「不登校・ひきこもりの子どもさんに親ができること」講演会資料

「不登校・ひきこもりの子どもさんに親ができること」2019年9月22日
NPO法人ルネスかごしま代表 谷川勝彦

〇不登校・ひきこもりの原因は?
様々なものがあるが、本当のところは本人にもわからない。
→これまでではなく、これからどうするか
 不登校・ひきこもりの経験をこれからの人生にどのように活かすのか
  →原因や責任にこだわるのでなく、今の状況をどうやっていい方向へ持って行けるかを考える
   苦しいできごとは家族がお互いを見つめ、お互いの関係を見つめ、
   生き方を変えるチャンス
   ちょっとづつ家族全員が成長し、豊かな人生へとつなげていく

〇不登校・ひきこもりの子の心理状態
・他の人が「普通に」できていることを自分だけできないという不安、恐怖
「どうして自分はできないんだろう」→自責

・原因が自分でもわからず、ひたすら疲労している
・将来が閉ざされた絶望感。未来が見えない
「勉強が遅れてしまう」「進学できないのではないか」

・人にどう見られているかという不安、恐怖
・安心できる場、居場所のなさ
・責められてもどうしていいかわからない。

〇家族の接し方
・基本は「受容」周囲の無条件の支えがあって、回復へとつながる

学校に行けないでいる自分は価値が無いのではないか
→学校に行く行かないで、あなたの価値は決まらない

学校に行って勉強しないといけない
→勉強はしたいときにできる、いつ始めてもいい
→安心することで、自分から目標を持って、勉強を始めるケースも多い

愚痴、悩みを話してくれたら
→黙って聞き、気持ちを受け入れ、包み込んで安心してもらう
 (親の気持ち、思いは子どもさんは十分にわかっておられます
  できるだけ、親の立場を押し付けることが無いように)
家族の生活パターンを大きく変えない
(あくまでも、不登校・ひきこもりは特別なことではない、起こることだという認識)

少し距離を置いて接する
→家族の不安は本人でなく、相談所や専門家へ
 そのためにも、頼れる場所や相談できる場所を作っておく

相手の暴言を個人攻撃と受け取らない
(子どもは、言葉で自分の気持ちを表現することが得意ではないことが多いです)

本人の持つ力を信頼すること
本人のペースを大事にすること
(あせらせない、あせらない)

小さな目標を立てる

1人であるいは家族だけで抱え込まない

きっと道はひらけるという確信(自信)
親が揺るがないでいることで、子どもさんも安心する

〇不登校・ひきこもりの子どもさんに対して、周囲がしてしまいがちなこと

・「気楽に考えようよ」とアドバイスしてしまう
→「あなたは私の苦しさがわからないから、そんなことが言えるんだ」
 →「やっぱり自分はわかってもらえない」

・「自分はこうやって良くなった」と自分の経験を語ってしまう
→「今、自分は苦しい」そのことがわかってもらえない
 →孤独・孤立
また、一つの方法が誰にでも通用するとは限らない

・自分の心配を本人にぶつける
(親とこどもさんでは悩みの種類も違う)

・一緒に落ち込む、生活パターンやリズムを変える
(自分のせいで、親が苦しんでいるという自責)
→どんなことがあっても、あなたのことを思っているというメッセージを伝える

・過度に反省する
→やはり、自分のことで親も苦しんでいると悩む

〇できることから始める(子どもさんも親も)
・楽しいこと、できることからやる
・できなかったことを責めず、できたことをほめる、感謝を伝える
・試しにやってみる
・子どもさんの世界を尊重する(一緒にゲームをやってみる)
・親も自分の世界を話してみる
・様々な生き方、価値観があるということを、親自身が理解する
(成績よく、良い学校に行き、良い会社に就職することが、人生の目的か)
・第3者に頼る(社会資源を使う)
・親も気分転換をする(親の気分は伝染する)

〇暴力、親自身の不安、何かの病気、障がいなのでは?
・専門機関への相談
・お互いの気持ちがおさまるまでは距離を置く
・「私は」という言葉で気持ちを伝える
・親との関係が悪くなることは、子どもさんも望んでいることではない

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