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サービスデザイナーとして資料をデザインするということ

はじめまして。NTTデータのデザイナー集団「Tangity」でサービスデザイナーをしているFutamuraです。今回は「サービスデザイナーとして資料をデザインするということ」についてご紹介いたします。

特に以下について漠然と気になった方の参考になれば嬉しいです。
依頼を受けてビジネス資料のデザインをするのってどんな感じ?
サービスデザイナーとして資料デザインを行う上で必要な心構えって?



1.はじめに

すでに「Tangity」メンバーにも居ますが、実は私も今年の6月まで事業会社でプロダクトデザイナー(インダストリアルデザイナー)として働いていました。 そして、今年の7月にTangityにJoinし、金融系サービスの開発やデザインイベントへの出展、資料デザインなど、様々なプロジェクトに関わってきました。 今回は、特にサービスデザイナーとしての資料デザインを任された経験について話を進めたいと思っており、挑戦や挫折、そしてそこから得られた学びについて皆さんと共有できればと思っています。

2.資料デザインを任された

まず前提として、資料デザインといっても非常に広義で、教育用、商業用、啓蒙用など多様な目的があり、幅広い対象者、スタイル、フォーマット、作業環境が存在していますが、今回は「依頼者がプレゼンに使用するための一般的なビジネス資料」を対象にしたお話をしようと思います。

例えば下記のような案件を経験しました。
・内定者向けの事業部紹介資料作成
・分野長からの情報発信資料作成
・行政向けの提案資料作成etc...

元々デザイナーだったので、デザイン案の提案資料やポートフォリオ作成経験はありましたが、一般的なビジネスシーンで依頼を受けてのプレゼン資料作成は未知の領域でした。 とはいえ、依頼は原稿資料をきれいにするというシンプルなもので、特にポートフォリオやグラフィックデザインのような凝ったデザインは不要なので、そこまで難しい仕事でははないと思っていました。 しかし、実際は全くそんなことがありませんでした。そこには多くの困難、そして発見がありました。

3.資料デザインにおける挫折と学び

3-1.自分の得意な型が使えない

前職でも資料を作る上で、レギュレーションやトンマナが設定されている資料を作成したことがありますが、あくまで細かい表現やレイアウトは自身の得意な「表現の型」のようなものを使っていたような気がします。 例えばですが、私は過去こういった堅めの資料を作成する際は、文書のような、情報を羅列したビジュアルにならないよう余白を大きく取り、色の数も抑え、テキストサイズの強弱を大きくつけたミニマルなデザインを好んで使用しておりました。 個人的な経験則でとにかく視覚的に入ってくる情報量を減らし、見て欲しい部分だけ見えれば良い。加飾は少なければ少ないほど良い。という思想で、私の中の型として繰り返し使用していたわけです。 しかし、第三者から依頼を受けて資料をデザインする仕事ではそうはいきませんでした。 例えば絶対にこの情報は全てここに載せて欲しい。未来感のあるリッチなテイストにして欲しい。フォントサイズはこれにして欲しい。という要望を受け、いざデザインしてみようとすると、全く手が動かなくなってしまったのです。 資料作成の過程で自分が良しと思って行なってきたデザインの所作が通用しないと痛感した瞬間でした。 これは単なる経験不足という話だけではなく、無意識のうちに自分の中で心地が良いと思っているデザインばかり選んでおり、デザインの幅の広がりを自ら閉じてしまっていたのではないかとハッとしました。 これまでの経験を振り返ると、資料デザインに限った話ではなく、「自分が心地よいと思う型」を繰り返し使ってきたせいで、それが通用しなくなった時動けなくなってしまう、そんな場面が何度かあったかのように思います。 「あらゆるデザイン行為において、得意な型にとらわれず、異なる表現にも目を向けてデザインの幅を広げていく」ことが改めて重要だと気付かされました。

