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"味と香りの調べを奏でる"カレー

この辺りで一番有名なお店と言えば、印度料理シタールの他ないだろう。食べログ評価も3.88(2021年10月時点)、メディア露出も多数あり、カレールーの通販やコラボ商品も発売。1981年のオープン以来絶えず人気のお店だ。

そんな、名実ともに地元の有名店を今回は訪れてみた。

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場所は京成千葉線検見川駅すぐ、幕張ベイタウン&ベイパークからは、自転車で10分ほどである。ただし道を間違えてはならない。東関東自動車道攻略を考えると花見川沿いのサイクリングロードがおそらく最短かつ唯一のルートとなる。

建物は異国情緒漂う独特の外観。そして、普段は大変混み合うため順番待ちの待合室まで用意してくれている店内、今回はランチ終了前だったからか、ほとんど待たずに入れた。

建物左端にあるドアが待合室入り口。

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少し迷いながらも頼んだのは、シタールランチセット(バターチキン&キーマ/ライス→ナン変更)とタンドーリチキン(1個)。

料理を待っている間、銅製のピッチャーでキンキンに冷えた水を同じく銅製のコップで飲み干す。店内を見渡せば、本格的なインド料理店にもかかわらずホールのお姉様方は皆日本人のようで、手際良く接客や後片付けをする姿がとても印象的だった。

そして、料理が到着。
同時にテーブルにある3種類の調味料もご丁寧にお姉様から説明頂けた(有り難や…)

①アチャール
玉ねぎやトマトを漬け込んだインド版の漬物。そのまま食べても良し、ナンに乗せながらルーに付けて食べても良し。

②チャツネ
マンゴー等で作ったジャム。ナンに塗って食べるとデザート感覚が楽しめる。

③黒ハチミツ
こちらも甘く、ナンに塗ることをおすすめされた。辛いものを食べた後のお口直しとしても最適そうだ。

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これら脇役も横目に見ながら、早速実食。
どれも本当に美味しい。いや、美味しいという言葉では語りきれない程の複雑な味、ハーモニー!

タンドーリチキンは炭火で香ばしく焼きつつも、下味のコクがしっかりと残った逸品。

タンドーリチキンとセットに付くラッサムスープ。こちらのスープも絶品!

バターチキンカレーは、バターだけでなくおそらく生クリームも加えているであろうコク深い濃厚な味わい。辛さはなく、心地良いクリーミーさが後味に残る。

キーマカレーはかなり辛いのだが、それを忘れてしまうほどの複雑な香りとスパイスの調和。

そして、それらと共に食すナンはカリッとジューシーに、最高の焼き加減を施されていた。

左がバターチキン、右がキーマ。カレーを引き立てる青い器も美しい。

アチャール/チャツネ/黒ハチミツもそれぞれカレーとナンに良いアクセントを与えてくれる。色々な味を試していたら、大きなナンもあっという間になくなってしまった。笑

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"味と香りの調べを奏でる"

お店のキャッチコピーなのだろうか。メニュー表やHP等で店名と共に添えられたメッセージ。

だが、まさにそうだと思った。
一品一品どれをとっても手を抜くことなく美味しかった。そして、そのどれもが、単一ではなく複雑な素材やスパイスの組み合わせによって実現されていた。

これらがお互いの魅力を引き立て合いながらも全体として見事に調和する、さながらオーケストラを楽しむような気分。最高のオーケストラには、最高の指揮者。シタールは確実にその域に到達していた。

近くを歩くと業務用倉庫が。この看板にも同じメッセージが添えられていた。

ここで思い出すのは、のだめカンタービレでのシュトレーゼマンの台詞「オケは一日にして鳴らず

指揮者を目指す千秋に対して巨匠・シャトレーゼマンが、オーケストラは家族であり、家族になるためには時間と努力が必要だと説いた際の言葉である。

オーケストラ同様、この絶妙な味と香りの調和は一朝一夕で得られるものではないと感じた。40年間も地元で愛され続けながら進化した、独自の境地なのではないか。

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そして、テイクアウトもできるが、絶対に足を運ぶべきお店だとも感じた。

店員のお姉様方のホスピタリティも、テーブルに置いてある調味料も、素敵な店内の雰囲気も、実際にお店を訪れないと楽しめない。

長年地域に愛され続ける名店とはこういうものだと、改めて思い知らされた。

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