【LINEコラム】まだまだある!実は『かなりいい運動になる』水中運動の運動効果-後編-(2022.7.25配信)
こんにちは。
本質的な健康施策で働く人の自己実現と組織力向上を支援するライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。
先日新たに始めた『両立支援コーディネーター』のWEB講義をすべて受講し終わり、残すところ29日のライブ配信講義のみととなりました。中小企業診断士の国家試験まであと2週間を切ったということもあり、何かと激動の日々が一区切りつこうとしている昨今、皆さんはこの夏いかがお過ごしでしょうか?
今日から夏休みに入ったところも多くあるのでしょうかね。暑さに感染対策にといろいろやることいっぱいな夏ですが、今週も先週に引き続き
【 水中運動(水泳含む)の健康効果-後編- 】
について紹介していこうと思います。
さて、前回は水中環境の特性4つの内『浮力』と『抵抗力』の2つについて紹介していましたね。特にこの2つは筋肉や骨への影響が大きく、痛みを抱えながら運動する方、ふくよかな体型で普段あまり運動をしない方がまず最初にやることとしておすすめな運動でもあり、主に身体の外側の強化につながるとお伝えしていたと思います(先週の内容どうだったかな?と思った方は同時に配信した画像メッセージをクリックしてご覧ください)。
今回は残りの2つの特性『水圧』と『水温』について紹介しようと思います。
■ 水中の効果③:水圧
これもある程度想像がついていたと思います。
水圧の最大の特徴は『深いところほど圧が強い』ということ。
こちらのイラストのように、深いところほど矢印が大きくなっていますよね。これが深さによる水圧の大きさを表しています。そして、身体全体の筋肉の内『7割が下半身に』ある。
特に皆さんもご存知のふくらはぎは『第二の心臓』とも呼ばれ、心臓から送り出された血液が全身を巡って足元に降りてきた後、最後に心臓に送り返す役目があります。このふくらはぎの筋力が落ちていたりすると血液循環が緩慢になってしまうため、心臓が血液を送り出す圧(血圧)や回数(心拍数)を増やさないといけず、心血管系に負担をかけてしまいやすいんですね。(※心臓の拍動1回分は全身に『脈拍』として伝わるため、『心拍数=脈拍』となります)
だからこそ、水中運動をする(水中にいる)だけで、水圧がふくらはぎの血液循環補助の役割をサポートしてくれるため、血液循環がスムーズになるのでエネルギー消費や不要な老廃物の排出が強化されるんです。
しかも、良いことは血液循環の改善だけではありません。
上の図にもあるように、水圧は一方方向にのみ作用するのではなく、身体の全身多方向に作用します。そう、胸周りにも水圧はかかるんです。
胸部には大きな臓器がありますよね?そう、肺です。肺自体も筋肉でできていますし、その肺を覆うろっ骨には2つ前の呼吸のコラムでも紹介した呼吸筋と呼ばれる『肋間筋』があります。
この2つが水圧の影響を受ける(水に浸かった状態で呼吸をする)ということは、
しかも水中ではただ黙っているわけではありません。運動します(歩く・泳ぐ)。つまり、陸上に居る時よりも呼吸は実は辛かったりするんですね。この辺りは浮力の効果にかき消されて自覚しにくいのですが、実は結構内臓含め筋肉たちはめっちゃがんばっています。
日頃『デスクワークで猫背がひどい』という方は、間違いなく猫背によって胸郭の広がりが小さくなる=肋間筋が硬くなっているため、呼吸も浅くなっていることが多いはず。
そんな方は普段の呼吸が小さく浅いため、下手をすると深呼吸=普通の呼吸になっている、なんてことも考えられます。そういう意味でも、呼吸筋を鍛えて呼吸を行うことは、先のコラムでも書きました自律神経の安定にも関係し、最終的にはメンタルの安定にもつながるわけです。
つまり、水中運動では単にむくみ解消や呼吸筋強化だけでなく、こうした内臓や神経系への影響もあるため、実に心身ともに安定と向上を図るには最高というわけです。
■ 水中の効果④:水温
さて、最後になりました。4つ目の特性は『水温』です。
一瞬こう聞いて皆さんはどう感じましたか?
と思う方も多いと思います。
そうなんです、実はこの『水の温度=体温よりも低い環境』というのがポイントになります。
よく水中運動や水泳を勧めると怪訝な顔をする要因に
というのが挙げられますが、私からすればそれは『筋肉がない(不健康・未病)人の言い分』に聞こえます。笑
というのも、人間の身体には『体温調節』という機能があります。これも以前のコラムで紹介していると思いますが、
人間の身体は、外界の温度を感知すると、自動的に体温を高くなり過ぎず低くなり過ぎないように調整する機能があります。
体温を適正に保つために外界から気温の変化の刺激を受けると、体温を一定に保とうと行動します。例えば『身体が震える』こと。これは全身の筋肉を震わせる=動かすことで熱をつくり、体温を上げるための行動になります(何度かコラムでも紹介していると思いますが、体温をつくる動力源は筋肉でしたよね)。
そして、水中運動ではこの『自律性体温調節』の機能を最大限活用することになります。そもそも市民プールの大人用のプールの温度は大抵が29℃前後です。これは体温よりも6℃以上低い環境で運動することになります。
そうすると、
という流れになります。ざっくり図にするとこんな感じ。
この体温調節においては脳の『外側腕傍核』が重要であり、日頃から脳疲労が起きている脳だとここの働きが狂ってしまいやすいため、体温を上手く判断できず体温調整が上手くいかないという研究もあります。だからこそ、日頃から脳疲労を起こさないためにも自律神経にメリハリがつくような習慣を心掛ける必要があるんですね。
さらに、水中ではこうした体温調整の機能だけでなく、浮力によるリラックス効果も得られることから、自律神経の調整にもとても良いとされています。私自身、うつ病になった時にしていた仕事は水泳のコーチでしたが、水の中にいると心身がリラックスできて気持ちも安定的であり、仕事に支障が出ることはあまりありませんでした。
以上の流れからも、体温調節機能の向上に役立つ『水温』という特性。意外と思い浮かばない効果ではないかと思い、紹介させていただきました。
【 参考記事 】
今週も最後までお読みくださりありがとうございました!
長々と水中運動の効果を2週連続で紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
これからの時期はより暑さも増します。『涼を求めて近くのプールに行く』くらいの感覚でいいので、ぜひこの夏は一度でいいので市民プールでウォーキングでもしてみてくださいね。
今週のコラムが少しでも皆さんの健康力向上にお役に立てできましたら幸いです。
また、コラムの内容についても質問・疑問・感想募集しています!いつでもトーク画面よりお気軽にメッセージください!
それでは今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!
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