずにいたのですが、それ以来買わなかった事がずーっと心残りで。。

そういえば、昔に買ったターナーの図録が、実家に置いてあったなぁと思い出し、今回持ち帰りました。

ガッシュで作品制作をする際、最近はかなりムラや筆跡を使って描くようにしています。

ターナーの色使いや筆使いから、何かヒントが得られないかな、と思っています。


2冊目は、アンリ・カルティエ=ブレッソンのパリの街や人々を撮影した作品集です。

パリの旅行を終えてから、自分が撮影してきた写真をもとに、作品を何点か描きました。

明暗のバランスや構成を自分なりに意識してみたのですが、まだまだ研究が必要と思っていた時に、ふとこの作品集を思い出したのです。

全てモノクロで、魅力的なパリの様子が満載の作品集。明暗や構図の研究にもってこいだなと思いました。

アンリ・カルティエ=ブレッソンの大きな企画展が東京で行われた際に、すごく感激して、それをきっかけに通販でこの作品集を買ったように記憶しています。


私は、本も道具も雑貨も、捨てれずいつまでも取っておく性格です。

過去に出会った本やモノが、ある時点で再び必要になって、新たな気づきを与えてくれるのでは?

今回の2冊を眺めながら、そんなことを思ったりしました。

まだまだ、実家の押し入れの中身は、母が期待するようには、断捨離を進められそうにありません。

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