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【LINEコラム】若々しさを保つ秘訣は『血管』の老化予防!大病知らずな身体をつくる運動方法(2022.10.24配信)

こんにちは。
個別×本質的な健康づくりで働く人のQOL向上をサポートするライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

10月も残すところあと1週間となりましたね。来週にはもう11月始まります。時が経つのは本当にあっという間ですが、年齢を重ねてくるとよりその速度が速まるような気がしています。ついこの間まで「30代前半」と思っていたのに……。
そんな私も実年齢を問われて答えると、

「まだ若いよ!」

と言われる前の間がだんだん長くなり出したな感じる今日この頃。
今週のコラムでは

血管に優しいおすすめの運動 

について紹介していきます!

人間の年齢を『家の築年数』に換算すると、皆さんは『築何年の家』に住んでいることになりますか? 『老化は外見だけの問題ではない』ということを念頭にお目通しいただけると嬉しいです!




皆さん、あまり気にしたくないであろう言葉。それが『老化』ではないでしょうか?

皆さんの老化度合い、どうですか?

そんなことを笑顔で聞いてこようものなら「なんて失礼な奴!!」と確実にネガティブな印象から始まってしまうこと間違いないですよね。笑

しかし、残念なことに、人間の身体は20歳をピークに老化の一途をたどっています

そう、このコラムを読んでいるであろう皆さんの身体は、確実に老化していっています。そんな残念な現実を突きつけるわけではなく、それを少しでも遅らせて、いつまでも元気で若々しくいるためのコツとして、

外見を取り繕うことばかり考えるのではなく、
中身の保全補修を第一に考えませんか?

というご提案です。
これは持論ですが、中身を整えるために必要なことをしていれば、外身を作ろう必要性はないのです。

そこで皆さんに質問です。

身体の中身:臓器・骨・筋肉・脳
これらに一番影響を与えるものは何だと思いますか?

それが『血管』です。正確に言うと『血液』なのですが、その血液の通り道が『血管』になります。ではなぜ血液が大事で、血管を大切にしなければならないのか?それがどう中身を整えていくことに必要になるのか?

それらを踏まえた上で、血管・中身の補修保全におすすめな運動を紹介していきます。




はい、ではまずこちらをご覧ください。

日本人の主な死因ランキング

ここには日本人が無くなる原因となる項目が並んでいますが、第2位と4位に『心疾患』『脳血管疾患』がランクインしています。これは簡単に言うと

年齢を重ねると共に血管がもろくなって起こる病気
によって亡くなる日本人が年間30万人いる

という事実です。
そう、『血管がもろくなって死ぬ』人が死因第1位のガンと変わらないくらいいるということです。

皆さんは健康診断などの検査項目で何を見ますか?
血液検査の結果?
体重の数字?
メタボか否か?
総合判定評価のアルファベット?
ぱっと見自分でもわかる項目しか見ない方も多いと思いますが、問題はそこではありません。

重要なのは、検査等でわかる・示唆されている『異常値が何を引き起こす可能性が高いのか?』という現実です。

例えば『血圧が高い』という事例を挙げましょう。

血圧が高いと何がいけないのか?
そもそも血圧というのは、ひと言で言うと『心臓から血液を送り出す際の圧力(強さ)』のことです。この『血圧が高い=押し出す力が強い』ということになりますが、これはあくまで心臓側からの見方になります。では、送り出された血液側から見るとどうでしょうか?

そう、心臓から出た血液は、『血管』に入りますよね。

つまり、行き着く先は血管なんです。血液の流れというのは、血管が心臓から送り出された強さを受け止めつつ次へ送り出すためにしなることで巡り、それが全身に広がっています。

つまり、その血管が柔らかさを無くし、硬くなってしまっていたら?

