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「自己決定によるカウンセリング手法について」

10月18日におこなう研修用に作成した資料です。

「自己決定によるカウンセリング手法について」
特定非営利活動法人ルネスかごしま 谷川勝彦

〇事例1
居宅介護支援をしています。
支援に行くと、主介護者が、被介護者から「こんなことをされた、あんなことをされた」と不満が出て、それを、時には長い時間をかけて聴きます。
本来の業務に差しさわりが出ることもあるのですが、どうすればいいでしょうか?

〇事例2
生活困窮支援をしています。
被支援者が無駄遣いをやめません。
何度も指導をするのですが、聞き入れてもらえません。
どうすればいいですか?

私たちは支援の入り口で「傾聴」をします。
では、なんのために「傾聴」をしていますか?

あるいは、みなさんは仕事として「支援」をおこなっています。
では、誰の何のために、「支援」をおこなっているのですか?


「傾聴」は、目の前の人の困りごとを聴き、それに対して、自分たちになにができるのかを考えるためにおこなうものです。
当事者がこれからの人生をどのように生きたいのかをお聴きするために聴くものです。

そうしてまた、それらのことを通じ、当事者との間に「信頼関係」を築き、その人がより自分らしく生きることができるようになるお手伝いをする、そのための準備としておこなうものです。

傾聴の具体的な手法

やること3つ
・「黙って聴く」
・「うなずく・あいづちをうつ」
・「おうむ返し」

できるだけやらない
・「質問」
・「助言(アドバイス)」
・「自分の話(経験談含む)」


なぜ、やること3つ以外はしないほうがいいのか

・最初に目指すもの→信頼関係の構築

・最終的に目指すもの→
①カウンセリングの定義
  本来自分の行動に責任を持つ力のある相手(来談者)が自己理解を深める中から、意味のある自己決定をして、それを実行に移して行けるように援助すること
②カウンセリングの目標
  相手の問題をすべて解決することではない。問題を抱えながらも、自己を失うことなく、問題に取り組んでいく自信を持てるようにすること

「傾聴」について
・自分はわかっているか

・自分はできているか


〇「支援」の出口はどこか、最初から意識していますか?

・その人が望んでいることはなにか
・その人が私たちにしてもらいたいことはなにか(傾聴)


・そのために私たちにできることはなにか(頭を使う・汗を流す)


・できないことであれば、どこかにつなぐことができているか(リファー)


・その人が大切にしているものに対して、敬意を払っているかどうか
・人として尊重することができているかどうか


・その人が、自分や他者に依存することなく、より良い生活を送ることができている、その具体的なイメージを持つことができているか


・尊厳
・「自分がされて嫌なことをしていないか」
・「自分がされてうれしいことをしているかどうか」

お読みくださりありがとうございます。 いただいたサポートは、NPO法人ルネスかごしまが行う「生活困窮家庭・ひとり親家庭支援」に全額使わせていただきます。