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谷郁雄の詩のノート2

恐る恐る始めたnoteでの連載ですが、さっそく「スキ」をつけてくれたり、フォローしてくれるやさしい人たちがいました。吉本ばななさんや枡野浩一さんや文月悠光さんにも「ありがとう」と言いたいです。その人たちに励まされるようにして、2回目の詩をお届けします。今日はゴールデンウィーク明けの仕事の日ですが、ランチのあとで高円寺の街をぶらぶら歩きしたいと思います。皆さま、良い一日を!

「先生」

強さや
知識や
才能は
生きるうえでの
武器になります

けれど
他人を思いやる
やさしさだって
武器になります
と先生は言った

先生は
生徒たちに
愛されていたが
出世コースからは
大きく外れていた


「神様」

神様は
いるかもしれないし
いないかもしれない

けれど
君には
友達がいる
好きな人も
いるかもしれない

神様が
いなかったときのために


「今日が」

いま
笑うのは
またいつか
泣くから

今日
青空を
見上げるのは
明日は
雨かもしれないから

今日が
人生最後の日でも
私は
学校に行くだろう

好きな男子に
好きですと
言えないままで


「缶コーヒー」

自販機から
ホットコーヒーが
姿を消した

木々は
つややかな若葉を
風にそよがせ
道行く人も
薄着が目立つ

ホットコーヒー好きには
一抹の
寂しさと悔しさが
心の中に残る

でも
やっぱり
コーヒーが飲みたい
アイスコーヒーで
心を満たそう

小さな缶を
傾けて
見上げる空は
失くしたものや
忘れたことを
やさしく隠してくれている




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