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NPO法人ルネスかごしまが「合格しました」「就職が決まりました」と言わない理由

うち(NPO法人ルネスかごしま)は、あまり(というかほとんど)うまくいった事例というか、たとえば、「学習支援をおこなっていた人が高校に合格しました」とか、「ひきこもり支援で関わっていた人が就職をしました」とかを書かないんだけど、それには理由があって。

1つにはもちろん、プライバシーの問題があって、この狭い社会では、「あの人は支援を受けてここに来たのか」ということが特定されてしまうことがあり、それ(他人にわかってしまうかもしれない、ということ)を本人が望んでいない場合もあって、だから、書かない。

もう1つ、「進学や就職がゴールではないと、本気で思っている」というのがあって。進学や就職は、社会的に見れば、おそらくは大きなステップで、もちろん本人自身やまわりの人、親御さんなどもそれを喜んでくださることもあって、いいことなんだから褒めた方がいい、という考え方もわかるんだけど。

カールロジャーズの近代的カウンセリングの中には、「評価をしない」というのがあって、それは、あくまでも、こちら側(カウンセラーや支援者側の)の価値観で判断しない、ということであって、本人やその周囲が喜んでいるのなら問題は無い、という考え方にもなりうるんだけど。

これは、私がひきこもりという、社会から少し離れた環境にいた期間が長いからなのかもしれないのだけど、社会からの評価って、簡単に手のひらを返すし、また、ほめることって「ほめられる=社会的に評価されるようなことをしないといけない」という、社会的圧力をかんじることもあって、それを、私が窮屈に感じている、ということもあるだろうと思うのだけど。

社会や世間がほめてもほめなくても、あなたは、あなたがやりたいことを(もちろん、法令などに反しない限りにおいてだけど、あ、時には反したっていいと私は思うんだけど)やっていい、その自由がある、ということを、ちゃんと態度で伝えたいと思っていて。

何をしても、しなくても、あなたがあなたでいることには変わりがなく、どんなあなたでも、求められれば私は話を聴くし、できることがあればお手伝いします、ということを、姿勢で伝えていきたいな、と思っているからなのですよ。

お読みくださりありがとうございます。 いただいたサポートは、NPO法人ルネスかごしまが行う「生活困窮家庭・ひとり親家庭支援」に全額使わせていただきます。