血管の柔軟性が無くなると全身に血液を効率よく送り出すことが難しくなります。そうすると血液の流れが緩やかになることで、徐々に塊が作られてきます。その塊こそが『血栓』であり、それが血管内で大きくなり、

・肺で詰まる → 肺塞栓症
・心臓で詰まる → 心筋梗塞
・脳で詰まる → 脳梗塞

という病気に発展します。

また、血管の一部の壁が薄くなることで『膨らみ』ができることがあります。当然その中にも血液は流れ込んで滞留が起こります。

これがいわゆる『動脈瘤』というもので、すぐどうこうなるものではありませんが、滞留する血液の量が増えてくると血管の壁が耐えられなくなり、破裂します。破裂した血管から血液が漏れ出すとどうなるか?

血管の外に漏れだした血液が、本来ほしいところに血液が届かないことになってしまいますので、当然身体の各機能は正常に働かず血圧が下がり、脳に血液の供給がいかなくなるのでそのまま亡くなってしまうことにもつながります(もちろん発見・対処が早ければ早いほど一命を取り留める可能性も高く、後遺症も残りにくいです)。

つまり、

・血管の弾力性がなくなって血液の流れが緩やかになる
  → 血栓ができて詰まる
・血管の壁が薄くなって膨れ上がる
  → 血液が流れ込んで滞留し破裂する

どちらにしても『血管の状態が健康じゃない』とこういう重篤な病気を引き起こす可能性があるということです。だからこそ、『血管』を元気に保っておくことが大事になります。



ちょっと前置きが長くなりましたが、そんな血管を元気にする運動があることを皆さんご存知でしたでしょうか?そして、逆に、先ほどのように血管に負担をかける運動も同時に存在しています。

皆さんが日頃から健康を意識して取り組んでいる運動がどちらになるのかを考えながら、続けて読んでいってみてくださいね。

身体活動(運動や日常生活での活動)と動脈硬化の関係について、さまざまな研究を手掛けてきた早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学部教授の宮地元彦氏によると、

「ウォーキングやジョギングといった有酸素運動が、高血圧の改善に有効であることは以前から分かっていました。それが、1990年頃にPWV法を用いて運動が血管に及ぼす影響を検証できるようになると、有酸素運動は血圧を下げるだけでなく、動脈硬化度を低下させることも明らかになったのです」

【出典】筋トレ、有酸素、ストレッチ…血管を若返らせる最強の運動は?

とのこと。ではそれ以外の運動はどうなっているのか、見てみましょう。

筋トレ以外はほぼ良いようですね。ちょっと意外だったのが、生活動作。対象年齢的なものもありますが、自宅でリモートワークしている方も同じように運動不足が祟ってケガや各種生活習慣病の併発の可能性も高いので、一緒に考えてもいいように思います。やはり日常的に運動を兼ねて散歩に行くなど習慣を取り入れる方がいいのかもしれません。

有酸素運動が血管をしなやかにする最大の理由は、『運動時に血液がたくさん流れることで広がってしなやかになる』とのこと。心臓から送り出された血液の血管の壁と擦れる『ずり応力』が高くなることで、血管の内側の細胞(血管内皮細胞)から一酸化窒素が分泌されて血管が拡がるそうです。

片脚だけを使ったフィットネスバイクと同じような装置で
有酸素運動を8週間行った結果、
運動した脚の総大腿動脈と総大腿静脈の横断面積が拡大。
安静にしていた脚では拡大が見られなかったとのこと。

ウォーキングやフィットネスバイクなどでの運動も良いですが、個人的には水泳の方がおすすめです。なぜなら血管自体のがんばりが少なくても『水圧』のサポートを得て血液循環を良くすることができるから。

血管自体に既にもろさがあるかもしれない、弱っているかもしれない方にいきなり陸上で有酸素運動をやるのは少し無理をかけすぎてしまうこともあります。そういう方ほど、水中運動・水泳で水の力を借りながら血液循環を増す方が身体への負担を最小限に抑えられるかなと考えています。

また、女性は50歳前後の閉経期に動脈硬化が進みやすくなるそうです。これは血管をしなやかに保つ作用がある女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が急激に減少する影響のため。