3-2.依頼者が伝えたいことの意図を大枠でつかまなければならない

例えば自分で何かプレゼン資料を作成する場合、自分で伝えたいことは明確になっている(はず)なので、情報を整理することができ、ビジュアルに落とし込んでいくことができます。
しかし、その資料が自分ではなく代理で行う場合、「依頼者が伝えたいことの意図を掴む」必要が出てきます。いうまでもないことではありますが、これが中々難しいと感じました。 依頼者と密にコミュニケーションが取れれば問題がないのですが、依頼者が多忙で時間が取れない場合はそうはいきません。原稿にあるメモ、そして定例の進捗共有のタイミングで話した内容を頼りに資料をデザインする必要があります。 限られた条件下で依頼者に納得してもらえる資料を完成させるために、私はスライド1枚1枚の細かなビジュアル表現に対するレビューをもらい、1枚ずつ確実に完成させていくしかないと考えていました。
ですが、これは誤りでした。 そもそも依頼者は必ずしもこういう資料にしたいという具体的なイメージが決まっておらず、「こうこうこういうイメージがいいと思うんだけど、ちょっとそういうデザインセンスないから任せるよ」といった会話が多々発生し、一つずつこなすようにスライドを完成させていくことができませんでした。
代理で何かデザインをしたことがある人ならわかるかもしれませんが、具体的なイメージを伝えてもらわないと表現できないので、正直少し困り果てました。
しかし、一回立ち止まり、こう考えてみました。 そもそもサービスデザイナーに資料のデザインを任せることに対する期待ってなんだろうと。 もしかしたら、外注でもっと安くプレゼン資料をデザインしてくれる業者もいたかもしれません。
しかしサービスデザイン組織のTangityへ依頼をしたわけです。
きっとそこには「原稿を綺麗にしてくれる」のではなく「良い資料に導いてくれる」が期待値として近いのではないか。
そう考えた時、私がサービスデザイン組織の一員として果たすべき役割は、スライドの細部のデザインについての合意形成よりも、依頼者が伝えたい核心を大枠で捉え、全体のストーリーがつながるような提案をすることだと感じました。

3-3.使用ツールや視覚表現などの勉強不足を痛感した

以前は、なにか二次元上でデザインをするといえば、Adobe Illustratorを使用しており、PowerPointは基本的にイラレなどで作った素材をはりつけて簡易的なプレゼンを行うくらいのツールとしてしかみてきませんでした。
しかし、依頼者が編集する可能性や共同作業のしやすさを考慮し、PowerPoint上で資料を完成させる必要があったため、まずPowerPointだけを使って資料をデザインするのは私にとって大きな挑戦でした。
最初は非常に苦労しましたが、TangityメンバーからのサポートでPowerPointに慣れていく過程で、意外とIllustratorやPhotoshopに似た便利な機能や、効率的なレイアウト技法があることを学び、今では、資料のデザインはパワーポイントの方が適しているとまで思い始めました。 そのほか、1と少々内容が重複しますが、元々グレースケールやくすみカラー、フラットで余白を大きく使ったシックでミニマルなデザインが好みで、逆にビビッドカラーやグラデーション、立体表現、といったリッチなデザインが苦手でした。しかし、この資料デザインの経験を経て、配色のコツや、魅力的なグラデーションの使用方法など、新しいデザインテクニックも身につけることができました。

4.まとめ

サービスデザイナーとして資料作成依頼に求められるのは、 単にビジュアルを美しく整えることではなく、依頼者の意図とメッセージを的確に捉え、伝達することや、様々な視覚表現の引き出しの広さはもちろん、依頼者のニーズを満たし、依頼者の考えを効果的に表現するための洞察力といえるのではないでしょうか。
この資料デザイン経験によって、サービスデザイナーとしての私の視野が広がり、 漠然と凝り固まっていた思考がほぐされた、そんな心地です。
これからも、得た知識と経験を活かし、新しいプロジェクトに挑戦しながら、サービスデザインの分野でさらなる成長を遂げていきたいと思います。
次回のお話で新たな発見や冒険を共有できることを楽しみにしています。どうぞお楽しみに!

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