見出し画像

「精神科医が教える ストレスフリー超大全」を読んだ

精神科医の樺沢紫苑先生が書いた「精神科医が教える ストレスフリー超大全」という本を最近読みました。

樺沢紫苑先生といえば、「アウトプット大全」・「インプット大全」等の著書で知られています。僕も以前「記憶に残すにはどうしたらよいか?(アウトプット大全・インプット大全を読んで)」というnoteを書きました。

今回の「精神科医が教える ストレスフリー超大全」には、ストレスを適度に保ちながら幸せな生活を送るための「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」について記されています。

本書にある医学的・心理学的なアプローチからの様々なアドバイスは、とても参考になることが多いと僕は感じました。そこで特に印象に残った箇所についてお話ししたいと思います(引用部分は一部編集してあります)。


ストレスフリーな人とは?

日々のストレスをゼロにすることが、ストレスフリーなのではありません。昼間にバリバリと働いてストレスが多くても、ちゃんと夜にリセットして解消していく。そのように、ストレスと上手な付き合い方ができ、ストレスを溜め込まない人のことを「ストレスフリーな人」と定義します。

ストレスゼロではぼんやりとした物足りない毎日となり、人間的な成長が見込めません。また逆にストレスが過剰になるとメンタル疾患に陥ってしまいます。ストレスを適度に保つことで脳が活性化し、人間的な成長につながるということです


好意の1対2対7の法則

10人の人がいるとしたら、そのうち1人はどんなことがあってもあなたを批判する。そして10人のうち2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ。「嫌い1 好意2 中立7」。これを好意の1対2対7の法則と呼びましょう。

リアルにおいてもSNS等のネット上でも、10人集まれば1人は気の合わない人、2人は気の合う人、7人は中立的な人(プチ好意派)くらいの割合になることが多いと著者は述べています。またその中の「嫌いな1割」の感情は簡単には変えられず、他人はコントロールできないといいます。嫌われないための努力よりも好かれるための努力をすること。その結果自分に好意的な人を大切にすることが大事ということです。


人生の3つの幸福

セロトニン的幸福=「やすらぎ」「癒やし」「気分」の幸福感。健康がベースで、ポジティブで前向きな気分に包まれる。「不安」「心配」等により低下する。
オキシトシン的幸福=「つながり」の幸福感。スキンシップ、コミュニケーション、愛情、感謝等に関連する。
ドーパミン的幸福=「やる気」による幸福感。「成功」「大金」「昇進」等といった達成感や高揚感に関連する。

幸福感を引き起こす脳内物質には主に「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」があり、それぞれ幸せの質が異なるといいます。

この中で最も大切なのは「セロトニン的幸福」で、心身の健康による幸福感ともいえそうです。2番目に大切なのは「オキシトシン的幸福」で、安定した人間関係による幸福感ともいえそうです。最後の「ドーパミン的幸福」は社会的成功による幸福感ともいえそうです。


順番を間違えると幸福にはなれない

「セロトニン」→「オキシトシン」→「ドーパミン」という順番で実現させていくのが大事。セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福という「幸福の土台」をおろそかにしてドーパミン的幸福を目指すと、やがてすべてが崩壊する。

多くの人は幸福を考えた場合、「ドーパミン的幸福」を思い浮かべるようです。その多くはお金や財産、仕事の関連かもしれません。しかし著者はドーパミン的幸福は最後に目指すべきであると説いています。つまり健康や人間関係をおろそかにしてお金や仕事での成功を手に入れても、幸せにはなれないということです。

僕自身も恥ずかしながら、これまで「ドーパミン的幸福」を重視しすぎたという反省があります。世の中には働き過ぎで過労死する方や体調を崩す方もいますし、また仕事偏重による家庭内不和や離婚に至る方も多い印象があります。働き方改革によって以前よりは改善している部分もあるとは思いますが、これからはますます「セロトニン的幸福」と「オキシトシン的幸福」を重視した働き方が求められるのではないでしょうか。


おわりに

今回紹介させて頂いた「精神科医が教える ストレスフリー超大全」には、幸せに生きるためのヒントが綴られていると僕は考えています。もちろん幸せの定義は人それぞれであり、本に書いてあること全てが役に立つわけではないでしょう。でも人生を豊かにするヒントを少しでも得られるとすれば一読の価値はあると思いますし、ぜひオススメしたい1冊です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,468件