しかし、日頃から有酸素運動を習慣にしている女性は閉経後の動脈硬化が抑制されていることを示す研究報告もあるとか。更年期に入り、更年期障害の症状が出始めている女性こそ改めて有酸素運動の習慣を取り入れたいものですね(もちろん男性にも同様に更年期はあるのでおすすめです)。

有酸素運動が血管を柔らかくする効果は2ヶ月でピークを迎えるそうですが、それ以降も有酸素運動を続けていっても血管のしなやかさは維持されるとのこと。「もうこのくらいで大丈夫だろう」と安易に判断して辞めないように、無理のない範囲で継続していくことが大事ですね。



続いてストレッチ・ヨガなど柔軟運動の場合。
こちらは血管自体に物理的な柔軟力を加えるというわけではなく、『自律神経を介して』血管の柔軟力を上げていくというものです。

自律神経には、心身が活動モードのときに優位になる交感神経と、リラックスモードのときに優位になる副交感神経があるのはご存知ですよね。ストレッチには副交感神経を優位にするリラクセーション効果があり、副交感神経が優位になると筋肉が緩みます。この時、『血管の中膜の平滑筋も緩む』というのがポイントになります。そう、血管が『しなる』のは、血管の壁の中に筋肉があるからなんですね。

また、ちょっと面白いのが

体が柔らかい人は、血管が柔らかい

という話。これは研究データで裏打ちされているそうで、身体の柔軟性と動脈硬化度に関する宮地氏らの研究では、体の柔軟性が高い中高年のほうが動脈硬化度が低く、体が硬い中高年は動脈硬化度が高いことが示されているそうです。

体が硬い中高年は動脈も硬い

「身体硬いんだよね~」
とよく笑っている人が多いですが、中高年に分類されるそこのあなた。どうやらあなたの血管は硬いようですよ。このまま今の生活を続けていれば、冒頭で話したような病気が起こるかもしれません。今晩からでも早速お風呂上りにストレッチを始めていきましょう(全筋肉の70%は下半身にありますので、まずは股関節・太もも・ふくらはぎのストレッチから始めるのがおすすめです)。



ちなみに、血管に負担をかけてしまう運動『筋トレ』。
これは『週に2時間以上』やると良くないそうです。

この20年の間に、筋トレには、有酸素運動やストレッチのように血管を柔らかくする効果はなく、やりすぎればむしろ動脈硬化を進めてしまうことが証明されました。

ただし、筋トレが体に悪いと言っているわけではありません

運動習慣があまりない中高年がほどほどの筋トレを行う分には、血管の老化を進める悪影響はないことも分かっています。適度な筋トレには、高血圧や脂質異常、高血糖などの動脈硬化の危険因子を改善するメリットがあり、それが間接的に循環器疾患やがんの死亡リスクの減少をもたらす可能性があります。

(宮地氏より)

とのこと。つまり『程度』の問題なんですね。
筋トレが血管に良くない理由としては『交感神経の活動を著しく高めてしまう』から。

最大筋力の80%程度の付加をかけてバーベルを持ち上げる高強度な筋トレは瞬発力を要するため、交感神経が高まり、血圧が高くなります。その高血圧の下支えになるのが『血管』であり、血管が硬くならないといけないわけです。

ですので、せいぜいやったとしても、『自分の体重を重し』として使うヨガのような『自重運動』程度がまだ良いのかもしれませんね。



長々と書いてきましたが、血管の弾力性を取り戻し、若返らせる方法は何も運動だけではありません。当然『血管を作る材料』という食事が必要になります。

「○○をしているから大丈夫」というのは幻想です。

運動効果も食事効果も相互に作用し合っています。運動習慣を取り入れようとするなら、それに見合った『運動に耐えられるだけの栄養補給』を考えた上で、運動を心掛けていきましょう。




今週も最後までお読みくださりありがとうございました!
今週のコラム、いかがでしたでしょうか?
少しでも皆さんの健康力向上にお役に立てできましたら幸いです。
今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!



【 参考記事はこちら 】


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